第8話 Alive
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「…こないださ、どーして俺がお前を助けたのかって聞いてたよな。」
ちぎれ雲の漂う目に痛い程の、青。
見上げながら吐き出した紫煙がそこを、昇っていく。
「3年前のあの日どしゃ降りの雨の中お前は俺を見上げて、殺してくれって目をしてた。」
雨音さえ聞こえてきそうな程にクリアな記憶。
自分でも少し、意外だった。
「――だから助けたんだよ。」
八戒の目がこちらを向いたことには気づいて口元だけで、軽く笑う。
「俺は死にたがってる奴を簡単に殺してやる程、優しい男じゃあナイの。」
「悟浄……」
「――で、今はどーなワケ?いつ死んでもイイって顔には見えねぇけどな。」
からかうような視線を向けると端整な面差しがそれを受けて、柔和な微笑を浮かべる。
いつもの疲れたような感じは大して、変わらない。
だけど
何か重たい荷物を抱えることに疲れてとりあえず横に置いてみたといったそんな風な表情はまぁ以前のそれと比べて、と言うより人として普通だよなと思う。
「今は…そうですね…」
徐に右手を上げた八戒が、それをそのまま眼前に翳す。
「この生命線が、もう少し長かったら良かったなぁと思います。」
「えー何、八戒生命線短いの?」
『あ、ホントだ短い。』