第8話 Alive
夢小説設定
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強い力ですがられた肩に、痛みが奔る。
「……まったく、貴方には失望しましたよ。」
でもそれも、僅かの間。
「ありがとうございます。」
ボロボロと罅割れていく顔に張り付いた笑みが、深くなる。
まるでこの身に、馴染むように。
「もっと我を楽しませてくれると思ってたのに。」
「あいにく最近自虐的傾向に飽きたんです。正確に言えば身近な方々に感化されたんですが。」
――悟能
そんな表現を今、生きてこうして在る自分が言うのはなんだかおかしいような気もするけれど。
「この手がどんなに紅く染まろうと、血は洗い流せる。」
でもそれでもどこかで、それが正しいような気もして。
多分きっとそれは終わった過去も今、こうやって終わっていく現実に連なっているから。
「そうやって生きて行くんです、僕らは。」
「――クク…そう来ましたか。」
こうやって終わっていく現実が、始まっていくこの刹那を今
「…やはり我は心底貴方が嫌いですよ、猪八戒。」
繋げていくから。
「貴方の様に生きる匂いしかしない、偏屈な偽善者は。」
「――奇遇ですね。僕も貴方が嫌いです。僕は貴方の様な過去も未来もない生き物じゃありませんから。」