第8話 Alive
夢小説設定
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繰り出された拳が、打つような音をたてて受け止められる。
「ははっ。今度こそ血迷いましたか!?」
何も知らない。
私はまだこの人達のこと――この人のことを。
「――!?」
無造作に手首を掴まれた清一色の顔が驚きと、確かな焦りに強張る。
「制御を外す必要はないでしょう。」
空いた左に集約していく灯りが夜の黒を
「気功術には、応用編があるんですよ。」
ざわめかせる。
「3年前僕が切り裂いたのはここでしたね。」
笑みすら含んだような柔らかな声を追いかけるように、湿り気を帯びた音が闇に、沈む。
「――…猪悟…能…」
「違いますよ。」
貫いた血肉ごと牌を掴み出した八戒の腕が横様に、アカを曳く。
「――僕は、猪八戒です。」
そよいだ風に髪が靡いて、知らず上がった指が、胸に触れる。
目の前に立つ少しずつ高さの違う背中に、隣に佇む横顔に
『………』
感じた想いを、隠すように。