第7話 Dead
夢小説設定
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視界を覆う薄紅を揺らした風が、ささやかな香りを含んで上向けた顔を
「ああ」
撫でていく。
「いい風ですねえ。」
視線を受け止めたその顔が、微笑む。
『………』
透明な彩に色どられた不思議な、世界。
降り注ぐ陽射しさえ遠い温度を保つその場所に、自分が今、夢を視ている事を知る。
いつの頃からか時折視る、夢。
夢幻の常春。
「――――。」
わからない。
知らない。
小さく瞬いたその薄紫の瞳が柔らかく、細くなる。
この人が誰なのかなのに
どうしてだろう。
私は
「どうしました
わからない。
頬に触れた優しい指先が、雫を掬う。
わからないの。
どうしてこんなに胸が苦しい。
どうして
――――。」
こんなに。
呼吸すら出来なくなる程の嗚咽さえ、響かない。
「……――――。」
どうして。
貴方が私の名前を呼んで、いるのに。
「仕様のない人ですね。」
身体を抱いた苦い香りに混じる笑い声が、耳をくすぐる。
知ってる。
この腕を
この暖かさが私を伝う、想いを。
私は――『
――――。
』――知っているの。