第7話 Dead
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華奢な体が吹っ飛び、離れた大木に打ち付けられる。
声なく崩折れるのを目にしながら
「春…――ッ!!?」
至近で動いたその影に抗さなければと、知覚はしたのに。
「あ…ッ」
首を包んだ肌理の細かい掌に、喉が圧迫される。
「腕が…」
酸素を求めて喘ぐ視線の先で歯を食いしばる八戒の顔がたちまち揺らぐのに、噛んだ空気はだが
「実に脆い生き物ですねェ。」
音にさえならない。
愉悦を含んだ憎悪と共に降ってくる影が視界を、侵食していく。
「心の隙間に入り込むのは、こんなにも容易い。」
「――ッ嫌です…!!」
闇を、深めていく。
「なぜ?人殺しなんて造作もないことでしょう?」
動かした目に映る春炯は、ピクリとも動かない。
その顔を覆うように広がった黒髪に。
なんだって
「その手を汚す死の数が、またひとつ増えるだけですよ…」
俺が。
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