第6話 Misty
夢小説設定
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「……その通りですよ。」
横穴から出ていく三蔵にやっていた目を、戻す。
「――まったく」と俯いた八戒さんの黒髪が、さらりとその手の縁から零れる。
「……すみません。」
唐突な謝罪に目を瞬くと、深緑色の瞳が少しの間だけ自分に留まってまた、逸れていった。
「格好悪いところばかり、見せてしまって……」
『……そうですね。でも…』
自然と口元が緩むのを感じながら、目を閉じる。
『これからきっと、そう短くない時をご一緒させて頂くことになるのですから。』
そうして開いた眼に映る感情は、ともすれば笑ってしまうくらいに無防備に澄んでいて。
『そんな時だってあってもいいでしょう?』
だからだろうか。
『八戒』
口にした名前は不思議と、違和なく身に馴染んだ。
暫く呆けたようにこちらを見ていた八戒の唇が小さく、開く。
「……はい。……ええと…」
戸惑うように伏せられていたその目がややあって、こちらを向く。
「これから、宜しくお願いします。その…改めて。春炯。」
『はい。…八戒。』
たどたどしく互いの名前を口にしあうのがおかしくてどちらからともなくやっぱり、笑ってしまった。