第1話 Begin again
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夢を見ているのだと、気づいた。
しかし匂いは…する。
独特の芳香を含んだ煙を交えた、春の日の匂いが。
縁側に座って煙管をくゆらせながら、その膝にしがみつくようにしている幼女にやっていたその目が、上がる。
期待した。
「――――。」
予想通りだった。
それでも呼ばれたのは分かったから、足を踏み出す。
それにしても、と思う。
こんなのは知らない。
こんな過去を、自分は知らない。
滲むような空に吸い込まれるようにして消えていく紫煙の横で落ち着き無く短い足をバタつかせているその瞳を、見返す。
期待した。
『――――。』
やっぱり、予想通りだった。
それでも求められているのは、分かった。
分かったから。