Thank you!
♡を送っていただきありがとうございます!
◆甘く、蕩ける◆
「……」
「……」
「……ほら、早くしたらどうだ」
ジャミル先輩の部屋。
今私はベッドに端座位になってるジャミル先輩の足の間に立っていて、腰には逃がさないとばかりに先輩の腕が回っている状態だ。
したい。けど、出来ない。
「だって…恥ずかしくて…」
「なんだ今更。キスをしたいと言い出したのは君だろ?ま、ここからの眺めは最高にいいがな」
揶揄うように意地悪そうな顔でくつくつと喉を鳴らして笑う先輩がとてもかっこよくて胸がキュッと高鳴る。艶のある黒曜石の瞳に捉えられて堪らず目を逸らした。
ジャミル先輩とお付き合いして、数ヶ月。ずっと好きだった先輩の彼女になれたなんて夢のようだ。
一緒にいる時間が長くなればなるほど“好き”の気持ちが止められなくなる。
初めてのキスは恋人になってから数週間後に先輩の部屋で、先輩から。そっと触れるだけの優しい口付けだった。
それからも二人きりになると、必ずキスされるようになった。優しいものから、身も心もトロトロに溶けてしまいそうになるキスまで…。
冷静沈着で淡白そうに見える先輩は、付き合ってみると意外と表情豊かで愛情深くて、情熱的。凄く大切にしてくれているのが伝わってきて幸せだと感じた。
キスするのはいつも先輩から。
私も先輩に好きの気持ちを伝えたくてキスをしたいと言ったのだけれど…
ちらり、と逸らした視線を先輩へと戻せば相変わらず切れ長な三白眼が私を捉えていた。
間近で視線が絡むと、顔に熱が集まってくるのを感じたのと同時に心臓の鼓動も速くなる。
遅かれ早かれ、キスをしないとずっとこのままだ。
近くでジャミル先輩を感じられるのは凄く幸せな反面、恥ずかしい。
「……これならやりやすいだろ」
「〜〜っ!」
躊躇っていると、後頭部に手を回されてグッと引き寄せられる。先程とは違い、鼻先が当たるくらいまで近付いた距離に息が詰まりそうになる。
「君がいつまでも焦らすなら俺からしてもいいんだぞ。…その代わり、簡単に帰れると思わないでくれよ」
切れ長な目を細めてクスリと艶やかに笑うジャミル先輩の色香に押し負けそうになるのを堪えて腹を括る。
「…目を瞑って下さい」
顔を見られるのは流石に恥ずかしいからそうお願いすると、素直に目を閉じてくれた。女も嫉妬する程の長い睫毛、きめ細かい褐色の肌、形の整った薄い唇。
やり場に困った手の位置は、少し体温の低い先輩の両頬へ。
全部、全部好き。言葉では言い表せないくらいジャミル先輩が大好き。
ーー…ちゅっ
ほんの短い間触れた唇は離した瞬間から熱を持ち始め、全身を駆け巡った。自分からするキスは照れ臭くて体が沸騰したかのように熱くなる。その直後、言いようのない幸福感に心は満たされて胸が甘く締め付けられた。
キス、できた。嬉しい、幸せ。ジャミル先輩もいつもこんな気持ちなのかな。
「先輩、幸せですか?」
「ああ。だから、もっと欲しくなる」
「じゃ、み…っ!」
逃げられないように体を引き寄せられて、ちゅ、ちゅ…と何度も重ねられる唇。
「君が思ってる以上に、俺は貪欲なんだ。……だから、俺が満足するまで付き合ってくれるよな?」
ユニーク魔法を使われたわけじゃないのに艶のある低く甘い声で囁くように言われれば、拒否の二文字はあっという間に私の中から消滅してしまう。
「でも、私…どうしたらいいか…」
「君が上達するまでちゃんと教えるさ。ほら、もう一回…」
ジャミル先輩に教えてもらったのは甘くて、優しくて、身も心も蕩けてしまうような幸せなキス。もっと、もっと、たくさんの色んな事を私に教えて…。
◆甘く、蕩ける◆
「……」
「……」
「……ほら、早くしたらどうだ」
ジャミル先輩の部屋。
今私はベッドに端座位になってるジャミル先輩の足の間に立っていて、腰には逃がさないとばかりに先輩の腕が回っている状態だ。
したい。けど、出来ない。
「だって…恥ずかしくて…」
「なんだ今更。キスをしたいと言い出したのは君だろ?ま、ここからの眺めは最高にいいがな」
揶揄うように意地悪そうな顔でくつくつと喉を鳴らして笑う先輩がとてもかっこよくて胸がキュッと高鳴る。艶のある黒曜石の瞳に捉えられて堪らず目を逸らした。
ジャミル先輩とお付き合いして、数ヶ月。ずっと好きだった先輩の彼女になれたなんて夢のようだ。
一緒にいる時間が長くなればなるほど“好き”の気持ちが止められなくなる。
初めてのキスは恋人になってから数週間後に先輩の部屋で、先輩から。そっと触れるだけの優しい口付けだった。
それからも二人きりになると、必ずキスされるようになった。優しいものから、身も心もトロトロに溶けてしまいそうになるキスまで…。
冷静沈着で淡白そうに見える先輩は、付き合ってみると意外と表情豊かで愛情深くて、情熱的。凄く大切にしてくれているのが伝わってきて幸せだと感じた。
キスするのはいつも先輩から。
私も先輩に好きの気持ちを伝えたくてキスをしたいと言ったのだけれど…
ちらり、と逸らした視線を先輩へと戻せば相変わらず切れ長な三白眼が私を捉えていた。
間近で視線が絡むと、顔に熱が集まってくるのを感じたのと同時に心臓の鼓動も速くなる。
遅かれ早かれ、キスをしないとずっとこのままだ。
近くでジャミル先輩を感じられるのは凄く幸せな反面、恥ずかしい。
「……これならやりやすいだろ」
「〜〜っ!」
躊躇っていると、後頭部に手を回されてグッと引き寄せられる。先程とは違い、鼻先が当たるくらいまで近付いた距離に息が詰まりそうになる。
「君がいつまでも焦らすなら俺からしてもいいんだぞ。…その代わり、簡単に帰れると思わないでくれよ」
切れ長な目を細めてクスリと艶やかに笑うジャミル先輩の色香に押し負けそうになるのを堪えて腹を括る。
「…目を瞑って下さい」
顔を見られるのは流石に恥ずかしいからそうお願いすると、素直に目を閉じてくれた。女も嫉妬する程の長い睫毛、きめ細かい褐色の肌、形の整った薄い唇。
やり場に困った手の位置は、少し体温の低い先輩の両頬へ。
全部、全部好き。言葉では言い表せないくらいジャミル先輩が大好き。
ーー…ちゅっ
ほんの短い間触れた唇は離した瞬間から熱を持ち始め、全身を駆け巡った。自分からするキスは照れ臭くて体が沸騰したかのように熱くなる。その直後、言いようのない幸福感に心は満たされて胸が甘く締め付けられた。
キス、できた。嬉しい、幸せ。ジャミル先輩もいつもこんな気持ちなのかな。
「先輩、幸せですか?」
「ああ。だから、もっと欲しくなる」
「じゃ、み…っ!」
逃げられないように体を引き寄せられて、ちゅ、ちゅ…と何度も重ねられる唇。
「君が思ってる以上に、俺は貪欲なんだ。……だから、俺が満足するまで付き合ってくれるよな?」
ユニーク魔法を使われたわけじゃないのに艶のある低く甘い声で囁くように言われれば、拒否の二文字はあっという間に私の中から消滅してしまう。
「でも、私…どうしたらいいか…」
「君が上達するまでちゃんと教えるさ。ほら、もう一回…」
ジャミル先輩に教えてもらったのは甘くて、優しくて、身も心も蕩けてしまうような幸せなキス。もっと、もっと、たくさんの色んな事を私に教えて…。