スパルタ女神
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「理緒ちゃーん」
「はいはーい、今行きまーす」
湘北高校バスケ部。
ここにアイドルと呼ぶにふさわしいマネージャーがいた。
彼女の名前は蓮見 理緒。
湘北に転校してきた2年生だ。
可愛い顔と持ち前の親しみやすさで、バスケ一色の奴らの心を一瞬にして奪ってしまった。
「リョータ、どうしたの?」
「ここんとこ、ちょっと打っちゃってさ。テーピングしてくれる?」
「大丈夫?大会近いんだから、極力怪我しないようにね?」
「う、うん。ありがと」
気遣いや手際の良さも兼ね揃えている理緒は、バスケ部や男女問わず人気があった。
もちろん理緒をマネージャーに欲しがったのはバスケ部だけではない。
サッカー部や野球部を始め、たくさんのオファーがあったのだ。
その中で理緒がバスケ部のマネージャーになったのは――
「理緒、そこが終わったらちょっと来てくれる?」
「どうかしたの?彩子」
同じクラスで仲良しの彩子に頼まれたからだ。
彩子は理緒が転校してきてから最初に仲良くなった女の子だった。
「ダンボール一つ運ばなきゃいけないんだけど大きいのよ。手伝ってくれない?」
「オッケー!じゃ、リョータ、気を付けなよ?」
彩子の後を追いかけるように去っていく理緒を見つめるリョータ。
「宮城、いいよなぁ」
「理緒さんに手当てしてもらえるなんて!!わざとだろ、リョーちん!!」
「なっ!三井さんと花道!?」
宮城の背後から、ぬっと登場したのは三井と桜木だった。
「理緒ってまじで可愛いよな~」
理緒を見つめながら言う三井に、桜木が続く。
「特に笑顔と何気ない仕草!!」
宮城はうんうん、と頷いて右手の親指を立てながら
「最っ高!」
3人で理緒について語りだす。
部活中にもかかわらず、既にバスケの事は彼らの頭にはなかった。
今だからこんな事は日常茶飯事であるが、理緒が来る前まではなかった事である。
すると彼らの背後に少し小柄なシルエットが映し出された。
「「「んっ?」」」
ピコッ! ピコッ! ピコンッ!
「痛っ~~~」
「っつぅ~~」
「うっ・・・」
3人が振り向くと、そこには右手にピコピコハンマーを持った理緒がいた。
マネージャーになった時に、彩子から「好きに使って」と託されたものだ。
「私がいなくなった途端おさぼりですか?」
「理緒っ!?おまえ今向こうに・・ってかそのハンマー・・」
「おさぼりは許さないですよっ?」
「「「ちょ、待て!!」」」
3人の制止などもちろん理緒が聞くはずがなく、
「問答無用!!」
ピコッ! ピコッ! ピコンッ!
「「「ったぁ~~・・」」」
「さぁっ、練習に励みましょー」
しゃがみこむ3人をよそに理緒はそういうと、鼻歌を歌いながら赤木や彩子のところへ向かって行った。
「理緒の見た目はおとなしそうなのにな・・」
「アヤちゃんから譲り受けたピコピコを使いこなしてる・・」
「理緒さん・・・そこもいい・・・」
「「いや、そうなんだよ!!」」
理緒に関することはほとんど意気投合する3人。
ピコピコハンマーで打たれた頭を撫でながらも、かまってもらえていると喜んでしまうくらい重症だ。
懲りもせず練習に戻らないまま理緒を見ていると、ふとわずかな事に気がついた。
「あれ?赤木のやつ・・」
「あー!ゴリ赤くなってやがる!!」
理緒と話す赤木が若干赤くなっていた。
そう、理緒に好意を寄せているのはなにもこの3人だけではない。
そしてそのことに3人はめざとくも気付いたのだった。
「ふんぬー!ゴリめ、理緒さんと何を話してやがんだ!」
「あんにゃろ、ゴリラのくせして」
「赤木のダンナまで・・」
そんな3人の横を流川が通り過ぎ、理緒達のところへ向かった。
「あ、流川」
「っす。先輩、スコアブック見せて欲しいんすけど」
「珍しいね?ちょっと待ってて」
珍しく自ら行動し話す流川に、またしても3人は不吉な予感・・・。
「おいおい、まさか流川までなんてことはねぇよな?」
「流川が自分から・・」
「あんなキツネ男まで!」
三井、宮城、桜木は気が気じゃないとばかりに流川を睨んでいると、その視線に気付いたのか、流川は3人を一瞥してから
「ふんっ」
小馬鹿にしたように鼻で笑って、何事もなかったように理緒との会話を戻った。
「「「くそー!アイツめ・・!!」」」
理緒を狙ってるのが自分だけじゃないことを思い知らされた3人。
しかしライバルが多いと燃えるのが彼らである。
「ま、まぁ?俺には関係ねぇけどな」
「はっ!?何で!?」
「何でって決まってんだろーよ、宮城。俺が理緒をモノにするからだよ」
三井が自信に満ちた顔つきで、そう主張する。
「何言ってんすか!」
「そーだぞ、ミッチー!理緒さんはこの天才が・・」
「「あー、無理無理」」
「何ぃ!?」
さすがに桜木だけはない、と三井と宮城の意見が一致する。
仲が良いのか悪いのか定かでない3人の争いが勃発した。
ちなみに相も変わらず現在は練習時間で、まだ休憩時間ではない。
とすれば――
「皆さ~ん?」
「「「?」」」
いつ来たのか、3本のボトルを手にした理緒が立っていた。
「もうすぐ休憩だからドリンク持って来たら・・真面目にやってませんねー?」
「げっ!」
理緒は持っていたボトルを上に振りあげた。
「まさか!おい!理緒、待て!!それはヤバイぞ!?」
「・・そうですか?」
三井の制止に珍しく手を止める理緒。
「「「!?」」」
まさか制止に応じるとは思わず、3人は意外そうに理緒を見る。
理緒は少し何かを考えてから、
「やっぱり、これじゃないと――」
「「「げっ!!」」」
またしてもどこからともなく出したるはピコピコハンマー。
ピコンッ! ピコッ! ピンッ!
「「「っ痛~~」」」
「よーっし、もう十分休憩しましたよね?練習再開しましょー!!」
元気よく声をかける理緒を横目に、3人は頭をかかえうずくまっていた。
「はいはーい、今行きまーす」
湘北高校バスケ部。
ここにアイドルと呼ぶにふさわしいマネージャーがいた。
彼女の名前は蓮見 理緒。
湘北に転校してきた2年生だ。
可愛い顔と持ち前の親しみやすさで、バスケ一色の奴らの心を一瞬にして奪ってしまった。
「リョータ、どうしたの?」
「ここんとこ、ちょっと打っちゃってさ。テーピングしてくれる?」
「大丈夫?大会近いんだから、極力怪我しないようにね?」
「う、うん。ありがと」
気遣いや手際の良さも兼ね揃えている理緒は、バスケ部や男女問わず人気があった。
もちろん理緒をマネージャーに欲しがったのはバスケ部だけではない。
サッカー部や野球部を始め、たくさんのオファーがあったのだ。
その中で理緒がバスケ部のマネージャーになったのは――
「理緒、そこが終わったらちょっと来てくれる?」
「どうかしたの?彩子」
同じクラスで仲良しの彩子に頼まれたからだ。
彩子は理緒が転校してきてから最初に仲良くなった女の子だった。
「ダンボール一つ運ばなきゃいけないんだけど大きいのよ。手伝ってくれない?」
「オッケー!じゃ、リョータ、気を付けなよ?」
彩子の後を追いかけるように去っていく理緒を見つめるリョータ。
「宮城、いいよなぁ」
「理緒さんに手当てしてもらえるなんて!!わざとだろ、リョーちん!!」
「なっ!三井さんと花道!?」
宮城の背後から、ぬっと登場したのは三井と桜木だった。
「理緒ってまじで可愛いよな~」
理緒を見つめながら言う三井に、桜木が続く。
「特に笑顔と何気ない仕草!!」
宮城はうんうん、と頷いて右手の親指を立てながら
「最っ高!」
3人で理緒について語りだす。
部活中にもかかわらず、既にバスケの事は彼らの頭にはなかった。
今だからこんな事は日常茶飯事であるが、理緒が来る前まではなかった事である。
すると彼らの背後に少し小柄なシルエットが映し出された。
「「「んっ?」」」
ピコッ! ピコッ! ピコンッ!
「痛っ~~~」
「っつぅ~~」
「うっ・・・」
3人が振り向くと、そこには右手にピコピコハンマーを持った理緒がいた。
マネージャーになった時に、彩子から「好きに使って」と託されたものだ。
「私がいなくなった途端おさぼりですか?」
「理緒っ!?おまえ今向こうに・・ってかそのハンマー・・」
「おさぼりは許さないですよっ?」
「「「ちょ、待て!!」」」
3人の制止などもちろん理緒が聞くはずがなく、
「問答無用!!」
ピコッ! ピコッ! ピコンッ!
「「「ったぁ~~・・」」」
「さぁっ、練習に励みましょー」
しゃがみこむ3人をよそに理緒はそういうと、鼻歌を歌いながら赤木や彩子のところへ向かって行った。
「理緒の見た目はおとなしそうなのにな・・」
「アヤちゃんから譲り受けたピコピコを使いこなしてる・・」
「理緒さん・・・そこもいい・・・」
「「いや、そうなんだよ!!」」
理緒に関することはほとんど意気投合する3人。
ピコピコハンマーで打たれた頭を撫でながらも、かまってもらえていると喜んでしまうくらい重症だ。
懲りもせず練習に戻らないまま理緒を見ていると、ふとわずかな事に気がついた。
「あれ?赤木のやつ・・」
「あー!ゴリ赤くなってやがる!!」
理緒と話す赤木が若干赤くなっていた。
そう、理緒に好意を寄せているのはなにもこの3人だけではない。
そしてそのことに3人はめざとくも気付いたのだった。
「ふんぬー!ゴリめ、理緒さんと何を話してやがんだ!」
「あんにゃろ、ゴリラのくせして」
「赤木のダンナまで・・」
そんな3人の横を流川が通り過ぎ、理緒達のところへ向かった。
「あ、流川」
「っす。先輩、スコアブック見せて欲しいんすけど」
「珍しいね?ちょっと待ってて」
珍しく自ら行動し話す流川に、またしても3人は不吉な予感・・・。
「おいおい、まさか流川までなんてことはねぇよな?」
「流川が自分から・・」
「あんなキツネ男まで!」
三井、宮城、桜木は気が気じゃないとばかりに流川を睨んでいると、その視線に気付いたのか、流川は3人を一瞥してから
「ふんっ」
小馬鹿にしたように鼻で笑って、何事もなかったように理緒との会話を戻った。
「「「くそー!アイツめ・・!!」」」
理緒を狙ってるのが自分だけじゃないことを思い知らされた3人。
しかしライバルが多いと燃えるのが彼らである。
「ま、まぁ?俺には関係ねぇけどな」
「はっ!?何で!?」
「何でって決まってんだろーよ、宮城。俺が理緒をモノにするからだよ」
三井が自信に満ちた顔つきで、そう主張する。
「何言ってんすか!」
「そーだぞ、ミッチー!理緒さんはこの天才が・・」
「「あー、無理無理」」
「何ぃ!?」
さすがに桜木だけはない、と三井と宮城の意見が一致する。
仲が良いのか悪いのか定かでない3人の争いが勃発した。
ちなみに相も変わらず現在は練習時間で、まだ休憩時間ではない。
とすれば――
「皆さ~ん?」
「「「?」」」
いつ来たのか、3本のボトルを手にした理緒が立っていた。
「もうすぐ休憩だからドリンク持って来たら・・真面目にやってませんねー?」
「げっ!」
理緒は持っていたボトルを上に振りあげた。
「まさか!おい!理緒、待て!!それはヤバイぞ!?」
「・・そうですか?」
三井の制止に珍しく手を止める理緒。
「「「!?」」」
まさか制止に応じるとは思わず、3人は意外そうに理緒を見る。
理緒は少し何かを考えてから、
「やっぱり、これじゃないと――」
「「「げっ!!」」」
またしてもどこからともなく出したるはピコピコハンマー。
ピコンッ! ピコッ! ピンッ!
「「「っ痛~~」」」
「よーっし、もう十分休憩しましたよね?練習再開しましょー!!」
元気よく声をかける理緒を横目に、3人は頭をかかえうずくまっていた。
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