③_翔陽編
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「『翔陽高等学校』・・・よしっ」
翔陽の校門に、海南の制服を着た少女が一人。
彼女の名前は蓮見理緒。
アメリカで育った帰国子女で、バスケの腕前はアメリカでもトップレベルである。
そして・・・
「おい、あの子可愛くね?」
「マジで!?ドコだよ!!」
「あの海南の子だろ?すっげ可愛いじゃん!」
通り過ぎる人の目を引くのに十分な容姿の持ち主だった。
しかし当の本人にその自覚はなく、翔陽の生徒達の視線にも気付かない様子で
「えっと、体育館は・・」
バスケ部見学のために体育館を探す。
しかし運動施設が複数ある為に、どこに行っていいか分からず校門付近で既にウロウロしていた。
「まさかこんなに広いなんて・・どうしよー・・」
すると長身で眼鏡の男が理緒の後ろから声をかけた。
「さっきから迷ってるようだが」
「あっ、すいません!バスケ部の体育館に行きたくて・・」
天の助けとばかりに振り向きながら理緒はその男に問う。
その際に胸の辺りまであるストレートヘアーが風になびいた。
理緒と目が合った瞬間、
「(うわっ、可愛いな・・)」
男はそう思った。
固まってしまった男に、何かあったのかと理緒は戸惑いの表情を見せる。
「あの、体育館は・・」
「あぁ、ごめんごめん。俺も今から行くから、一緒に行くか?」
理緒にとっては願ってもいない申し出に、思わず満面の笑みがこぼれた。
「いいんですか?ありがとうございます!」
「/////」
自分に向けられた警戒心のないその笑みに、男が赤面しないはずがなかった。
その赤らんだ顔を隠すように理緒から顔をそらし、体育館へと促すように歩き出した。
「体育館に行くところって事は、バスケ部員さんですか?」
2人で体育館へ向かっていると、理緒が男に尋ねた。
「あぁ、俺は翔陽バスケ部3年の花形だ」
「3年の花形・・・ってセンターの花形さん!・・ですか?」
名前を聞くなり、理緒の表情が分かりやすいくらい明るくなる。
「知ってるのか?」
「もちろんですよ!有名な選手は皆知ってます」
まさかこんなところで会えるとは、と小さく呟きながら嬉しそうに微笑む理緒。
花形は驚きながらも、そんな理緒の様子に微笑ましい気持ちになった。
「そういえば、名前は?」
「あ、蓮見 理緒です。よろしくお願いします」
「お、おぅ・・」
屈託のない笑顔でそう言う理緒に花形は
「(っ・・可愛すぎだろ・・・)」
頬に熱を感じて、せっかく落ち着いたはずの顔の赤みが復活したことに気付き俯いた。
「ところで」
「はい?」
意識を他に移そうと軽く深呼吸をしてから、花形はさっきから気になっていた事を切り出した。
「今日はうちのバスケ部に何か用があってきたのか?」
「はいっ。えーと、藤真さんに勝負してもらいたいんです」
「・・・・はっ?」
予想外の返答に、一瞬動作が止まった。
聞き間違いかと思うくらい理解が追い付かない。
そもそも藤真に勝負を挑もうとする女子など、今までに見たことがないからだ。
「藤真と勝負って言ったか?・・本気か?」
「はい!・・あの、やっぱりダメですか?」
「いやっ、ダメって事はないと思うが・・・」
ダメとかそういう話ではない。
藤真は海南の牧と双璧と呼ばれ、翔陽の選手兼監督を務めるほどの実力者だ。
その藤真と勝負?藤真のファンで会いたいとかではなく?
花形の経験上、藤真絡みの話をしてくる女子は全員藤真のファンで、会わせてくれというものだった。
「(藤真と勝負・・どこまで本気かわからないし、まったく想像がつかないがこれは面白そうだな)」
初めてのタイプだった理緒に、花形は強く興味を持った。
そうこうしているうちに体育館に着く。
館内からはすでにバッシュやボールの音が響いていた。
「遅刻だな、ははっ」
「あっ!ごめんなさい!!私のせいですよね・・」
「理由があるんだ、平気さ」
花形の柔らかい笑顔とその言葉に、理緒はすみませんと一言伝えつつも安堵した。
「お、花形来たな」
「高野」
「ん?女連れで遅刻かよ~」
高野は花形の後ろにいる女子の影を見るなり、ニヤニヤしながらそう言った。
「ばっ、この子は――
「迷ってたところを花形さんに助けてもらったんです」
理緒が申し訳なさそうに、花形の少し前に出てそう言った。
不意打ちに近い形で理緒と対面した高野は、一瞬の間を置いて思わず視線をそらす。
「・・・っ」
「おい、高野?平気か?」
ガシッ
高野は突然花形の肩をつかんで理緒に背を向けた。
「おいおい花形、何だよ、すっげぇ可愛いじゃねぇか!」
「・・だよな」
「海南の制服っつー事は海南の子なんだろ?」
興奮気味な高野をなだめるように、花形は高野の肩に手を置いて頷いた。
「何で海南なんだよー!俺の超タイプなのに!」
「高野、気持ちは分かるがとりあえず落ち着け」
理緒の様子が気になり、花形はチラっと理緒を見る。
話題になってるとは露知らず、理緒は翔陽のバスケ風景をわくわくしながら見ていた。
無邪気にも感じる嬉しそうなその笑顔に、花形も表情を緩ませた。
「ところで、藤真いるか?」
「藤真?あぁ、さっき部室に行ったが・・・何か用か?」
「実はさ・・・」
これが本題とでも言うように、花形は高野に理緒が藤真と勝負したいと言っている事を話した。
「はぁ!?藤真と勝負!?」
「・・・そうだよな、そういう反応するよな」
前例のないことに高野も驚きを隠せない。
そして2人は再び理緒を見た。
理緒の意図も目的も、その見た目からどんなプレーをするのかも想像がつかなかった。
「まぁとりあえず、藤真を呼んでくるか」
「悪いな、高野」
そう言うと、高野は軽く手を挙げながら、部室へと向かっていった。
翔陽の校門に、海南の制服を着た少女が一人。
彼女の名前は蓮見理緒。
アメリカで育った帰国子女で、バスケの腕前はアメリカでもトップレベルである。
そして・・・
「おい、あの子可愛くね?」
「マジで!?ドコだよ!!」
「あの海南の子だろ?すっげ可愛いじゃん!」
通り過ぎる人の目を引くのに十分な容姿の持ち主だった。
しかし当の本人にその自覚はなく、翔陽の生徒達の視線にも気付かない様子で
「えっと、体育館は・・」
バスケ部見学のために体育館を探す。
しかし運動施設が複数ある為に、どこに行っていいか分からず校門付近で既にウロウロしていた。
「まさかこんなに広いなんて・・どうしよー・・」
すると長身で眼鏡の男が理緒の後ろから声をかけた。
「さっきから迷ってるようだが」
「あっ、すいません!バスケ部の体育館に行きたくて・・」
天の助けとばかりに振り向きながら理緒はその男に問う。
その際に胸の辺りまであるストレートヘアーが風になびいた。
理緒と目が合った瞬間、
「(うわっ、可愛いな・・)」
男はそう思った。
固まってしまった男に、何かあったのかと理緒は戸惑いの表情を見せる。
「あの、体育館は・・」
「あぁ、ごめんごめん。俺も今から行くから、一緒に行くか?」
理緒にとっては願ってもいない申し出に、思わず満面の笑みがこぼれた。
「いいんですか?ありがとうございます!」
「/////」
自分に向けられた警戒心のないその笑みに、男が赤面しないはずがなかった。
その赤らんだ顔を隠すように理緒から顔をそらし、体育館へと促すように歩き出した。
「体育館に行くところって事は、バスケ部員さんですか?」
2人で体育館へ向かっていると、理緒が男に尋ねた。
「あぁ、俺は翔陽バスケ部3年の花形だ」
「3年の花形・・・ってセンターの花形さん!・・ですか?」
名前を聞くなり、理緒の表情が分かりやすいくらい明るくなる。
「知ってるのか?」
「もちろんですよ!有名な選手は皆知ってます」
まさかこんなところで会えるとは、と小さく呟きながら嬉しそうに微笑む理緒。
花形は驚きながらも、そんな理緒の様子に微笑ましい気持ちになった。
「そういえば、名前は?」
「あ、蓮見 理緒です。よろしくお願いします」
「お、おぅ・・」
屈託のない笑顔でそう言う理緒に花形は
「(っ・・可愛すぎだろ・・・)」
頬に熱を感じて、せっかく落ち着いたはずの顔の赤みが復活したことに気付き俯いた。
「ところで」
「はい?」
意識を他に移そうと軽く深呼吸をしてから、花形はさっきから気になっていた事を切り出した。
「今日はうちのバスケ部に何か用があってきたのか?」
「はいっ。えーと、藤真さんに勝負してもらいたいんです」
「・・・・はっ?」
予想外の返答に、一瞬動作が止まった。
聞き間違いかと思うくらい理解が追い付かない。
そもそも藤真に勝負を挑もうとする女子など、今までに見たことがないからだ。
「藤真と勝負って言ったか?・・本気か?」
「はい!・・あの、やっぱりダメですか?」
「いやっ、ダメって事はないと思うが・・・」
ダメとかそういう話ではない。
藤真は海南の牧と双璧と呼ばれ、翔陽の選手兼監督を務めるほどの実力者だ。
その藤真と勝負?藤真のファンで会いたいとかではなく?
花形の経験上、藤真絡みの話をしてくる女子は全員藤真のファンで、会わせてくれというものだった。
「(藤真と勝負・・どこまで本気かわからないし、まったく想像がつかないがこれは面白そうだな)」
初めてのタイプだった理緒に、花形は強く興味を持った。
そうこうしているうちに体育館に着く。
館内からはすでにバッシュやボールの音が響いていた。
「遅刻だな、ははっ」
「あっ!ごめんなさい!!私のせいですよね・・」
「理由があるんだ、平気さ」
花形の柔らかい笑顔とその言葉に、理緒はすみませんと一言伝えつつも安堵した。
「お、花形来たな」
「高野」
「ん?女連れで遅刻かよ~」
高野は花形の後ろにいる女子の影を見るなり、ニヤニヤしながらそう言った。
「ばっ、この子は――
「迷ってたところを花形さんに助けてもらったんです」
理緒が申し訳なさそうに、花形の少し前に出てそう言った。
不意打ちに近い形で理緒と対面した高野は、一瞬の間を置いて思わず視線をそらす。
「・・・っ」
「おい、高野?平気か?」
ガシッ
高野は突然花形の肩をつかんで理緒に背を向けた。
「おいおい花形、何だよ、すっげぇ可愛いじゃねぇか!」
「・・だよな」
「海南の制服っつー事は海南の子なんだろ?」
興奮気味な高野をなだめるように、花形は高野の肩に手を置いて頷いた。
「何で海南なんだよー!俺の超タイプなのに!」
「高野、気持ちは分かるがとりあえず落ち着け」
理緒の様子が気になり、花形はチラっと理緒を見る。
話題になってるとは露知らず、理緒は翔陽のバスケ風景をわくわくしながら見ていた。
無邪気にも感じる嬉しそうなその笑顔に、花形も表情を緩ませた。
「ところで、藤真いるか?」
「藤真?あぁ、さっき部室に行ったが・・・何か用か?」
「実はさ・・・」
これが本題とでも言うように、花形は高野に理緒が藤真と勝負したいと言っている事を話した。
「はぁ!?藤真と勝負!?」
「・・・そうだよな、そういう反応するよな」
前例のないことに高野も驚きを隠せない。
そして2人は再び理緒を見た。
理緒の意図も目的も、その見た目からどんなプレーをするのかも想像がつかなかった。
「まぁとりあえず、藤真を呼んでくるか」
「悪いな、高野」
そう言うと、高野は軽く手を挙げながら、部室へと向かっていった。
