Break my past.
*prologue.
一度は行かねばと、ずっと思っていた。
今更、俺が「彼」に会ってもどうにもならない、どうにも出来ない。
だが、あの曖昧な決別は過去も現在も心に引っ掛かったままだ。
誰かと未来(先)へ歩む為には、曖昧にせず跡形もなくきれいに終わらせておきたい。
それが俺なりの『けじめ』ではないか、と思う。
いま「彼」の傍でそれとなく見守っているという旧友曰く、
【いつまでもおまえが煮え切らないせいで、不安を抱く者と期待を抱く者を作り上げてしまった。二人をどうするつもりなのか】
それは問い掛けというより責めるような口調であった。
この言葉で漸く目が覚めた、いや、覚まされたというべきか?
決して驕ってなどいないが、俺がそんな状況を生み出してしまったことは認めるべきだ。
先ずは行こうか、決めたからにはすぐにでも予定を立てて。
そう、1日でも早く。
皆が、俺とあいつが、新たな道を歩み始める為にも。