「夏のメモリー」番外編


『炒飯仮面 ―British superman in China―』

The final !


主題歌は覚えているか?
曲調を変えてリミックスした。
今一度、一緒には歌い、躍り、
あの「夏」を思いだそう!

その前に大切な話がある。
愛と(自分の)平和の為に
戦い続けるエロースの化身
炒飯仮面は、今回で一先ず
君たちとお別れだ!

ではいくぜー!
リミックス版、音楽start!

◆主題歌◆
(曲はサンバ/DJ☆農村リミックス)




※ズビズバ~タララーランララララ~マスク~マスク~ズビズバ~
繰返し5回


今夜あなたに私が作るソーセージ(sausage~ラララ)
いつものように太くて長いの(heavy~long~アア~)

※繰返し3回

セリフ
~美味しい?美味しくない?
毎日君のソーセージを食べたい言ったのだぁれ?
だぁれなのさああああああア―――――――あ、オレか
必殺!腸詰めブーメラン!~

※繰返し5回

もっと沢山愛して強く抱きしめて(hold me tight~ウウ-ン)
脱いだら素敵とってもグッドね(wonderful~good~アア~)

※繰返し3回

★チャーハン・マスク(ヘイ)
チャーハン・マスク(ヘイヘイ)
愛と平和のエロス(ヘイヘイホー)
仮面の中は超美形(キャー)
チャーハン・マスク(ヘイ)
チャーハン・マスク(ヘイ)
恋に一途なエロス(ヘイヘイホー)
盗んだ単車 超高価(ワオ)

※繰返し5回

セリフ
~足りない?欲張りだな
えっ?だ、ダメだ、よせ!早まるな!
そっそんなことっああああああア――――――でも、イイぜ
秘技!ウィンナー縛り!~


★繰返し

イケイケ(ラララ)ヤレヤレ(ラララ)
フランクフルト
アイツは(ウフフ)アイツは(エヘヘ)
チャーハン・マスク

※延々ずっと繰返し

セリフ
~炒飯カンケーないって?
フッ・・・だからどうした?
ガタガタぬかすんじゃねぇ~


締め
ズビズバ~ズビズバ~ケビビ~ン


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作詞・作曲・ギター/毛便
歌と台詞/炒飯仮面
演奏/ザ・ウィンナーズ
コーラス/ベルリンのいたいけな子供達
協力/農村男
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第3話 【誓い】-後編 -




趣を凝らした中国風茶室といった感じだろうか?
赤や黄の色が多く女性的な気もするが、この国のイメージ的にはいかにも『らしい』、風水だとか縁起担ぎだとかで何かしら意味があるのかも知れない。
決して広くはない部屋に大きな円形の窓、小ぶりな木の座卓と籐製の座椅子が2つ。
そこだけ見れば質素で地味・・・・いや、他人の部屋などどうでもいい、ここが何処であろうと関係ない。


出された茶を一口、続けてもう一種類の茶も一口、どちらが好みかと訊かれ、後のやつだと答えた。
暑いかと訊かれ、そうでもないと答えた。
疲れたかと訊かれ、少し、と嘘をついた。
そんな一問一答を幾つか繰り返しつつ、頭の中で大体の流れを・・・・これから逆に問いかけまくる内容とその順序を考えていたオレに、やはりというかラーメンマンは何か察したようだ。

(切り出すには逆に好都合かも知れないな・・・)

「上の空っぷりが随分と高いところまで行ったようだが、そろそろ地上へ降りてこないか?」

「いつから気付いていたんだ?」

「空港で対面した時、いや、迎えを探しているおまえさんを見付けた時からかな」

「そうか・・・実は、料理には関係ないことだが1つハッキリさせておきたいことがある」

「何だね?」

「その前に、オレは上手く言葉を選ぶことが出来ないと思う。かなり失礼なことを言うかも知れないが、いいか?」

「見知った男同士の会話だ、気を遣う必要はない」

さすがレジェンドだ。老いたとはいえ現役レスラーかと見紛うほど大きく見える。錯覚ではない。
彼は今でも高名で偉大な超人、それに比べてオレときたら・・・嫌でも自分がいかに矮小な存在か分からせられてしまう。

さあ、さあ、と何度か促されるうち『怖じ気づいている場合ではないぞ!』と何故かブロの声が頭の中に響いた。

(そうだ、オレは・・・知りたい)

修行の前に何でも聞ける機会を作ってもらったんだ、今しかない、早く口火を切るんだ!

(もう、どうにでもなれ!)



「唐突だが・・・・あなたはブロの父親をリングで惨殺した。息子であるブロは仇討ちの試合であんたに負け、何があったか知らないがブロはあんたを認め、師事した時期があったとか。今でも尊敬しているようだが、その背景に特別な、その・・・・仲間としてだけではない付き合いはあったのか?」

「それは何か根拠あっての詮索かね?」

「お互いに特別な相手だと、傍目だけでなく言葉の端々からも・・・・ここへ来てよく判った」

「肯定されたいか?それとも否定を望むか?」

「・・・・さあな。どちらでもいい、真実であれば」

「奴の方は何と?」

「まだ聞けずにいるが、話題にはよく出される。ムカつく位にな」

「単におまえの生まれていない昔の話をしてやりたいだけだと思うが」

「話を摩り替えないでくれないか?オレは真剣に悩んだんだ」

「おかしな意味でならば何も心配せんでいい。わたしは奴の保護者を殺めた、後に罪の意識に苛まれ、保護者代わりになれないものかと・・・・幸い奴は、ブロッケンはわたしを赦してくれた。まだ年若いブロッケンの後見人兼師父、わたしの役目はそれだけだ。奴もまたわたしを父か兄のように慕ってくれたが、おまえの考えるようないかがわしい関係は断じてない。お互いそういう趣味すらなかったよ、本当だ。好くなら女性だろう」

「・・・・それなら合点はいく。信じてもいいんだな?」

「誓って真の話だ」

「では女性関係はどうだったんだ?知っていたら教えてくれないか?」

「そうだな・・・・ブロッケンは我々の中でも特に女性ファンの多い超人だったが、浮いた話ひとつ聞いたことがない。まあ一人や二人は好いた相手がいてもおかしくはないが、少なくともわたしの知る限りは何も無い」

と、そこでラーメンマンは一呼吸置き、

「だが、いつの話だったか・・・結婚する位の気がなければ交際すらしないと言っていた。もしいつかそういう相手が出来た時は真っ先にわたしに紹介すると宣言していたよ。以来30年以上待った結果・・・・些か荒っぽいやり方だが奴からの紹介で来たのは、おまえだ、ケビンマスク」

「・・・本当にか?それは本当にオレだけなのか?」

「ああ、何しろ電話で『ロビンの息子と付き合っている。俺の伴侶になってくれるそうだ』と言っていた。ロビンマスクの子はおまえだけだろう?」

「どこかに隠し子でもいなければ、オレはいかにも奴の一人息子・・・ケビンマスクだ」

ブロはラーメンマンにそこまで話していたのか、確かに紹介された形でここへ来た。
オレが結婚したいと無茶を言い続け、ブロが決断してくれたのも最近だ。

ブロ、ごめんな。
あんたのことを疑ってばかりで・・・オレはどう詫びればいいんだ?あんたにも、ラーメンマンにも。


「他に何かあれば今のうちに訊いてくれ。蟠りが修行に支障をきたすとお互いに困る」

「いや・・・・もう無い。くだらないことを疑っていて申し訳なかった・・・」

「フッ、おまえにとっては大事なことだ、くだらなくはないだろう?ああ、式を挙げるなら呼んでくれ、どこにいても駆け付けるからな」

「・・・・ありがとう」

彼に言うべき言葉がもう出てこないように、会話もうまく返せない。そろそろ寝ることにして部屋に戻るか?窓全開と扇風機で熟睡出来るかは判らないが。

「茶は残さず飲んだようだな、帰りに持たせてやるからブロッケンに淹れてやるといい。おまえが好みだといった方は高級な茶葉を使った、なかなか舌が肥えているようだ。今回の修行にはその「舌」も重要だぞ」

「舌?味覚のことか?」

「そうだ。味オンチやB級グルメ好きではわたしの本格中華料理はマスター出来ない。既に弟子は3人いるが皆、有望な人間達だ。明日、修行場の見学をする際に紹介する」

「あの厨房ではないのか?」

「ここから約30分下った場所だ。年に数回『残虐ラーメン』の製造もそこでしている。まもなく来月から卸す分の大量生産が始まるのだよ」

「では修行どころではないのでは・・・・?忙しいだろう?」

「ああ、とても忙しい。いつもは四人と機械でフル回転だ。しかし今回は五人、尚且つ超人のおまえがいるから多少は楽だろうな」

「いや待て待て!オレの修行はカップ麺の生産ではなくチャーハンその他の中華料理で・・・・」

「アルバイト代は払う。ブロッケンに話してあるが聞いてないのか?昼間は工場でバイト、朝夜は飯作りのついでに料理の修行をさせる、朝は5時から夜21時前後迄みっちりこきつかうぞ」

「そんな・・・・聞いていない!」

バイトだと?!何故このオレがバイトなんか!ただ修行に来ただけなんだぞ?!
畜生、ブロッケンJr.!あんたには詫びねぇぞ!

「文句はブロッケンに言ってくれ。ああ、それからさっき聞き忘れたのだが、ひとついいか?」

「・・・・はぁ・・・・なんだ?もう何を言われても動揺する気力すらないが・・・・本当はブロとどうこうあったとかは無しだぞ」

「それは完全に否定させてもらったろう?わたしも一応、おまえさんにも訊いておきたいのだが、過去に超人や人間との恋愛経験はあるのか?男で、ブロッケン以外と」

「は?あるわけ無いだろう、男に関して言えばオレは真性のゲイではない。ただブロだけは別だ。よそ見など全くした覚えはない」

「そうか。しかしファンの間ではウォーズマンや万太郎との噂が絶えないが・・・・?」

「ふん、馬鹿馬鹿しい話だな。ウォーズマンがクロエの頃はただのコーチだったに過ぎず、オリンピック後は行方も知らない。万太郎については疑問符しか浮かばん、マルスと噂が立つ方がまだマシだ。しつこく言うがオレはブロだけなんだ、その・・・・初めて見た時から好きで、考えるだけで身体が勝手に反応する位には・・・・ああ、ひかないでくれよな、男なら判るだろう?」

「フッ、おまえがブロッケンを想うたびどうなろうが、わたしに影響があるわけでもなし、引く理由もない。ただロビンが気の毒で仕方ないと思うのみさ。まあ、せいぜい浮気だけはするなよ」

「するものか!ここでの禁欲生活も修行のひとつ、ブロにも釘を刺してきた」

「奴は一途な男だ、心配要らん」

「・・・・だがモテるんだ・・・」

「それはおまえさんこそだろうに。さて、そろそろ茶会はお開きにしようか。風呂場とトイレは1つで共用だが空いていれば何時に使おうが構わん」

「わかった。ああ、茶器はオレが片付ける。先に風呂を使って休んでくれ」

「そうか?すまんな、客人に気を遣わせて」

「明日からは本物の弟子だ、呼び方も言葉も改める・・・・」

「ははは、わたしの修行はかなり厳しいだろうが、胸を張ってブロッケンの元へ1日も早く帰れるよう、頑張るといい」

「覚悟はしてきた。改めてよろしく頼む、いや、お願いいたします師匠」

「そこまで畏まらんでもいい。では後は頼んだぞ」

先に腰をあげたラーメンマンは穏やかな笑みのまま茶室を出ていった。

時計は22時少し過ぎ、片付けやらシャワーやら済ませば23時台になる。

(日記、オレの番は明日だが時差をベルリンに合わせないとな。半日近く違うし・・・・向こうは午前9時位か?真逆に近いな)

今夜ラーメンマンと話したことは日記に書かない方がいいだろう。ブロの名前が出まくりで何かとヤバイ内容だったしな。

(オレにいくら噂があろうが浮気だけはするわけねーよ、ブロの魅力はハンパねぇ・・・・っと、考えるな!今は考えちゃいかん!!部屋に戻るまではダメだ!)

下半身は正直だ・・・・




*****


同じ頃・・・


「この夏の修行は中国で料理、超人チャンピオンが料理の大会に勝つまで帰れない・・・・我ながら酷いことを考えたもんだ。しかし、まぁ奴このがミッションをクリアして戻ってきたなら、少しはいい思いをさせてやらなくもないかな」

ドイツ・ベルリンでは、ブロッケンJr.が優雅にコーヒーを飲みつつ、ニヤリと笑ったところだった。




・・・・・・・・・終幕



◆エンディングテーマ◆

《背中に哀愁》

歌・炒飯仮面



淋しい夜は 思い出そうぜ
愛しいあの人の笑顔(その他)を
泣きたい日も 思い出すのさ 愛しいあの人の全て(色々)を

☆異国でひとり 夜空見上げて
異国でひとり 風に吹かれて
佇むオレは きっと

きっと カッコいい


※前から見ればニヤけている
後ろから見ればわからない
背中に哀愁 漂わせながら
今夜もオレはカッコつけるのさ
(誰も見ちゃいなくても)


セリフ
「darling、お願いだ
浮気だけはしないでくれよ!」


☆くりかえし

※くりかえし


セリフ
「darling、お願いだ
約束通り結婚してくれよ!」

☆くりかえし

きっと きっと 愛されてる(多分)



―――――――――

作詞・作曲・ギター/毛便
歌と台詞/炒飯仮面
演奏/ザ・ウィンナーズ
()内/中国のいたいけな子供達

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