帰ってきたケビン

◆投稿日時：2019-03-08 22:15:15

１７時を少し過ぎた頃にケビンが帰ってきた。いつもより早い列車に飛び乗り、ベルリンの街で素早く買い物を済ませ、走って帰ってきたという。
まだ寒いというのに汗まみれで、重い荷物を両手に全速力で駆けたようだった。そこまでしろとは言わなかったが、奴が勝手にしたことだから俺には関係ない。
ひとまずシャワーを浴びさせ着替えさせた。それから飯の支度をしながら俺が溜めた洗い物をしていた。
ケビンが作った飯は久々だ。ワインも買ってきやがってつくづく気が利く奴だ。どれも美味かった。ギムナジウムでの話も愉快だったな。
食後は俺にコーヒーを出してから、すぐ後片付けを始め、ついでだからとあちこち掃除を始めていた。食休みくらいすればいいものを、やけに張り切って動いていた為、放っておいた。
先刻、掃除の他に洗濯まで全て終わらせ漸くリビングに来たが、バスタブの湯がたまったから二人で入ろうという誘いだった････まあ帰宅早々に家事を殆どしてくれたのだし、たまにはいいかと承諾した。別にやましい気持ちは無かったが、少し良い雰囲気になってしまい････いまから寝室へ行くが、先に行ったケビンが真っ裸だったら叱ろうと思う。何故ならあの写真を思い出してしまうからだ。とっくにメールごと消去はしたが脳裏に焼き付いてしまっている。
俺は真っ裸よりガウンやバスローブを着ていてもらう方が好みなんだ。ケビンはそれをなかなか理解してくれない･･･

この先の展開は容易に予測出来るだけに、何も書くべきことはない。

さて、明日は何をさせようか？朝飯の後に洗車を３台、庭木の剪定、いや、まず朝一で粗大ゴミを出してもらおう。まだやらせたいことはいくらでもある。
夜は天気次第だが外食に連れ出してやろうか。こき使われて休日が終わるのはさすがに可哀想だからな。


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