BK日常小咄集


*童貞君

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「ブロ、オレは童貞なのかな」


とある昼下がり。
ブロッケンJr.は口の中に入っていた紅茶を盛大に吹き出した。

「あーあ、初の顔射が温い紅茶だなんて最低だな、あんた」

「お、おまえが急におかしなことを言うからじゃないか!」

「ほらタオル。そっちは自分で拭けよ」

ケビンは顔を、ブロッケンJr.は口元とテーブルを、それぞれ黙って拭いた。
ブロッケンJr.は『驚いた・・・・童貞が何だって?顔射?真っ昼間からシモの話は勘弁して欲しいんだが』等と軽くパニックに陥っている。そして次は何を言われる、否、問われるのか?とビクビクしつつ汚れていないテーブルの隅まで拭いていた。

「ブロ、タオル寄越せ。もう拭き終わっている」

「えっ、ああ・・・・そうか?」

向かい側に座るケビンにタオルを渡し、ブロッケンJr.は紅茶の残りを飲み干した。

「さっきの話だが、オレはブロと経験済みなのに童貞なのか?この前、遠征(※試合)した時、マルスと話していてふと気になったんだ」

「・・・・あまり聞きたくないから今まで問わずにいたが、俺と関係を持つ前に女と付き合ったことはあるのか?」

「ない」

「男ともか?」

「ない」

「それなら、まあ、あれだ、その・・・・まだチェリーボーイだな」

「あんたとヤッているのにか?」

「おまえは突っ込まれる側がいいと言った、だから一度もその・・・・男のシンボルを使用していないだろう?だからだ」

「・・・・突っ込めば童貞ではなくなるんだな?」

「そういうことになる、わかったならこの話は終わりだ。俺は昼寝してくる」

「まだ終わっていない!」

「ヤらせろと言いたいんだろう?残念だが俺は掘られる側は嫌だ。おやすみ、夕飯までには降りてくる。だから来るなよ!」

「何故だ、一度くらい減るもんじゃ無しいいだろ?オレも一緒に昼寝したい」

「ついて来るな!」

「イヤだ、ヤらせろ!」

「ケビン。知っているか?英国紳士たる者、結婚するまでソレはしないのが常識だ。しかも嫌がる相手にヤらせろと無理矢理迫るのもタブーなのだ。俺の合意がなければ強姦だからな」

「・・・え?そんな話は聞いたことがないぞ。家出した後に知り合った奴らは女がいたりした、何歳で卒業したか自慢し合ったりしていた」

「そこいらのゴロツキと名門の誉れ高い一族の子息が同等であるわけがなかろう?婚前交渉は紳士のやるべきことではない。何ならロビンに電話で訊くか?いまかけてやるから」

「い、いやだ!電話すんな、あいつなんかと話したくない!」

「じゃあ母親に・・・」

「ダメだ!マミィにそんな下世話なことは訊けない!それにオレが恥ずかしい!」

「それでは証人がおらんではないか」

「いや、もうわかった、ブロと結婚したらオレも正々堂々とやらせてもらえるんだよな?!強姦ではなく和姦だよな?」

「まあどちらも俺がOKしなければ駄目だがな」

ブロッケンJr.は適当なことを言っただけだが、ケビンの両親の件だけは本当のことだと知っていた。もし後でケビンの気が変わり、電話をされても不都合は無い。

「ぶ、ブロ、昼寝していいぞ!オレは夕方までトレーニングして過ごす」

「だんだん紳士的な男になってきたな、それでこそ俺の伴侶候補(仮)だ。しっかりトレーニングして次の試合も当然勝つように。あと5キロ痩せるともっといい男ぶりになるぞ、頑張れ」

「ああ、早く結婚したいから頑張るぜ!」



――ケビンが単純で良かった。

と、寝室に行くべく背を向けたブロッケンJr.が、黒めの薄ら笑いを浮かべたことは誰も知らない。




---終---



これは、
ほんのジョークです
ほんのジョークです
ほんのジョークです
大事なことなのでもう3回
ほんのジョークです
ほんのジョークです
ほんのジョークです

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