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結局、遊園地には寄らず、叔母の家に眞白を送り届けた僕は、
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次の日の朝、眞白を病院に連れて行くために叔母宅に泊まらせてもらうことにした。
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インフルエンザの感染を危惧した僕が、検査結果が顕著に出やすい時間経過を類推した判断。
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つまり、心配でたまらない僕が眞白から離れるのを嫌がったというのが一番の理由。
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当初、眞白は自分で病院に行くと言って聞かなかったけれど、
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瀬名 碧芭
《ダメ!それだけ熱があるのに、もしも途中で倒れたりしたらどうするのさっ!》

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瀬名 碧芭
《1人で行くなんて、ぜっったいに、ダメ!》

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瀬名 眞白《倒れたりなんかしねーって、》
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瀬名 碧芭
《だーめっ!》

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瀬名 眞白《うー…分かったよ、あんまり大きい声出すな、頭に響く…》
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そこは僕の粘り勝ち。
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瀬名 眞白《…じゃあ、碧芭に移ったらまずいから、部屋は別で。》
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瀬名 碧芭
《移ってもいいもん。一緒の部屋でいいよ。》

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瀬名 眞白《絶対にダメ。》
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瀬名 碧芭
《…睨まないでよぅ…。》

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せめてもの眞白の言い分にしぶしぶ従った僕だったけど、
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なんと僕も夜中から具合が悪くなり、眞白を病院に連れてくはずだった翌朝には同じように発熱していた。
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『眞白の風邪は、僕が全部もらう』と断言したことが叶ってしまった現実。
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瀬名 碧芭
《(ふふ…眞白を苦しめてるウイルスを半分こできた…、)》

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瀬名 碧芭
《お兄ちゃんの僕が、他の誰よりも先にっ!》

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瀬名 眞白《…、いきなり、なに。》
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瀬名 碧芭
《ううんっ、なんでもないっ。》

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眞白に話したら怒られそうだけど、病原菌すらも大歓迎。
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二人で受診した結果、インフルエンザが確定した眞白との接触度合いを鑑みて、同じだろうと臨床診断を下された僕もしばらく仕事を欠勤することに。
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処方された特効薬を飲んで、ベッドで眠る眞白の隣の床上に布団を並べた僕は、病症でしんどいにもかかわらず嬉々としてインフルエンザと闘った。
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瀬名 碧芭
《二人でこうして同じ部屋で並んで寝るのって、久しぶりだねえ!》

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思わず弾んだ声で言うと、ベッドで優等生並みに安静にしている眞白に、
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瀬名 眞白《…早く寝なさい。》
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瀬名 眞白《でないと、このしんどさから解放されるまでに時間がかかるぞ?》
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と、これまたしっかり窘められながら。
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……こうして、2日目には熱も下がって3日目からはすっかり元気になった眞白と僕は、
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瀬名 碧芭
ああっ、眞白…、ちょっと待ってよぅ…!

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瀬名 眞白分かってるって…、
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瀬名 眞白―――碧芭っ、やられるぞ、そこ避けろっ。
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瀬名 碧芭
あっ、ねえっ、
このコントローラーおかしくない?!
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瀬名 碧芭
ほら、だってさ、

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瀬名 碧芭
僕だけゾンビに食べられちゃう…っ、

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瀬名 碧芭
ぁあ、まただよーもうっ、……ぅぅ…悲しい…。

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瀬名 眞白おかしくねーよ。
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瀬名 眞白碧芭がトロいだけ。
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瀬名 碧芭
ええっ、そんなことないでしょ、僕は普通だもん。

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瀬名 碧芭
っていうか、眞白がゲームうますぎるんじゃないっ。

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揶揄うように笑う眞白に、大人げなく拗ねて見せながら、
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二人テレビの前に並んで座って一緒にゲームを楽しんだりなんかして。
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以前、とある『秘密』を眞白と分かち合ったことがあるけど、
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今は、同じ病症を分け合って乗り切り、眞白と二人だけの時間を過ごしている。
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僕にとってそれは、大好きな弟と過ごす大切なひととき。
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瀬名 碧芭
あーあ…。
明後日から仕事だあ…。
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瀬名 碧芭
行きたくないなあ…。社会人の憂鬱…。

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瀬名 眞白…お子さま。
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瀬名 碧芭
だって…。

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瀬名 碧芭
眞白と濃密な時間を過ごした代償は大きいなあ…。

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瀬名 碧芭
行きたくない…、

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瀬名 碧芭
また熱出たりしないかな?

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瀬名 眞白バチ当たりが。
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瀬名 眞白無事に回復したのになんてこと言う。
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瀬名 碧芭
うぅ、だってさあ…

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瀬名 碧芭
行きたくないんだもん…
うー…まだ休んでたい…。
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瀬名 碧芭
眞白と遊びたい…。

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瀬名 眞白明後日から仕事頑張ったら、
次の碧芭の休みの日に、遊園地リベンジ。 -
駄々をこねまくる僕に向けて畳み掛けた眞白は、
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『Continue』と表示されたゲーム画面から視線を外してこちらに振り向いた。
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瀬名 碧芭
…、えっ、

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瀬名 眞白行こうぜ?遊園地。
仕切り直し。 -
瀬名 眞白だから、仕事頑張れ。
俺も、大学での勉強頑張るから。 -
瀬名 碧芭
…―――っ、

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瀬名 碧芭
眞白、ほんとに?

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瀬名 眞白ほんと。
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瀬名 碧芭
行けたとしても、週末や祝日になっちゃうよ?

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瀬名 碧芭
鷹野先生よりも僕が優先になっちゃうけどいいの?

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瀬名 眞白いいよ。
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瀬名 眞白『碧芭の誕生日の予定を全部クリア』するのが、俺の狙う皆勤賞だからな。
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瀬名 碧芭
――ッ、…眞白ぉ!

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瀬名 碧芭
嬉しいっ、僕すっごく頑張るよぅー!

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優しく微笑んだ眞白を見た僕は、ウサギがぴょんと飛び跳ねるように横から思わず抱きついちゃったけど、
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眞白は嫌がることなく、僕の頭をわしゃわしゃと撫でつけてくれた。
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…HAPPY BIRTHDAY TO ME.
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その日は、眞白が僕の誕生日を祝ってくれるようになってから、14回目の誕生日。
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いつもよりも風変わりな誕生日だったけれど、眞白と過ごせる時間がさらに増えたから、
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そのことまでもがバースデープレゼント。
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これからどれだけ歳を重ねても、きっと眞白は僕の誕生日には可愛い弟としてそばにいてくれる。
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それがどれほど嬉しいことなのか、他の誰にも分からないかもしれないけれど、
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僕にとっては『Seriously awesome!』。
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[ January14 ] END
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【あとがき】まずは、お読みくださりありがとうございます(多謝♡
『そういえば、碧芭兄さんの誕生日エピソードを書いてないなあ…』とふと思い立ちまして、ぽちぽちと合間にメモアプリに書き綴り、パソコンで加筆修正を加えつつ書き上げました“φ(・ω・。*)カキカキ
いつもこんな感じで、お話を書き上げていくわたくしであります“φ(・ω・。*)カキカキカキカキ -
さて、今回の眞白さん、
普段と変わらずを貫いていましたが、実は前日から体調が優れず、市販の風邪薬で不調を誤魔化していました。
『あー…なんか……。いや、気のせいだな。…気のせいだ、気のせい…うん』と。(何回気のせいだと言うのか笑 -
兎にも角にも、翌日の碧芭のとの予定をキャンセルしないように、体調不良を蹴散らしていました。
ずっと楽しみにしている碧芭の気持ちを推しはかって、
当日は気合いですべての予定をクリアしようとした…んですが、ちょっと限界が来てしまったというオチ。 -
ちなみに眞白が映画を勧めたのは、
体調が悪くなる一方だったので(実はランチの最中にもこっそり市販薬を飲んでいまして)、
『映画館は暗い→碧芭が映画に集中する→体調不良がバレない』
…単純にそう閃いたからです(๑•̀ •́)و✧.゚ -
しんどくて自分がゆっくり過ごしたいから映画館を選んだわけではなくて、
発熱しなければ不調を抱えながらも気づかれないように、
野生児眞白を発動して、無理にでも遊園地で過ごしてたでしょうね(眞白はそんな子 -
【 January 14 】…眞白らしいと言いますか、碧芭らしいと言いますか、そんなお話になったかなと。
さて、作中で『とある『秘密』を眞白と分かち合ったことがあるけど』と、碧芭のモノローグがありますが、その『秘密』については、
本編の【霜月の再会編】に書き綴っていますので、まだご覧になっていない方はぜひ♪ -
毎回、眞白と碧芭を書いていて思うのは、眞白のほうがオトナだなあ…とσ( ̄∇ ̄*)
普通、こんな風に↑聞いた兄側としては、ムッとなるかもしれないのですが、碧芭は眞白愛がものすごく強いので、眞白を褒めると、
『当たり前でしょー!…っていうか、今更?気づくの遅くない?ねえ、ちゃんと見てる?眞白のこと。』っていうちょっぴり不機嫌な返しが飛んできます笑 -
碧芭はほんとに眞白のことが大好きなので、
彼と眞白のIFも書こうかなという衝動に駆られつつ…(←どこかのあとがきでも言ってますね、確か
その前に、最近はIF ROUTEを書いてばかりでしたので、久しぶりに眞白と光星の話を書き上げたいところです…ちょっと書きたい話がある“φ(・ω・。*)カキカキ -
エピソード話、みなさんに楽しんでもらえると嬉しいです♡
ゆさみん
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