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鷹野 光星
…優以斗。

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望月 優以斗うん?どうした?
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鷹野 光星
眞白のことを…どう思う?

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いきなり愚直に聞いてしまうと変に思われるだろうか…。
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いや、それでもいい。この際どう思われても。
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望月 優以斗眞白くんのこと?
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鷹野 光星
…ああ。

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鷹野 光星
優以斗から見た眞白はどうなのか…知りたいと思って。

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望月 優以斗いきなりどうしたんだよ?
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鷹野 光星
別に、知りたいだけだよ。

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作り笑顔すら見せず、どちらかといえば無表情に近い俺に、
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望月 優以斗…そうだなあ…、
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望月 優以斗眞白くんはとてもかっこいい青年だし…、
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優以斗はちょっぴりたじろぎながらも、思いつく言葉を並べていく。
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望月 優以斗優しくて思いやりがあるし…男女問わずモテそうだ。
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望月 優以斗とても魅力的な子だと思うよ。
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鷹野 光星
……、

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不安にさせようとして優以斗がそんなことを言ったわけじゃないことくらい分かっている。
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素直に眞白のことを褒めてくれているのだと、きちんと理解している。
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でも…。
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望月 優以斗光星?
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鷹野 光星
……この際だから、優以斗にしっかりと伝えておきたいことがある。

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望月 優以斗…、?
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望月 優以斗…うん。
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鷹野 光星
眞白はおまえも言ったようにとても魅力的な男だから、
おまえが惹かれたとしても無理はない。
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望月 優以斗…えっ?
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鷹野 光星
だが、眞白は俺の恋人だ…、

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鷹野 光星
絶対に手は出すなよ?

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リミッター解除中の俺は、抑え込めない思考を吐露した。
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鷹野 光星
いいか、絶対に…だ。

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望月 優以斗―――…
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鷹野 光星
もしもおまえが眞白に手を出したりしたら――

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望月 優以斗なに言ってるんだ、光星。
手なんか出さないよ。 -
フフッと吹き出した優以斗は、軽く肩をすくめた。
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望月 優以斗俺はもう、夫であり父親だ。
他の人に目を向けることなんてしないよ。 -
望月 優以斗それに…、
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望月 優以斗仮に俺が眞白くんを奪おうとしても不可能だよ。
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望月 優以斗眞白くんの頭の中は、光星のことでいっぱいだから。
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鷹野 光星
…、

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望月 優以斗わずかな時間でも彼と話してると分かるんだよ、
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望月 優以斗『ああ、眞白くんは、光星のことをすごく愛してるんだな』って。
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鷹野 光星
―――

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明るい笑顔を広げた優以斗は、ブレることのない眼差しで俺を見つめながら続ける。
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望月 優以斗…光星、俺と付き合ってた頃とはずいぶん変わったよな。
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望月 優以斗もちろん、いい方向に。
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鷹野 光星
えっ…

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望月 優以斗あの頃の光星は、俺のことばかりを気に掛けて、俺のすべてを受け入れてくれて…、
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望月 優以斗それは、愛してくれているからこそだったんだろうけど、
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望月 優以斗まるで自分を犠牲にしているような感じだった。
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鷹野 光星
…――

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望月 優以斗「絶対に手は出すなよ?」ってさっき言われたときに思ったんだ、
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望月 優以斗俺は光星にそんな言葉を言わせないようにしてしまっていた…って。
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鷹野 光星
―――

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望月 優以斗俺は光星のことを愛していたのに、いつも迷走して彷徨って…、
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望月 優以斗だけど光星は、俺のことをまっすぐに愛してくれていて。
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望月 優以斗それなのに俺は、光星にいつも我慢を強いていて、そんな光星に甘えてばかりで…、
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望月 優以斗最終的には、光星の気持ちを踏みにじるように傷つけてしまった。
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鷹野 光星
……

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望月 優以斗あのときは、本当にごめん。
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望月 優以斗でも、光星と愛し合えた思い出は、今でも俺の宝物だよ。
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望月 優以斗…たくさんありがとう。
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鷹野 光星
――優以斗…。

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望月 優以斗眞白くんは、俺とは全然違う。真逆と言ってもいい。
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望月 優以斗とても実直で優しくて、心が強い。
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望月 優以斗元恋人の俺が良い意味で妬けちゃうくらいに、光星は眞白くんのことをとても愛してるし、彼からもすごく愛されてる。
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望月 優以斗俺、ほんとに嬉しいんだよ。
今こうして、光星がとても幸せそうで。 -
鷹野 光星
―――

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優以斗がそんな風に思っていただなんて、全く知らなかった。
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いや、知ろうともしなかったから当然だ。
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数年前の辛い別れのあと、優以斗のすべてを自分の中から削除することに必死だったから。
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鷹野 光星
(なんだかすごく…遠回りした気がする)

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優以斗が数年の時を経て紡ぐ本音を、ひとつひとつ心に留めた。
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望月 優以斗絶対に幸せになってくれよ?
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望月 優以斗俺が叶えてあげられなかった幸せを、今度は眞白くんと二人で叶えてほしい。
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鷹野 光星
……、

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『迷走する』ことも、ときには必要なのかもしれない。
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俺の中で、長く凝り固まっていたものがゆっくりと綻んでいく。
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鷹野 光星
…ありがとう、優以斗。

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当時、優以斗との愛に終止符を打ち、別れの際に告げた『ありがとう』は、実は紛い物だったのだと気づいた。
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心からの『ありがとう』を、今ようやく言えた気がしたから。
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