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︙
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瀬名 眞白あー…なんか足が棒みてーだわ。
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武藤 勝生
そりゃそうだよ、あれだけ歩いたらさ。

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武藤 勝生
なにか飲む?お腹は空いてない?

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瀬名 眞白ファミレスで飯食ったから腹は減ってねーけど、喉はちょっと渇いたかも…。
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武藤 勝生
じゃあ、なにか飲み物淹れるね。

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瀬名 眞白あ、もう水でいいから。
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リビングのソファーに腰を下ろした眞白に早速ミネラルウォーターのペットボトルを渡すと、すぐにキャップを開けて喉に勢いよく水分を通していく。
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遠慮がちに言っていたけどけど、ちょっとどころじゃなくかなり喉が渇いていたようだ。
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武藤 勝生
まだあるよ?もう一本飲む?

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瀬名 眞白んっ…ありがと、大丈夫。
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武藤 勝生
じゃあ、お風呂上りにまた飲めるように、テーブルに置いておくね。

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武藤 勝生
もう着替えも用意してあるから、先にお風呂に入りな?

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武藤 勝生
僕は、眞白が寝る布団を準備してくるから。

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瀬名 眞白いろいろと、マジでありがと。
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武藤 勝生
いいよ、気にしないで。

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武藤 勝生
…、

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軽く首を振りながらそっと笑う裏側で、以前、眞白が間違ってお酒を飲んでしまったときの場景がふと脳裏をよぎった。
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あのときの眞白は、お酒の酔いのせいで小さな子どもみたいに甘えっ子に豹変して、僕がそこにいないとダメな感じになってしまっていた。
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だから、狭いベッドで身を寄せ合って睡眠を取り、一緒に朝を迎えたという…僕にとっては最高の思い出。
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武藤 勝生
(今日はいつもの眞白だなー…)

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当たり前だけど。
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アルコールを摂取していないシラフの眞白なんだから。
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武藤 勝生
……

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分かっているけど、あのときの仮初な眞白が恋しくて、ぼんやりとその場に佇んでしまった。
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瀬名 眞白そういえばさ、勝生。
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瀬名 眞白今年の誕生日プレゼント、なにがいい?
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武藤 勝生
…「誕生日プレゼント」?

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瀬名 眞白そ。欲しいもの、なに?
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武藤 勝生
……

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…例えば、目の前に何も描かれていない状態の真っ白なキャンバスがあったとして――
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瀬名 眞白…勝生?
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武藤 勝生
……

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そこに、一番好きなものや欲しいものをたった一つだけ描けるとしたら――
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武藤 勝生
……『眞白』。

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僕は躊躇うことなく、眞白の姿を大きく描くだろう。
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瀬名 眞白え?
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ぽつりと名前を呟いた僕に、眞白は軽く目を瞬いてきょとんとする。
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瀬名 眞白なに?勝生?
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武藤 勝生
僕への誕生日プレゼント…

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瀬名 眞白ん?
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武藤 勝生
『眞白』がいい…。

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瀬名 眞白……え?
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武藤 勝生
……

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瀬名 眞白んん?
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瀬名 眞白えっと、『俺が』なに?
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武藤 勝生
『眞白』が欲しい…、『眞白』の全部。

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瀬名 眞白えっ…?!
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ソファーに体を預けるようにしてくつろいでいた眞白が、ガバッと身を起こして前のめりになる。
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言葉の意味を把握しきれていないような戸惑った表情で、少しばかり目を見開くようにして僕を見つめた。
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瀬名 眞白え、なにそれ…?どういう意味?
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武藤 勝生
……

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そりゃそうだよね。
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いつになく真顔で、眞白からしてみれば訳の分からないことをぶつぶつと呟く僕は、どう見ても異質だろう。
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瀬名 眞白勝生…?
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武藤 勝生
…って、それはちょっと言い過ぎかなあ。

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瀬名 眞白え?
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武藤 勝生
あれだよ、
『一家に一台、眞白が欲しい』っていう意味。
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瀬名 眞白…、
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武藤 勝生
眞白って家事もできるし、番犬みたいなヤツだし、
すごく頼りになるから重宝するんだよねー。
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瀬名 眞白…いや、それほどでもねーけど…、
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瀬名 眞白なるほどな…そういうことか。
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納得したように小さく肩をすくめてから眞白が続ける。
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瀬名 眞白なんつーか、ちょっとびっくりしたわ。
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瀬名 眞白思いつめた顔してたからさ、なんかあったのかと思った。
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武藤 勝生
いやいや、眞白が予想外に狼狽えるから、僕こそ驚いたよ。

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瀬名 眞白そりゃ狼狽えるだろ、おまえの様子がいつもと違ったし。
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武藤 勝生
やったねー。

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武藤 勝生
眞白のドギマギしてる顔って、虫と遭遇する以外滅多に見れないからラッキー。

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武藤 勝生
僕、役者になれるかも?

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今もそう。
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本当は眞白のことが大好きでたまらないのに、ニッコリとした笑顔を浮かべて役者のごとく偽りの僕を演じている。
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武藤 勝生
(嘘の仮面を被るのにも慣れてきたなあ…)

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眞白のことが欲しいという『本音の告白』を、茶目っ気を含んだ相好で素早く掻き消した。
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武藤 勝生
…、

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――でも、せめて。
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武藤 勝生
今年の誕生日プレゼント、眞白と久しぶりにUS○に行きたい。

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二人きりで過ごせる一日を、誕生日プレゼントにしてもらおう。
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瀬名 眞白おお…US〇か、いいな!
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瀬名 眞白今あれだろ、ハロウィンのイベントやってんじゃねーの?
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武藤 勝生
そうなんだよ。

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武藤 勝生
最強の眞白と一緒なら、怖がりな僕でも大丈夫じゃん?

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瀬名 眞白まあ、その辺はな。俺がいるから平気だろ。
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瀬名 眞白それより、今からでもチケット取れるか…?
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言うや否や、眞白はスマホを取り出して検索し始めた。
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武藤 勝生
(「俺がいるから平気だろ」だなんて、かっこいいこと言う)

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ゾンビやクリーチャーなんかが出てきたら、ここぞとばかりに何度でも眞白にしがみついてやろう。
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あと、しっかり手を繋いでもらって。
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心置きなく自然な流れで眞白を満喫できる……ふふ。
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武藤 勝生
お互い大学もあるし、行けるとしても週末だから、きっと混雑してるだろうな。

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瀬名 眞白ん、まあ…そうだな、
でも、なんとかなるんじゃね?…――お、これ取れそう、 -
瀬名 眞白再来週の金曜日の夕方からとか…行けるか?勝生。
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武藤 勝生
もちろん、行くに決まってるー!

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親友としてだけど、眞白と二人きりで過ごせる日がまた一つ増える。
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……HAPPY BIRTHDAY TO ME.
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今はただそれだけでも、僕にとっては最高の誕生日プレゼント。
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[ October 1 ] END
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【あとがき】まずは、お読みいただきありがとうございます(多謝♡
今回は、10月1日の勝生の誕生日の一コマを書いて見ました。
この時期のユニバはめっちゃ混雑してますし、行けるかなあと思いつつ…その辺はご了承くださいませ笑 -
相変わらずの片想い男子の勝生です。
眞白って勘が鋭いところがあるくせに、自分に関することになるとなかなか鈍い…笑
友達や親友に深い情愛を注ぐ眞白なので、「勝生はいくつになっても甘えっ子だなー」とか、その程度にしか思ってません。
なので、切ない勝生はこれからも続きます(*´ `)ノ´ `*) ナデナデ -
勝生のお姉さんを登場させてみました( · ∀ · )
見た目はキレイなお姉さんなんですけども、喋るとなんかチャキチャキしてる感じで面白い人です。
このお話を読むまで、勝生は一人っ子だと思ってた読み手の方もいらっしゃったかと思うんですけど、実は姉がいたという新事実(✧∀✧)キラーン! -
眞白と碧芭のように仲のいい姉弟です。
でも、勝生のお姉さんは碧芭みたいなブラコンではないですけどねっ笑
あと、酔っぱらってしまったときの眞白については、EPISODEの【ひらがなのキミ】に書いてますので、まだご覧になっていない方はぜひ♪
エピソード話、みなさんに楽しんでもらえると嬉しいです♡
ゆさみん
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