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瀬名 碧芭ね、母さんから眞白に電話があったよね?
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瀬名 眞白
あったけど、出てない。

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瀬名 眞白
LIN〇で「心配ないから」とだけ送っといた。

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瀬名 碧芭どうしてさ。
母さんが電話したときくらいは出てあげてよ。 -
瀬名 碧芭眞白の声、母さんも聴きたいと思うよ?
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瀬名 眞白
俺と密に関わったら、母さんの負担になる。

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瀬名 碧芭…え?
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瀬名 眞白
俺と話したことが父さんに知れたら、さりげなく母さんに余計な探りを入れてきそうだし。

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瀬名 眞白
俺のこと無視するくせに、父さんはそういうところ執念深いっつーか…、

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瀬名 眞白
鬱陶しいじゃん、そういうの。

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プリンを口に運んでカラメルソースの風味を味わいながら続ける。
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瀬名 眞白
母さんは父さんには強く言えねーだろうし、父さんからチクチク言われたらかわいそうじゃん。

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瀬名 碧芭…眞白…
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瀬名 眞白
碧芭はさ、取ろうと思えば父さんとうまく距離を取れると思うけど、

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瀬名 眞白
あの二人は夫婦だし、専業主婦の母さんは距離も取りづらいだろうから。

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瀬名 碧芭眞白…、そこまで考えてるなんて思わなかった。
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瀬名 碧芭ごめんね、なにも気づきもしないで。
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瀬名 眞白
謝る必要なんかねーよ。俺だけの考えなんだし。

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瀬名 眞白
…とにかく。

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瀬名 眞白
いいんだよ、これで。

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瀬名 眞白
母さんにとっても、俺にとっても。

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ちょっぴり諭すように碧芭を上目遣いに一瞥した後、プリンの上に乗ったサクランボを口に含んだ。
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瀬名 碧芭…おいしい?
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瀬名 眞白
…ん。

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瀬名 眞白
でも、このプリンアラモード、ちょっと豪華すぎて胃がもたれるかも。

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瀬名 碧芭あはっ、お年寄りみたいなこと言うんだから。
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瀬名 眞白
俺、普段からあんまりガツガツ食わねーもん。

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瀬名 碧芭だよね。
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静かに笑って一息つくようにグラスのミネラルウォーターを口にした碧芭は、「話は戻るけど」と告げて優しく俺を注視した。
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瀬名 碧芭学校側は、向こうが悪くて眞白に非はないって言ってくれてたらしいから、
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瀬名 碧芭母さんも、もちろん僕も安心はしたけど…、
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瀬名 碧芭眞白はそのとき、怪我とかは大丈夫だった?
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瀬名 眞白
へーき。

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瀬名 眞白
久しぶりの喧嘩だったから手首を少し捻ったけど、他に怪我はねーよ。

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瀬名 眞白
俺が喧嘩強いの知ってるだろ?

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瀬名 碧芭まあ、知ってるけど…。
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瀬名 碧芭僕もだけど、母さんも詳しい話を眞白から直接聞けてないから心配してたよ。
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瀬名 眞白
じゃ、こっそり母さんに伝えといてよ。

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瀬名 眞白
「眞白は怪我もしてないし、めっちゃ元気だった」って。

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瀬名 碧芭うん、それはもちろん。
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瀬名 眞白
つーか、今日は喧嘩のことを心配して俺に会いに来たってわけ?

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瀬名 碧芭…、それもあるかな。
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瀬名 眞白
マジで大丈夫だから。

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瀬名 眞白
…それより、帰国したのって一昨日だろ?疲れてねーの?

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瀬名 碧芭それはとっても疲れてるよう…。
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瀬名 眞白
じゃあ帰って寝ろよ。食ったら即行帰ろうぜ。

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瀬名 碧芭えーっ、眞白の顔をもう少し見ていたい。
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瀬名 碧芭自他ともに認めるブラコンだから、僕。
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瀬名 眞白
あー…うぜー。

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わざと苦く笑って見せる。
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でも、本音を言えば、弟想いのその気持ちがあったかくて。
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デザートフォークで刺した兎りんごを齧る頃には、嬉しく思う気持ちが面に出てしまっていた。
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