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鷹野 光星…、?!
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瀬名 眞白
――!!

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武藤 勝生…!!
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鷹野 光星す、すまない…っ。
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瀬名 眞白
いやこれ、違うからっ――

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武藤 勝生いやいや、先生、そこで引き下がらない!
これは誤解なんで! -
武藤 勝生眞白がご飯を奢ってくれるって言うから、僕が喜んで飛びついただけで。
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武藤 勝生しかもデザート付き。なっ、眞白っ。
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瀬名 眞白
お、おう!

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ササっと離れた勝生に同調するように、強く頷いて見せる。
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武藤 勝生僕って、昔から感情表現が派手なんですよ。
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武藤 勝生眞白が煙たがってもお構いなし。
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鷹野 光星そ、そうか…。
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瀬名 眞白
そうだよ、

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瀬名 眞白
勝生の悪ふざけみたいなもん。

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瀬名 眞白
(なんも悪いことしてねーのに、勝生のせいで焦ったわ)

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少しばかり苦虫を噛みつぶしたような顔を晒してしまいながら、向かいに座る勝生の額を軽くデコピンした。
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鷹野 光星…少し、びっくりしてしまった。
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穏やかに目尻を下げながら安堵したように小さく息を吐き出した鷹野を、勝生がじっと見定める。
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武藤 勝生…先生、眞白が二股かけてると思って焦った?
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鷹野 光星っ、いや、そんなことは――…って、
え?武藤…? -
武藤 勝生あ、僕、全部知ってるから大丈夫ですよ。
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鷹野 光星そう…なのか?
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勝生の発言に目を瞬かせて、鷹野は反問するように俺に視線を巡らせた。
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瀬名 眞白
俺の気持ち、小学校からの親友にはバレバレだったらしい。

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鷹野 光星そうか…。
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武藤 勝生眞白とは付き合いが長いもので。
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しかも、鷹野の俺に対する気持ちも、勝生はとっくに勘付いていたようで。
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体育祭での俺と鷹野のことについて話したときも驚きもせず、『当然でしょ』みたいな涼やかな顔をされた。
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どうりで、『眞白想い』というキーワードをお守り代わりにするといい…だなんて言ったわけだと、このときに合点がいった。
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つまり、そのキーワードは、『鷹野が俺のことをと想っている』ということを匂わせたものだったというわけだ。
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瀬名 眞白
勝生には、片想いしてたときから相談に乗ってもらっててさ。

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瀬名 眞白
こう見えて、こいつは口が堅いから大丈夫。

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武藤 勝生「こう見えて」ってなに。誰にも言うわけないじゃん。
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瀬名 眞白
…だな?

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武藤 勝生なに、その念押し。
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瀬名 眞白
まあまあ。一応の念押し。

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むくれたように唇を尖らせた勝生を宥めつつ、遠慮がちに鷹野に視線を戻した。
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瀬名 眞白
ごめんな、鷹野。

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瀬名 眞白
勝生に知られてたこと、先に話してなくて。

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鷹野 光星いや、全然構わないよ。
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鷹野 光星親友の武藤が応援してくれるなら、瀬名も心強いと思うから。
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瀬名 眞白
…うん。

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鷹野 光星それに、どうやら黒木先生にも気づかれていたらしくて。
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鷹野 光星「瀬名くんが卒業するまでは公にはできないだろうけど、応援してるから」って、こっそり言ってくれたよ。
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鷹野 光星…そういえば、瀬名も黒木先生と少し話をしたんだって?
先生が言ってたよ。 -
瀬名 眞白
ああ、うん、そのこともまた話そうと思ってたんだけど、

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瀬名 眞白
あのとき黒木が――…

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武藤 勝生……
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瀬名 眞白
…勝生。
横でニヤニヤするな。
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武藤 勝生いやー鷹野先生も眞白も、こうやって見てるとすごくお似合いだなあと思っただけですっ。
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鷹野 光星…、
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瀬名 眞白
…それ以上なにも言うな、さすがに照れるわ。

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鷹野が分かりやすく顔をほんのりと赤らめたから、それが俺にも移る。
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武藤 勝生…あ、そういえば先生、放課後の教室に来るなんて何か用事でもあったんですか?
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鷹野 光星ああ、いや、別に用事というか、
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鷹野 光星教室の窓の施錠の確認に来ただけで、おまえたちがいることも知らなかったんだ。
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鷹野 光星…それにしても偉いな、放課後に残って試験対策か?
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武藤 勝生そうなんですよ、天才眞白くんに数学のテスト範囲の問題を教わってまして。
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瀬名 眞白
「天才」とか大袈裟。

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鷹野 光星でも、瀬名は本当に勉強もよくできるから。
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瀬名 眞白
…い、いいから、そういうの。

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褒めてくれるのは嬉しいが、わざと眉間に皺を寄せて窘める。
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隙があればすぐに[#ruby=囃_はや#]し立てようとする勝生がいるから余計だ。
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