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瀬名 眞白
自分を責め続けるのは、やっぱり違う。

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瀬名 眞白
いい加減それ、もう止めようぜ?

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鷹野 光星…――えっ、
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瀬名 眞白
いつまでも『自分のせいだ』って思われる側の気持ち、そろそろ考えてみてもいいんじゃねーか?

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鷹野 光星…、
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瀬名 眞白
悪いけど、俺だったら嫌だわ。

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瀬名 眞白
気にするなって言われてんのにさ、いつまでもしつこいんじゃねーの?

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鷹野 光星…それは、確かに、そうかもしれないが…、
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瀬名 眞白
「そうかもしれないが…」じゃなくて、『そうなんだ』よ。

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瀬名 眞白
優男もここまでくると、さすがに鬱陶しいな。

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鷹野 光星―――
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少し意地悪く吐き捨てるように言ったからか、鷹野の顔色が鈍く変わって、わずかでもショックを受けているように見えた。
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言いすぎて傷つけたかもしれないと、一瞬後悔しそうになるけど、
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普段から『優しい』だとか『いい人』だとか言われてる人に対しては特に、時には荒療治が必要なんだ。
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そういうヤツは、大抵、いろんなことを余分に背負い込もうとするから。
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瀬名 眞白
黒木だって、鷹野がいつまでも気遣ってくれてるのが『重い』かもしれねーんだぞ?

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瀬名 眞白
そういうの、考えたことある?

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鷹野のことが好きだからこそ、なんとかしてやりたい。
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瀬名 眞白
俺から見た黒木はあっさりしてて、執念深いような人じゃねーと思う。

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瀬名 眞白
アームカバーをずっと着けてる理由は、

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瀬名 眞白
誰かに火傷のことを聞かれたときに、いちいち理由を説明するのが煩わしいからじゃねーのかな。

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鷹野 光星…「説明するのが煩わしい」…?
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瀬名 眞白
『後輩が転んだときに、それを庇ったせいでの火傷』だなんて、言いたくねーかなって。

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鷹野 光星…、
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瀬名 眞白
まるで、『自分が良いことをしたが故の負傷』みたいなさ。

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瀬名 眞白
黒木の性格から考えて、そういうのが嫌だから隠してるような気がするよ、俺は。

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鷹野 光星…―――
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瀬名 眞白
昔も今も、鷹野にとってはずっと良い先輩なんだろ?

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瀬名 眞白
黒木が根っからの嫌な女だったら、もうとっくに鷹野の心身を蝕んで再起不能にしてるよ。

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瀬名 眞白
それこそ、【国語科の鷹野先生】なんて、今ここに存在してないんじゃねーの?

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鷹野 光星…、
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瀬名 眞白
今、俺のクラスの担任と副担で、二人でいいコンビじゃん?

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瀬名 眞白
黒木の中に少しでも遺恨があったら、そうはなってねーだろ?

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そう告げた後、厳しく引き締めていた表情から一転、俺は鷹野に向けてニッと笑いかけた。
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