-
黒木 紗衣この先ずっと、
-
黒木 紗衣担任として人として、瀬名くんの理解者で味方でいる。
-
瀬名 眞白
…どうしたんだよ、いきなり。

-
黒木 紗衣思ったときに、恩返ししておかないとね。
-
瀬名 眞白
恩返しとか別に――

-
黒木 紗衣いいから、聞いて?
-
瀬名 眞白
…、

-
黒木 紗衣これからもずっと、なにがあっても、キミの味方でいる。
-
黒木 紗衣たとえ他のみんながキミを理解しなくても、
-
黒木 紗衣私はずっと、キミの理解者で味方。
-
黒木 紗衣これが、私のキミへの恩返し。
-
瀬名 眞白
…―――

-
黒木 紗衣I love stories with happy endings…、
-
黒木 紗衣…because they remind me that kindness and hope really do matter.
-
瀬名 眞白
…え、

-
黒木 紗衣…なんて言ったと思う?
-
瀬名 眞白
……「私は、ハッピーエンドの話が好き。」

-
瀬名 眞白
「だって、優しさと希望って本当に大切なんだって思わせてくれるから。」

-
瀬名 眞白
…って感じ?

-
黒木 紗衣さっすが、瀬名くん!
-
瀬名 眞白
……

-
黒木 紗衣ハッピーエンドってね、優しさや希望に溢れてて、皆を幸せな気持ちにしてくれるんだよね。
-
瀬名 眞白
…、

-
黒木 紗衣…ね、瀬名くん。
-
黒木 紗衣私のこの恩返し、なかなか名案だと思うんだけどな?
-
瀬名 眞白
(やっぱ、これって…)

-
黒木は既に、俺の鷹野への気持ちに気付いていた?
-
瀬名 眞白
(だって、さっきからの話の下りといい、黒木のこの言い方…)

-
黒木 紗衣あ、恩返しというか、あれだね、
-
黒木 紗衣今後もキミの想いをずっと見守るから、『恩返し宣言』みたいな感じになるかな?
-
瀬名 眞白
―――

-
顎先に手をやって考えを巡らせる黒木に、真意を探り当てた気がした。
-
ズバリ、『鷹野先生のことが好きなんでしょ?』…みたいに、言葉にはしないところが黒木らしいというか。
-
何でもはっきり言うようでいて、相手の心を推し量る…そんな配慮ができる人。
-
瀬名 眞白
…二人目。

-
黒木 紗衣えっ?
-
瀬名 眞白
俺の気持ちを知ってる人。

-
勝生と、そして、目の前の黒木と。
-
瀬名 眞白
なかなか鋭い。

-
黒木 紗衣やっぱりそこは、キミの担任ですから。
-
黒木 紗衣生徒の心の機微には敏感なんです。
-
瀬名 眞白
…だな。

-
黒木の自信に満ちたような破顔に、すっかり白旗。
-
黒木 紗衣でも、私が二人目ってことは、他のもう一人って誰だろ…、
-
黒木 紗衣んーー……
-
黒木 紗衣…武藤くん?
-
瀬名 眞白
…正解。

-
黒木 紗衣おお!ビンゴ!
-
黒木 紗衣じゃあ、そこに私という味方がもう一人増えたということで。
-
瀬名 眞白
黒木がずっと味方とか、最強じゃん。

-
黒木 紗衣でしょ。
-
黒木 紗衣ハッピーエンド好きだからね、もうね、全力で応援するから。
-
瀬名 眞白
いや…気持ちは嬉しいけど、そういうのは控えめでいいから。

-
黒木 紗衣え、どうして?
-
瀬名 眞白
いいんだよ。とにかく控えめで。

-
黒木 紗衣…あ。
-
黒木 紗衣もしかして照れてる?
-
瀬名 眞白
っ、違っ…、そういうんじゃねーっ。

-
黒木 紗衣えっ!?瀬名くん可愛いーー!!
-
瀬名 眞白
ッ、声がでかいって!

-
口元で人さし指を立てて黙るように促しつつ。
-
瀬名 眞白
でも…、

-
瀬名 眞白
ありがと、先生。

-
黒木 紗衣わわ…!瀬名くんが「先生」って…、
-
黒木 紗衣感激ーー!
-
瀬名 眞白
いや俺、全然「先生」って呼ぶときあるし。

-
黒木 紗衣あるけど、ほんとにたまーになんだもん!
-
瀬名 眞白
だから声が大きい…、

-
瀬名 眞白
…って、もういいわ。

-
周りを気にしない黒木の無邪気なハイテンションにつられて、諦めたように微笑む。
-
瀬名 眞白
(ったくよー…相変わらず子どもみたいな人だな)

-
…けど。
-
瀬名 眞白
(…マジで感謝)

-
俺の鷹野への想いを全力で肯定してくれるという例を見ない『恩返し宣言』を受けた俺は、
-
元気いっぱいの担任に、心底勇気づけられていた。
-
NEXT
タップで続きを読む