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瀬名 眞白
え、なに、いきなり。

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武藤 勝生この間、1年の女子から告白されてたじゃん。
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瀬名 眞白
…ああ、あれは、まあ……断ったけど。

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武藤 勝生結構可愛い子だったのに、もったいない。
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瀬名 眞白
別に…好きでもないのに付き合うほうが変じゃん。

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武藤 勝生そうだけど。
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武藤 勝生眞白は昔からずっと女子にモテてたよなー。
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鷹野 光星確かに、瀬名はモテるだろうな。
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武藤 勝生そうなんですよー!
いつも女子たちからの視線が熱いっていうか! -
鷹野 光星そうだろうな。見た目も性格もいいし。
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瀬名 眞白
……

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鷹野が褒めてくれることに対して、悪い気はしない。
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でも、『人の気も知らないで』。
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鷹野に片想い中の俺は、そんな風に思ってしまった。
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瀬名 眞白
どれだけモテたとしても、

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瀬名 眞白
自分の好きなヤツに振り向いてもらえなかったら意味ねーんだよ。

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そう。
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どんなにたくさんの人から想いを寄せられても、たった一人の自分の想い人から好かれなければ無意味。
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瀬名 眞白
……

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ほんの少し、鷹野のことをジトッと見据える。
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片想いって本当にもどかしくて、泣けるほどの強い想いがあって、とにかく切ない。
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瀬名 眞白
(…ああ、健気なの、俺じゃん)

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鷹野 光星…?
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瀬名 眞白
…、

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反問するように見つめ返してきた鷹野の視線をフイッと避けて、勝生に向き直った。
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瀬名 眞白
それよりも、勝生。

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瀬名 眞白
焦げた肉、おまえが責任を持って食えよ?

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武藤 勝生えーなんでだよっ。焦げた肉なんか嫌だっ。
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瀬名 眞白
おまえが鷹野につまんねー話振ってる間に焼けたからだよ。

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瀬名 眞白
ほら、食べろ。

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勝生の取り皿に、焦げた肉を箸でつまんでせっせと運び、てんこ盛りに乗せてやる。
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武藤 勝生鬼畜の所業だっ。
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瀬名 眞白
るせ。黙って食え。

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武藤 勝生眞白も一緒に食べてくれよー。
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瀬名 眞白
なんで俺が。

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瀬名 眞白
おまえが網に乗せた肉だろーが。

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ああ俺…なんか今、意地悪だわ。まるで八つ当たりじゃん…。
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鷹野 光星まあまあ。二人とも。
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鷹野 光星その肉は、代わりに俺が食べるよ。
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鷹野 光星食べ放題なんだから、また新しい肉を追加しよう。二人はそれを食べるといい。
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八つ当たりじみた俺の態度をサラッと封印してから、
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俺たちのやりとりを楽しむかのように笑ってタブレットを手にした鷹野は、やっぱりかっこいい。
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そして、どの時代も、かっこいい男には綺麗な女が似合う。
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瀬名 眞白
(……なに考えてんだよ、バカか、俺は)

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鷹野のそれは、とっくに時効の鷹野の片想い。
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そう分かっていながらも、鷹野が高校時代に恋した人の幻影に、ちょっぴり嫉妬している自分がいた。
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