ウシジマくん呟き

社長と呼ばせて 終わり。

2026/01/22 12:07
続きを…。
大好きな展開勝手に。




(……社長じゃねぇのに)
(でも……一瞬、社長に見えたんだよ……)
唇が塞がれて、腰を掴まれて、ベッドに沈められる。
でも頭の奥では、社長の顔が焼き付いていた。
違うってわかってた。
こんなの、間違ってる。
でも、身体は止まらなかった。
男の首筋に顔を埋めて、つい、「…丑嶋…社長……」って、名前を呼んでいた。
終わったあと、天井を見ながら泣いた。
(最低だ……俺)
社長じゃなかった。
社長に似た男に抱かれて、社長の名前を呼んだ。
それでも快感に抗えなかった自分が、一番、信じてた社長を裏切った。


② 翌日、仕事で再会

次の日、事務所で社長と顔を合わせた。
いつも通りだった。
社長は、変わらず無口で。
表情も変わらない。
でも、俺の中で何かが、完全に“違ってしまった”
社長の目を見れない。
呼吸が合わない。
心が、ビリビリと拒絶と欲望を同時に訴えてくる。
「次の集金、俺と行け」
その一言で、
全身がこわばった。

③ 車内、フラッシュバック

集金の帰り道、車の中。
社長の隣。
何度も乗った助手席なのに、今日は、狭くて、息苦しい。
信号待ち。
ふと、社長が窓の外を見た。
その横顔が――

“あの夜の男”と重なった。

(やめろ……違う……社長じゃねぇ、わかってるだろ……)

喉の奥が詰まる。
記憶がフラッシュバックする。
重なる体温。
名前を呼んだ自分の声。
抜けなくなった快感の記憶。
なのに今、隣に“本物の社長”が座ってる。

(俺、なにやってんだよ……)

拳が震えて、冷や汗が流れて止まらない。
でも、動けない。
逃げられない。

④ 社長の一言

しばらく走ったあと、
社長がぽつりと呟いた。
「……お前さ」
その声だけで、背中が跳ねた。
「……前と……ちょっと、違ぇな」
声は低くて、感情は見えない。
でも、その言葉だけが、やけに重かった。
「別に、悪いとかじゃねぇけど……」
「……なんつーか、壊れたもんって……案外、音立てねぇんだなって」

“壊れた”という言葉に、
一気に鼓膜の奥がしびれた。

(バレてる……?)

いや、たぶん社長は、理由なんて知らない。

でも、「何かが壊れた」ことだけは確実に、伝わっていた。

(俺の中の“社長のための俺”が壊れたこと)
(もう、バレてる……)

なのに社長は、それ以上言わない。
問い詰めない。
責めない。
ただ、「違う」とだけ伝えてくる。
言葉にされなかったぶん、
余計に、痛かった。


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