ウシジマくん呟き
触りたい欲 7
2026/02/23 01:54絡めた指がほどけないまま、時間だけが伸びる。
社長が立ち上がる。
自然に、引かれる。
机の端が腰に触れる。
逃げ場はあるはずなのに、動かない。
「足りねぇんだろ」
低く落ちる声。
柄崎の喉が熱くなる。
答えない代わりに、もう一歩近づく。
布越しに、体温が重なる。
胸板の硬さ。
自分とは違う厚み。
現実だ、と遅れて理解する。
視線が落ちる。
唇の距離。
触れたい。
その衝動が、理屈を追い越す。
そっと、重ねる。
最初は浅く。
確認するように。
社長は動かない。
それが逆に、焦れを生む。
もう一度。
今度は、わずかに押し込む。
息が混ざる。
舌先が、無意識に触れる。
ほんの一瞬。
心臓が跳ねる。
その瞬間――
背中に腕が回る。
引き寄せられる。
壁が背に当たる。
強いわけじゃない。
けれど、完全に囲われる。
社長の唇が返る。
静かに。
だが、確実に。
押し返すのではなく、
奪うでもなく。
絡め取るように。
柄崎の指がパーカーを掴む。
息が荒くなる。
唇が離れた瞬間、
薄く糸が引くような錯覚。
「……柄崎、引くなら今だけど」
低く囁かれる。
距離は、ほとんどない。
柄崎は首を振る。
そのまま、今度は自分から深く触れる。
顎に指をかけ、角度を変える。
ぎこちない。
けれど止まらない。
舌が触れ合う。
一瞬、戸惑い。
次の瞬間、社長が主導を奪う。
奥まで、確かめるように。
柄崎の背中が震える。
ただ触れたいだけだった。
それが、こんな熱を持つとは思っていなかった。
息が乱れる。
体の奥が重くなる。
社長の手が背中を滑る。
服越しに、ゆっくり。
焦らすみたいに。
「……面倒なこと言ったのはお前だ」
吐息混じりの声。
「覚悟、あるんだろ」
問いというより、確認。
柄崎は答えない。
代わりに、さらに強く抱きつく。
逃げない。
逃げられない。
仕事の匂いの残る事務所で。
触れたい欲は、もう言葉じゃなかった。
重なった体温が、それを証明していた。
社長が立ち上がる。
自然に、引かれる。
机の端が腰に触れる。
逃げ場はあるはずなのに、動かない。
「足りねぇんだろ」
低く落ちる声。
柄崎の喉が熱くなる。
答えない代わりに、もう一歩近づく。
布越しに、体温が重なる。
胸板の硬さ。
自分とは違う厚み。
現実だ、と遅れて理解する。
視線が落ちる。
唇の距離。
触れたい。
その衝動が、理屈を追い越す。
そっと、重ねる。
最初は浅く。
確認するように。
社長は動かない。
それが逆に、焦れを生む。
もう一度。
今度は、わずかに押し込む。
息が混ざる。
舌先が、無意識に触れる。
ほんの一瞬。
心臓が跳ねる。
その瞬間――
背中に腕が回る。
引き寄せられる。
壁が背に当たる。
強いわけじゃない。
けれど、完全に囲われる。
社長の唇が返る。
静かに。
だが、確実に。
押し返すのではなく、
奪うでもなく。
絡め取るように。
柄崎の指がパーカーを掴む。
息が荒くなる。
唇が離れた瞬間、
薄く糸が引くような錯覚。
「……柄崎、引くなら今だけど」
低く囁かれる。
距離は、ほとんどない。
柄崎は首を振る。
そのまま、今度は自分から深く触れる。
顎に指をかけ、角度を変える。
ぎこちない。
けれど止まらない。
舌が触れ合う。
一瞬、戸惑い。
次の瞬間、社長が主導を奪う。
奥まで、確かめるように。
柄崎の背中が震える。
ただ触れたいだけだった。
それが、こんな熱を持つとは思っていなかった。
息が乱れる。
体の奥が重くなる。
社長の手が背中を滑る。
服越しに、ゆっくり。
焦らすみたいに。
「……面倒なこと言ったのはお前だ」
吐息混じりの声。
「覚悟、あるんだろ」
問いというより、確認。
柄崎は答えない。
代わりに、さらに強く抱きつく。
逃げない。
逃げられない。
仕事の匂いの残る事務所で。
触れたい欲は、もう言葉じゃなかった。
重なった体温が、それを証明していた。
