日常呟き

気味悪いホテルの話し

2025/12/27 16:35
一人でラブホテルに行き、ぬいぐるみを撮影するのが好きだった頃の話だ。
当時、プール付きで有名なラブホテルがあり、試しに一度利用してみたところ、写真の出来も良く、設備も充実していてとても気に入った。
予約はできないホテルだったが、料金が高めなこともあり、だいたいは空室がある。
「また行こう」と思い、休みの日に再びそのホテルへ向かった。
しかし、その日は運悪く満室だった。
空いていたのは、空室案内が一つだけ灯っている部屋。
少し迷ったが、「まあ、いいか」とその部屋に入ることにした。
扉を開けた瞬間、嫌な違和感を覚えた。
部屋全体がじめっとしていて、照明は暗く、空気が重い。
浴室に入ると、誰かに見張られているような感覚があり、今まで感じたことのない不安に襲われた。
バスローブは長く使われていないのか、湿気を含み、埃臭かった。
部屋にいるだけで胸が圧迫されるような感覚が続いた。
深夜、眠ろうとすると、きちんと閉まらない蛇口から水が垂れる音が響く。
気分を変えようと、空気の入れ替えのため窓を開けた。
その部屋は高層階にあった。
普通なら少ししか開かないはずの窓が、勢いよく全開になった。
体が引っ張られるように前に持っていかれ、気づけば上半身が窓の外に出ていた。
思わず声が出た。
間一髪で転落は免れたが、その後、なぜか何度も窓を開けては閉め、地上を確認してしまう。
高層階のはずなのに、地面が異様に近く感じられた。
外が気になって仕方がない。
吸い寄せられるように、何度も身を乗り出してしまう。
「もう少しだけいけるんじゃないか」
そんな考えが頭をよぎる。
まるで何かに誘われているかのように、地上が気になって仕方がなかった。
結局、何事も起こらないまま朝を迎え、ホテルを早々に後にした。
後から知ったことだが、その部屋は過去に身投げした女性がいたため、改装された部屋だったという。
そして問題の窓は……
他の部屋と違い、今もなお全開になるままだった。

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