場所は変わって生徒会室に移動した跡部と彩

宍戸は心配そうにしていたが教室に戻っていった

促されるままにソファに座れば目の前にお茶が置かれ彩が顔を上げるとそこには大きい人


『ありがとう』


「ウス」


置かれたお茶を一口飲み一息つく


「宍戸が見たものと相違がないかの確認をする。さっきの出来事を話してくれ」


跡部の言葉に彩は淡々と合った出来事を話していく


『以上』


「相違はないようだな」


跡部が満足気にメモしていたノートを閉じれば彩は目を細める


『亮は嘘は言わない』


彩の言葉に跡部は一瞬目を見開くも小さく笑う


「んなこと分かってる…教師に報告するのに必要だから花岡にも話を聞いただけだ」


『…そう。あの男はどうするの』


「前からあの男子生徒は問題視されてたから今回の件で退学させる」


淡々と話す跡部に彩も頷く


「花岡は宍戸達と幼馴染なんだと聞いたが」


急に話が変わり訝しげに跡部に視線を向け質問の意図が分からないというふうな顔をする彩


「中学に入ってから全く絡まなくなったと聞いたが」


『それ、あなたに関係あるの？』


「いや？ただの興味本位だ』


『……言う必要性を感じない…もう話は終わりで良いよね』


教室に帰るわ、と立ち上がった彩に跡部は苦笑を浮かべる


「ジローと向日が、花岡に合いたがっていたぞ」


ピク


跡部の言葉に彩は一瞬固まるも「わかった、」と呟き生徒会室を後にした











その日の放課後、彩は再びテニスコートに来ていた


「ジローと向日が、花岡に合いたがっていたぞ」


生徒会長からその言葉を聞いた時、内心驚いた


ジロー達と最後に話したのはいつだったか

小等部の時はずっと一緒に遊んでいた

こんな自分でも親しくしてくれたジロー達

中等部になってから彼等は部活に入り生活サイクルが変わってクラスも違って全く接点がなくなった

寂しいと思わなかったわけではないが幼馴染というだけで執着するのも変な話だろう

彼等も彼等で周りの状況も変わったから自分も変わろうと思って思いきって黒髪ロングから銀髪短髪にしてピアスを開けた

不良と思われないよう勉強も部活は入らずともスポーツも力を抜くことはなかった

その変化に彼等はどう思っただろう

気づいていないかもしれないが…


そんな事を思っていると背後から「花岡？」と名前を呼ばれ振り返ると生徒会長が立っていた