どうしてこうなった


彩は人知れず溜息を吐き隣の跡部を見る

今跡部と彩は体育館の壇上に上がっている

下には驚いているテニス部レギュラー陣達の姿もあり彼等はこれからなにをするのかは知らないらしい

かくゆう自分も何も聞かされていない

何故か全校集会の後、跡部が壇上に上がり彩も呼ばれたのだ

何故か体育館には女子生徒のみが残され跡部が居ることに黄色い声を上げている



パチン



跡部が指を鳴らすと一気に静まりかえり跡部の声が響く


「これから少してめぇ等の時間をもらう…今まで俺達男子テニス部にマネージャーは不在だったが今一度入れようと思っている」


彩はまさか、と跡部を見ればにやりと笑った跡部と目が合う


「俺達が推薦するのはここにいる花岡彩だ。些細でも文句のある奴は出てきてくれ」


『ちょ、生徒会長、なに、』





跡部の言葉に彩は批難の声を上げようとするも一瞬の間の後すぐに体育館がわっと騒がしくなりキャー、と女子生徒が騒がしくなる


花岡様、花岡様と体育館全体から聞こえ始め彩は意味が分からないと跡部を見る


「全女子生徒が認めればマネージャーになってくれるんだろう？」


その言葉にバッと忍足のいる場所を見ればヒラヒラと手を振っている


『あんの丸眼鏡っ』


「口悪ぃな」


クククと喉で笑う跡部に彩は苦虫を噛み潰したような顔になり、それを見た跡部は僅かに目を見開く


…そんな表情もできるんだな


「男子テニス部マネージャーは花岡だ！文句あるやつはいねぇな？！」


跡部の言葉に体育館中から拍手が響き満足気に跡部が解散を言い渡し去っていく女子生徒達

その姿が居なくなると同時に慈郎が抱きついてくる


「彩〜!マネージャーになってくれるって本当だC？！」


「くそくそ、ちゃんと言えよな！」


『まてまてまてまて、私はまだ了承してない！』


「「えー」」


慈郎と向日が不満気な声を上げるのを横目に彩は忍足を睨む


『おい丸眼鏡、私はまだ了承してないはずだが』


「怖い怖い…えぇやん、学園の女子生徒全員が賛成してくれたんやで？」


『それがおかしいって言ってんの…なに、さくらでも雇ったわけ？』


「そんな面倒なことするかいな」


なぁ、跡部と忍足が言えば当たり前だ、と頷く


「花岡に聞くが小等部高学年のとき、下級生の誘拐事件を阻止した覚えはあるか」


いきなりの跡部の質問に彩は過去の記憶を掘り起こす


『…怪しい車に声かけたことは何度もある』


「そうだな。そのおかげで犯人は捕まって誘拐された人も帰ってきた…中等部にはいって痴漢を捕まえたことは？」


『ある』


「ひったくりは」


『ある』


「万引き」


『捕まえたことある』


「道で倒れてる老人を助けたことは」


『あるけど…』


「絡まれてる女子を助けたことも数しれないな？」


『………そうだね』


質問の意図が分からないまま正直に頷いていく

彩が返答していくと同時に宍戸達は唖然としていく

彩の体質を知っているため嘘はついてないことが分かる