桜雨
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慈郎には心配だろうが教室に戻ってもらい忍足と一緒に屋上の端の方に座り向き直る
慈郎が居るとどうしても脱線してしまう可能性もあり、もしこれ以上こじれてしまった時に優しい彼は泣いてしまう
忍足もそれが分かっているのか反対はしなかった
「……それで?」
座ってすぐに忍足は彩に顔を向ければ彩もそれを見返す
『まず、君は私が気に入らないのは間違いないね』
「気に入らないっちゅーか、なんで今更また宍戸達と関わろうとするねん」
今更、その言葉に彩は少し考える素振りをしてから口を開く
『そうだね…もう1年以上話してなかったよ…きっかけはおばさん、宍戸のお母さんに頼まれごとされて届けたこと…は聞いてるよね?』
「おん」
『そこから始まったことだよ…後は渡り廊下での騒ぎは知っているかい?』
「宍戸と跡部からちらっと聞いたわ」
忍足の言葉に彩は『なら、早い』と頷く
『それに私も関わっていてね、事情聴取という事で生徒会長と話をしたんだよ…それで最後にジロと岳が私に会いたがってると聞いて会いに行っただけ』
「……」
『君達のテリトリーである部室にズケズケと入って掃除までしたのはやりすぎたと思ってる…そこは申し訳ない』
座ったまま頭を下げれば忍足は眉を潜めるが彩はそのまま続ける
『んで、私がテニス部に取り入ろうとしてると丸眼鏡君が言ってジロ達は私を庇ったようだね…まぁ、本当にそんなつもりはない』
「そんなん内心どう思ってるのか分からんやろ」
忍足の言葉はもっともで『それはそうだね』と当たり前のように頷く
『ジロ達が私を庇ったことには理由があるんだよ』
「理由?…弱みでも握ってるん?」
『…違う違う…私は嘘がつけないんだよ』
間
「…は?」
嘘がつけない、という言葉に忍足はわけが分からないというように訝しげな顔になる
そんな表情をされることも分かっていた彩は腕を出せば忍足の方に向ける
先ほどまで蕁麻疹があったようには思えないほど白くスラッとした腕が覗く
『さっき丸眼鏡君は私の腕に蕁麻疹がでてたの見たよね』
「…消えとるな」
『今はね…"私は、亮達に取り入ってテニス部と仲良くするのが目標…目指すのは生徒会長の彼女"』
「なに言うとんね…ん」
少し芝居がかった言い方で言うと次の瞬間には腕が真っ赤になるほどの蕁麻疹が現れ忍足は目を見開く
「なっ、」
『私が嘘をつくと何故か蕁麻疹が出るんだ…それこそ小さい頃から』
「病院は…」
『色々な所行ったよ。外国の医者にも行って診てもらった…身体の異常は全くないし出るだけで痛くも痒くもない…前例もない。精神科にも行ったし医者はストレス、自律神経の乱れ…色々薬も出してくれたけど意味無し…この蕁麻疹の理由が"嘘をつく"って分かったのも小等部の時だ…』
病院ばかりに行って疲れていた時、亮達がすごく心配してくれて…でも心配かけたくなくて大丈夫じゃないのに『大丈夫』って言った時に蕁麻疹が出てきたのだ
そこから色々実験して、嘘をつけない体質だと気付いた
『だからもし、私が君達に興味があって近寄るなら堂々と君達のところに行くことになるんだよ…じゃないと24時間365日蕁麻疹が出てしまう』
それが分かっているから亮達は私を庇ったんだ
最後にそう言えば忍足は少し考えるようにしてから彩を見る
「触ってもええか?」
『構わないよ』
忍足は彩の言葉にゆっくり腕を取り少し押したり撫でたりし始める
「消えかかっとるな」
『一気に出て短時間で消えるんだ』
ほぅ、と忍足は呟き再び白い腕が見え始めた頃
「なんか嘘ついてくれへん?」
『………丸眼鏡君が好きだ』
彩がそう言えば再び腕が真っ赤になり忍足は思わず内容と腕の蕁麻疹に苦笑し
「酷いやっちゃ……すまんかった。俺が早とちりしすぎたみたいやわ」
腕を離され頭を下げてきた忍足に彩はいや、と首を振る
『気にしないでくれ…ただジロ達にも謝っていてほしい…彼等は優しいから部活に支障をきたす可能性もある』
「わかっとる』
『それじゃあ丸眼鏡君の誤解も解けたということでいいね』
「おん…ほんまにすまんかったな…ちゅうか俺は丸眼鏡君やなくて忍足や、忍足侑士…俺の名前知らなかったん?」
『知らなかった…忍足侑士ということは学年3位の秀才君だったんだな』
きっぱりと言う彩に忍足は面白そうに笑い頷く
「よろしゅうな彩ちゃん」
『…ぁあ…あ、蕁麻疹が』
「名前違うん?!」
『いや、ただちゃん付けされて気持ち悪くて』
「酷っ」
慈郎が居るとどうしても脱線してしまう可能性もあり、もしこれ以上こじれてしまった時に優しい彼は泣いてしまう
忍足もそれが分かっているのか反対はしなかった
「……それで?」
座ってすぐに忍足は彩に顔を向ければ彩もそれを見返す
『まず、君は私が気に入らないのは間違いないね』
「気に入らないっちゅーか、なんで今更また宍戸達と関わろうとするねん」
今更、その言葉に彩は少し考える素振りをしてから口を開く
『そうだね…もう1年以上話してなかったよ…きっかけはおばさん、宍戸のお母さんに頼まれごとされて届けたこと…は聞いてるよね?』
「おん」
『そこから始まったことだよ…後は渡り廊下での騒ぎは知っているかい?』
「宍戸と跡部からちらっと聞いたわ」
忍足の言葉に彩は『なら、早い』と頷く
『それに私も関わっていてね、事情聴取という事で生徒会長と話をしたんだよ…それで最後にジロと岳が私に会いたがってると聞いて会いに行っただけ』
「……」
『君達のテリトリーである部室にズケズケと入って掃除までしたのはやりすぎたと思ってる…そこは申し訳ない』
座ったまま頭を下げれば忍足は眉を潜めるが彩はそのまま続ける
『んで、私がテニス部に取り入ろうとしてると丸眼鏡君が言ってジロ達は私を庇ったようだね…まぁ、本当にそんなつもりはない』
「そんなん内心どう思ってるのか分からんやろ」
忍足の言葉はもっともで『それはそうだね』と当たり前のように頷く
『ジロ達が私を庇ったことには理由があるんだよ』
「理由?…弱みでも握ってるん?」
『…違う違う…私は嘘がつけないんだよ』
間
「…は?」
嘘がつけない、という言葉に忍足はわけが分からないというように訝しげな顔になる
そんな表情をされることも分かっていた彩は腕を出せば忍足の方に向ける
先ほどまで蕁麻疹があったようには思えないほど白くスラッとした腕が覗く
『さっき丸眼鏡君は私の腕に蕁麻疹がでてたの見たよね』
「…消えとるな」
『今はね…"私は、亮達に取り入ってテニス部と仲良くするのが目標…目指すのは生徒会長の彼女"』
「なに言うとんね…ん」
少し芝居がかった言い方で言うと次の瞬間には腕が真っ赤になるほどの蕁麻疹が現れ忍足は目を見開く
「なっ、」
『私が嘘をつくと何故か蕁麻疹が出るんだ…それこそ小さい頃から』
「病院は…」
『色々な所行ったよ。外国の医者にも行って診てもらった…身体の異常は全くないし出るだけで痛くも痒くもない…前例もない。精神科にも行ったし医者はストレス、自律神経の乱れ…色々薬も出してくれたけど意味無し…この蕁麻疹の理由が"嘘をつく"って分かったのも小等部の時だ…』
病院ばかりに行って疲れていた時、亮達がすごく心配してくれて…でも心配かけたくなくて大丈夫じゃないのに『大丈夫』って言った時に蕁麻疹が出てきたのだ
そこから色々実験して、嘘をつけない体質だと気付いた
『だからもし、私が君達に興味があって近寄るなら堂々と君達のところに行くことになるんだよ…じゃないと24時間365日蕁麻疹が出てしまう』
それが分かっているから亮達は私を庇ったんだ
最後にそう言えば忍足は少し考えるようにしてから彩を見る
「触ってもええか?」
『構わないよ』
忍足は彩の言葉にゆっくり腕を取り少し押したり撫でたりし始める
「消えかかっとるな」
『一気に出て短時間で消えるんだ』
ほぅ、と忍足は呟き再び白い腕が見え始めた頃
「なんか嘘ついてくれへん?」
『………丸眼鏡君が好きだ』
彩がそう言えば再び腕が真っ赤になり忍足は思わず内容と腕の蕁麻疹に苦笑し
「酷いやっちゃ……すまんかった。俺が早とちりしすぎたみたいやわ」
腕を離され頭を下げてきた忍足に彩はいや、と首を振る
『気にしないでくれ…ただジロ達にも謝っていてほしい…彼等は優しいから部活に支障をきたす可能性もある』
「わかっとる』
『それじゃあ丸眼鏡君の誤解も解けたということでいいね』
「おん…ほんまにすまんかったな…ちゅうか俺は丸眼鏡君やなくて忍足や、忍足侑士…俺の名前知らなかったん?」
『知らなかった…忍足侑士ということは学年3位の秀才君だったんだな』
きっぱりと言う彩に忍足は面白そうに笑い頷く
「よろしゅうな彩ちゃん」
『…ぁあ…あ、蕁麻疹が』
「名前違うん?!」
『いや、ただちゃん付けされて気持ち悪くて』
「酷っ」