孤独
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シン、とした静寂が包む朝方
タワマンの高層階から見える街の景色がどこか神秘的でベランダからそれを見下ろせば思わず目を細める
意味もなく伸ばした手は何も掴むことなく空を切る
『………………』
お前とは結婚できない…すまない
お前は我が家の面汚しよ!顔も見たくない!
最後の情だ、卒業までは生活面では世話を見てやるからここからは出ていけ
そう、婚約者に
家族だった人達に言われ
言われるがままに用意されたこの家は私にとって鳥籠のようで息苦しく感じる
部屋の中に入れば必要最低限の家具しかない
それが一層孤独だということを実感させられる
彼女、婚約破棄されて家からも追い出されたらしいわよ
そう、噂が流れると同時に今まで一緒にいた人は離れていった
今までは"彼"の婚約者だったから成り立っていた関係なのは分かっていた
それが無くなれば離れていくのも仕方がない
今は教室の隅で本を読んでいる
ヒソヒソヒソヒソ
自分に向けられる同情の目、好奇な目が向けられる中、彩は小さく息を吐けば立ち上がり本を持って教室から出る
廊下に出たら出たで視線を集め、それから逃げるように屋上への階段を上がる
『………』
屋上に出て風が髪を撫でる
それを気持ちよさそうに目を細め日陰となる場所に腰を下ろす
『……面倒くさい』
ポツリと呟くと空を見上げる
人の噂も七十五日と言うけれど…それまでこの状態が続くのは心底面倒くさい
いっそ退学させてくれたらよかったのに…
親の情けなのか、"彼"の配慮なのかは分からないけど…全てが面倒くさい
『…もぅ、消えたい…』
ポツリと呟き俯くと同時に目の前に影が出来、顔をあげる
そこにはどこか寂しそうな目をした人物が立っていて思わず体を強張らせる
『忍足…侑士…くん』
彼は男子テニス部のナンバー2である人物
"彼"に会いに行った時に見かけたことがある
話したことはないが"彼"と同じく人気者の彼が何故こんな所にいるのか
"彼"が何か言ったのか…
他の人達と同じように、私の事を嘲笑いにきたのか…
少し身構えながら彼の目を見ているとポン、と頭に手を乗せられる
「消えたい、なんて寂しいこと言わんで」
