「だからあんたから全部奪ってやろうとしたのよ。友達も彼氏も全部！あんたの居場所は可愛い私のほうが相応しいの！」

鼻息荒く言う南

《こいつっ、何も知らないくせに!!》

『っ』

銀が怒りで叫ぶ中、彩は唇を噛みしめ俯く

何か言い返したい、けど口を開けば涙が溢れてしまうだろう


そんな姿を南なんかに見られたくない





「言いたいことはそれだけか」

絶対零度
南を見ながらナルの発せられる声にその場が凍った

ナルがブチギレた

それが分かるように彼の周りには冷気が漂ってる

ぼーさん達は青ざめ、彩は目を見開く

南もナルの雰囲気が変わったことに気づきナルを見て顔を青くしガタガタと身体を震わせる

「…お前が僕にふさわしい？寝言は寝てから言え。…僕が、お前なんか見るはずないだろ。自分を可愛いと過大評価し、自分の醜い感情だけで人を簡単に傷つけるやつを僕が選ぶと?」

馬鹿にするな、と冷たく言えば立ち上がりツカツカと彩の元にいき強めに手を引けば驚いて動けなかった彩は簡単にナルの胸に倒れ込む

そして、すかさず

『っ、んん』

ナルにキスをされる
彩は目を見開き胸を押し離れようとするも頭を押さえられ身動きが取れない

しかも離れようと口を開いた瞬間にナルの舌が口内に侵入してきてくる

『ん、は、』

激しいそれに彩は頭が痺れ力が抜けてしまいナルにもたれかかるしかない

涙がポロリと頬を伝う

目の前で行われてる光景にぼーさん達は顔を赤くし、南は顔を歪める

「これで分かりましたか。僕には彩しか考えられません。外見だけじゃなく内面も彩の全てを愛している。あなたがつけいる場所なんてないんですよ」

リップ音を最後に開放したナルは力が抜けた彩を支える

「これ以上、彩になにかしてみろ。それ相応の地獄を見せてやる」

殺気混じりにナルが言えば肩を大きく跳ねた南は青ざめた顔でコクコクと頷き逃げるように事務所から出ていった