「リムル様！」


大きな声に体が震えバッと起き上がればそこは執務室で声がした方に顔を向けると心配そうな朱菜と目が合う


「朱、菜…？」


「大丈夫ですか？大分魘されていましたよ？…顔色も悪い…」


心臓が早鐘をうつように鳴り変な汗をかいているのが分かる


「大丈夫…」


どうやら夢を見ていたようだ…それなのにあの焦燥感や絶望感は纏わりついたままで自分に言い聞かせるように大丈夫と繰り返す

そしてフと顔を上げる


「紅丸達は？」


「お兄様達はこのあと来ると思いますよ」


会議があるのでしょう？と首を傾げる


そうだった…と手元の書類を見て頷く

議題にする内容をまとめてたらねむってしまったようだ

書類をまとめ大きく伸びればノック音が聞こえ返事をすれば紅丸達が入ってくる
　

「お疲れさまです、リムル様」


ニコニコと紫苑が入ってきてリムルに抱きつけば思わず小さく笑い席につくように促す


ぞろぞろと入ってくる仲間達に思わず頬が緩みそれを見た白老が首を傾げる


「リムル様、なにか良いことでもあったのですかな？」


「ん？いや、なんもないよ」


「彩の事でも考えてたんですか？」


「なっ、違う！」


紅丸の言葉にリムルは咄嗟に否定する

しかしフと周りを見渡し首を傾げる


「そういえば彩は？」


「…え？」


何か変なことを言っただろうか、というように全員がぽかんと口を開ける


「リムル様、彩なら今調査に出てるではありませんか」


「え？あー…」


そうだ、今、森周辺に変わりがないか調査しに行ってもらっていたんだった

1週間前、自分で送り出したじゃないか