「ちーっす」


「邪魔するわよ」


軽い言葉で入ってきたぼーさんと綾子が入ってきたのは麻衣が掃除を終わらせもう一度電話しようと携帯を手に取った時だった


「ぼーさん！綾子！」


「彩は？」


まだ帰ってきてねぇの？と辺りを見渡すが姿はない

そして麻衣は飛びつくように抱きつけばうぉ、と受け止めるぼーさん


「どした麻衣？ナル坊にいじめられたか？」


「失礼だなぼーさん」


「お、邪魔してるぜ」


ちょうど所長室から出てきたナルがぼーさん達の姿を見てため息を吐く


「ねぇ、彩いつ帰ってくるの？」


「………」


綾子の言葉にナルと麻衣は顔を見合わせる


「…なんかあったのか？」


ぼーさんの言葉にナルが小さくため息を吐けば経緯を話す

それに表情を固くした二人は顔を見合わせる


「マジか…」


「うん…電話しても全然繋がらなくて…」


「…きっと大丈夫よ。あの子の事だから無事に帰ってくるわ…」


落ち込んでいる麻衣の背中を綾子が撫で自身に言い聞かせるように言えば麻衣も頷く


「そうだよね…」


麻衣も言い聞かせるように言えばお茶を入れるね、と笑顔を浮かべれ給湯室に向かおうとする

しかしそれと同時に険しい顔をしたリンが資料室から出てきてテレビをつける

その行動は鬼気迫るものがあり麻衣も足を止めつけられたテレビを見る


"速報です。今朝、長野県で発生したバスを含む車両5台が絡む事故で1人が亡くなり、怪我人は多数いるとのことです

亡くなったのはバスの乗客であり事故の衝撃でバスが横転し外に投げ出された後に後続車両にひかれたと思われます

また詳しい情報が出次第お知らせします"


そんなニュースが流れ事務所内に緊張が走り全員が顔を青くした


「……今は連絡がくるのを待ちましょう」


リンがそう言えば大人組は顔を青くしたまま頷き、麻衣は綾子に抱きついた