"ニュース速報です。本日、長野県箕輪町の高速でバスを含む車両5台が絡む事故が発生しました。逆走したトラックが暴走したと思われ死傷者が多くいる模様…それについては速報が入り次第お知らせします…この事故に伴い車両規制が…"


そんなニュースを目の前で流れているのを見て麻衣がほぇ～、と声を漏らす


普段、電気代がもったいないからとテレビをほとんど見ないが今日は起きたら何故かリモコンに手が伸びていた

それを見ながら朝食を取っていると流れてきたニュース速報


「…怖いなぁ…あ、そろそろ行かなきゃ」


ポツリと呟いたあと、時計の表示を見て慌てて消す

今日は黒蝶として依頼があった彩と銀が帰ってくる日だ


1.2日だけだと思ってたのに思ったより長引きそうだと笑って電話してから1週間たつた

帰ったら直接事務所に寄ると言っていたからお茶でも用意して待ってよう

そう思いながら鞄を手に取った








「お疲れさまでーす…?」


学校も終わりバイト先である事務所に入ると真っ先に電話をしているリンが目に入る

リンの後ろにナルが立っており、何故か苛立っている様子


なにかあったのか、と鞄を置き給湯室にいきお湯をセットして戻る



「…分かり次第すぐに連絡してください」



ちょうどリンが受話器を置きナルに首を振ればナルは苦い顔をしリンの表情も暗い


「…なにかあったの?」


そんな雰囲気に耐えきれず麻衣が声をかければリンがこちらを向く


「谷山さん、お疲れさまです…谷山さんは今朝のニュースはご覧になってますか?」


「今朝?…あ、ニュース速報で事故があったってのは見たけど…」


「そうですか…隠していてもすぐにわかってしまうことなのでお伝えしますが、彩が乗っているであろうバスも巻き込まれている可能性があります」


「え！？」


「乗ると言っていた時間帯とバス会社が一致しているのとこれは関係してるか分からないが今朝から連絡をしても繋がらない」


リンとナルの言葉に麻衣は顔を青くし口を手で覆う

慌てて携帯を取り出し彩に電話をかけるが女性のアナウンスが流れてきくる


「繋がらない…」


「とりあえずバス会社等に進展があればすぐに連絡をくれるよう伝えたのでそれを待ちましょう」


リンの言葉に麻衣は頷きナルも所長室に戻っていった