その後、泣き続ける彩をなんとか家まで連れて帰り話を聞くことにした真砂子と銀

途切れ途切れに事の始まりから話す彩に銀は目を細め、真砂子も顔を険しくさせていく

『私、重かったのかなっ、とか、でも昨日は普通だったし、とか、色々考えてたら分からなくなって』

「ナルからそう言われたんですの?」

その言葉に首を降る

《ナルにどういうことか聞いてみたら》

『……今は会いたくない……怖い』

もし会って別れを告げられたらどうすればいい。

それこそ立ち直れるか分からない

それからひとしきり泣いた彩は真砂子の撫でる手に安心したのか眠りについてしまった

《彩がこんなに泣いてるの久しぶりに見た…はじめてじいちゃんに会ったときしか…》

「わたくしは初めて見ましたわ。…ナルは何を考えてるのでしょう」

《ほんとにねぇ》

銀は彩の目から流れた涙を尻尾で拭った




次の日、彩はいい匂いで目を覚ます

「あ、おはようございます彩。朝ごはん食べませんこと?あ、冷蔵庫の中勝手に使わせてもらいましたわ」

《おはよう彩‼聞いて、真砂子すごく料理上手なの!結構意外だったけど!》


「どういう意味ですの、銀」


キッチンから出てきた真砂子と銀の掛け合いを聞きながら真砂子を抱きしめる

『真砂子、側にいてくれてありがとう。』

「親友なんですもの、当たり前です」

微笑みながらいう真砂子に涙腺が緩くなってる彩はまた泣きそうになる

「ほら、顔を洗ってご飯食べますわよ」


『ん。』









美味しいご飯を食べ終え、洗い物はやるといった彩に真砂子は表情を暗くし

「学校やバイトはどうするんですの?」

泣いた元凶がいる2つの場所

ピクリと洗い物の手を止めた彩は首を振る

『どっちもしばらく休むよ。少し黒蝶の仕事にもどることにする』


「それがいいかもしれませんわね。ちょっと息抜きに遠出するのもありですわね」


《あ、そうじゃん。受けるか保留中の県外からの依頼あったよね。それ行こうよ》

そうだね、と銀の言葉に頷くと早速とパソコンに向かった

その姿を見ながら真砂子は銀を撫でる

「銀、彩を頼みましたわよ」

《まっかせて!》

大きく頷く銀に真砂子も頷く
それと同時に戻ってきた彩

『銀、今ある依頼全部受けたから。明日から動くよ』

《は、はぁあ？！》