「う～彩〜ごめんねぇ」

ぎゅうと麻衣に抱きしめられると苦笑しながら頭を撫でる

「落ち着いたってことで、彩、ちょっと」

ポンポンと、隣をたたくぼーさんに彩は？を浮かべながら麻衣から離れぼーさんの横に座る

コホン、と咳払いをしたと思えばガシっと彩の肩を掴む

「俺達出会ってかなりたつよな?彩の性格も分かってる。そのうえで言わせて貰う。お前は美人だ、いでっ」

真剣な眼差しで言ってくるぼーさんの言葉に彩はキョトンとするが彼の後ろに現れ持っていたファイルで殴った人物を見る

「うるさいと思って出てきたらなに人の恋人口説いてるんですか」

『ナル…』

相当痛かったのか呻いてるぼーさんから彩を引き離すナル

その光景に思わず綾子や麻衣は笑う

「なに言い出すかと思えば馬鹿ねあんた」

「ぼーさん、だめだよそれは」

彩は真砂子の隣に座りお茶をすすりながら苦笑し事の成り行きを見ている

当の真砂子は銀を撫でながら彩を見て肩を竦めている

「だってナルちゃんよー、今回は麻衣が悪かったけど全くの無自覚ってのはヤバいだろ⁉だから俺が「だからといって肩を掴む必要がありますか?それに、そういうのを伝えるのは僕の役目だと思いますが」

え、と彩を含め全員の視線を集めたナルは不愉快そうに眉を潜めぼーさんを睨む

「彩、来てますか。資料…」

そこに間の悪い事に資料整理を頼もうと出てきたリンは雰囲気の悪さに口を閉じる

『……リンさん資料整理ですか?』

「ええ…」

苦笑しながら彩が立ち上がり受け取る

パラパラと資料を捲り面々を見る

『はい、私が美人とかそんなお話は終わりにするよ。ぼーさんもありがとうね。麻衣も掃除しなきゃ』

じゃあ皆ごゆっくり、と微笑む

麻衣もはーい、と動き出す

『私書類整理もあるからそのまま所長室とか掃除やっちゃうね。』

真砂子、皆またねと手を振り所長室に入っていく

残された面々はしばらく無言でいるがぼーさんが頭をかき、あー…と、

「ナル坊や」

「なんですか」

「あとはまかせた」

「………」

俺達は帰る、とぼーさんが立ち上がれば各々帰る準備をはじめた