その頃、外では


「彩大丈夫かなぁ」


カメラの設置をしながら麻衣が屋敷を見上げる


それにぼーさんはうーん、と呟き麻衣の頭を撫でる


「彩なら大丈夫じゃないか？すぐに戻ってくるさ。彩も言ってただろ…それに黒蝶としての場数も踏んでるんだ」


「そうだよね」


ぼーさんの言葉に頷いた麻衣達のやり取りにナルが真砂子に顔を向ける


「原さん、何か分かりますか」


「息を潜めていますわ…ずっと私達を見ていましたが…今は黒蝶が中に入ってついて行ってるようですわ…それにっ、」


真砂子は屋敷をジッと見つめ呟くがハッと目を見開くと同時に


ｶﾞｯｼｬｰﾝ


「「「！！？」」」


中から急に大きな音が鳴り響き全員が顔を見合わせる


「彩！！」


麻衣が慌てて扉を開けようとするが何故か開かない


「な、なんで！」


「彩…っ」


「麻衣！ちょっとどけ！ジョン、手伝え！」


「は、はいです！」


麻衣を扉から離すとぼーさんとジョンが開けようと奮闘するが開かない


綾子が泣き出した麻衣と顔を青くした真砂子を抱きしめる


「滝川さん、他の入口を見つけてきます。ナルは皆さんとここに居てください」


リンも慌てたように屋敷沿いに走っていく


その様子を見ていたナルはことの重大さに眉を潜める


「どうなってんだ！彩！！銀！！大丈夫か？！！」


ぼーさんが叫ぶも返事はない


ふいにナルは開かないはずの扉に手をかける


と


ガチャ



普通に開いた扉に全員が顔を見合わせた