ユウはバイトが終わり帰路を歩いていた


『……(また、あの視線)』


今度は少し歩くスピードを上げる
角を曲がるが視線は消えない


おかしい、と辺りを見渡してもなにもない


ゾク


『っ、』


バッ


『上っ』


上を見ると、今まで見たこともない物体がこちらを見て笑ってる


オマエ、ウマソウナレイアツダナ


『(早く帰りたいのに…)』


クワセロ


『……』


ユウは目の前で喋ってる虚を見据える


クワセロオオオオ


一気に急降下してくる虚にユウはその場から飛び退く


着地すれば鞄を放り出し虚に向き直る


『私は、奴等を見つける前に死ぬわけにはいかないのよ』


シルカァ


向かってくる虚にユウは避けながら蹴りを食らわす


グァア…ナンダオマエハ


『なんだって…狼よ』


吹き飛び塀にぶつかった虚の問いかけに答えながら止めを、と走り出す


クソ、カンタンニクエルトオモッタノニ


虚は土埃を巻き上げながら空を飛ぶ



ココマデハコレナイダロ


『なめるな…』


ナッ


塀を足にかけ虚の前まで飛翔すれば一気に足を振り落とす


ギャァアアアア


消えていく虚を見ながら地面に着地し辺りを見渡わたす


所々壊れてしまっているが、これはどうしようもない、砂ぼこりが消える前に行こう、と鞄を持ち上げたとき


「「ユウ？」」


『黒崎くん、ルキア』


またもや背後から声をかけられ振り返ると死神の姿をした一護と制服姿のルキア