『いただきます』


「おぅ」


一護が持ってきてくれたお粥を一口食べ、思わず頬を緩ませる


『美味しい…』


「そりゃ、よかった」


ベッドの縁に座りながら一護はユウが食べてる様子を見ている


「あ、冷蔵庫の中勝手に使ったぞ」


『うん、全然大丈夫。ありがとう』


いつぶりだろうか、誰かの作ってくれたご飯を食べるのは……母上も、お母さんも私が風邪引いたときはお粥作ってくれたなぁ…


手元のお粥をじっと見ていると昔の事を思いだし目頭が熱くなる


泣くな、泣かないと、あの日から決めたじゃないか


「なぁ、」


『ん？』


一護が話しかけてくるとユウは一瞬ハッとし顔を上げる。初めて会ったときの状況とは逆にジッと見つめられる


『な…に？』


「…なんで泣いてるんだ」


『…え、』


なにを言ってるの、と言おうとすれば一護がこちらに腕を伸ばしてくる


なんだ、と身をすくませるも一護は頬を伝う涙を掬う


「不味いなら食わなくていんだぜ？」


『不味く、ない…でも、なんで…』


自覚すると涙が溢れだす
自分でも目元を拭う


『お、かしいな…ごめんね。なんでもないの…』


「泣きたきゃ泣けばいいんじゃねぇの？ほら、その風邪引いてるときは精神的にも弱るっていうし」


本格的に泣き始めたユウに一護は困ったように言い、ユウの頭を撫でる


『っ、～』


寂しいよ、もう一人でいるのは…