「ここだよな…」


一護は手元にある紙と渡されていた鍵を手に１つのマンションの前に立っていた


聞こうにも腕の中の彼女は息苦しそう寝ている


起こすのは忍びない


家に連れて行った方がよかったかとは思ったが事情が事情だから無理だ


「(よし)」


意を決して紙に書かれた部屋まで行くと鍵を開け中に入る


「一人暮らしにしては殺風景だな…」


中に入りとりあえずベッドにユウを置く。ぐっすり寝ている為その上から布団をかける


「さて、と…ちょっと冷蔵庫覗かせてもらうぜ」　








良い匂いがする…

私、どうしたんだっけ……
あ、そうだ、風邪ひいて黒崎くんに送ってもらって……

意識が浮上してきて目を開ければ見馴れた風景


『え、ぁ…私の、家…』


目を閉じ意識を集中すれば人の姿に戻る

学校の時より調子はいい


「お、起きたな」


『く、黒崎くん…？』


なんで居るの、と続けようとするが送ってもらった人には言えない


『お、送ってくれてありがとう…帰ってもよかったのに…』


「病人置いて帰るほど白状じゃねぇよ…お腹は？」


呆れたように言う一護にユウはお腹をさする


『お腹、は、すいてる…』


「わかった。持ってくるからちょっと待ってろ」


『う、うん』


状況に少し戸惑いなからとりあえず着替えようとベッドから立ち上がった