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『ッゴホッ』
彩が唱え終わえる前に口内に血の匂いが充満し吐くと血が地面に広がる
「《彩!》」
銀と真砂子が慌ててしゃがんだ彩に駆け寄る
完成間際だった術が四散し同じく駆け寄ってきたリンに抱き上げられる
その顔は青く彩は意識を失ったようにぐったりとしている
その様子を見た銀は一度睨むようにナルを見て顔を歪めた後、流木に向かう
《………く、も》
「………銀?」
《よくも僕の主を!》
甲高く吠え、次の瞬間銀の周りに豪風が洞窟内に広がる。
しかし次の瞬間…
《………え?》
「ナル!やめなさい!」
銀の横を強い力が通りすぎ目を見開いた銀が振り返るとそこには腕をナルが降り下ろしたところだった
銀が再び流木を見るとそこにはもう何も無く入口も元に戻っていた
「なにが…」
「気配が…気配が消えましたわ…ここはもう霊場ではありません。吹き寄せられる霊も…ここは単なる洞窟にすぎません」
真砂子が呟き戻ると言ったナルの言葉にそれぞれが歩きだす
『っ…………』
その時ピクリと動いた彩が目を開けると焦点の合わない目でリンを見上げる
「彩!大丈夫なの!?」
『…………………』
「とりあえずあそこの木陰で休んでて、私お水もらって」
「………………ナル?!」
麻衣が走っていこうとするがリンの声に振り返り見るとナルが倒れている
リンが慌てて駆け寄り彩を下ろすとナルの心臓の音を聞き心臓マッサージをはじめた
それをボーッとしながら見ていた彩はマッサージを行うリンの手に手を重ね止めナルの顔の横まで行き涙を浮かべる
「彩、何を『本当…なに、してんのさ………バカ』
そしてゆっくりナルの額に指を当て何かを小さく呟くとナルの蒼白な顔が少し色づき驚いたリンが呼吸を確認した後彩を見れば彩は小さく笑い
『…リンさん後、よろしく。ちょっと疲れた』
そう言って彩は目を閉じた
…