Files9
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『…………あれー…』
彩は目を開け開口一番で呟く
何度となく来た覚えのある部屋の内装に彩は顔を巡らせる
回りは白一色。
ベッドもカーテンも、そして自分の着ている服も見覚えのある病院服
思った通り此処は病院で個室。
そこに何故自分が寝ているのかに疑問をもつ
辺りに人の気配もない
『あの後どうしたっけ…』
屋敷から出て車で騒ぎ、あぁ、皆の所に帰って来れたんだ、と嬉しさを実感したまでは覚えている
ゆっくり身体を起こすと怠さが身体を襲うも背凭れに寄りかかる
『銀ー?』
いつも側にいる相棒の姿もない。
集まると騒がしくなる仲間達の姿もない。何かと自分の心配をしてくれるリンや、いつも自分を闇から救ってくれる恋人の姿もない……静かな空間に一人だけ
『っ、…』
ふいに寂しさが込み上げ目尻に涙が溜まる
それが分かり自嘲気味に笑えば膝を立てそこに顔を埋める
『弱くなったなぁ…』
前までは銀や真砂子さえ居てくれれば良かった。それが皆に会って、皆と一緒になる事が多くて、楽しくて…いつの間にかそれが当たり前になってて…彼が隣に居てくれるのが当たり前に…
『銀、皆…ナル…』
小さく呟くとガラリと音がし顔を上げ顔を向ければこちらを見て驚いたようなナルの姿
まさに今名前を呼んだ人物の登場に彩が唖然とする
するとナルが彩の元に歩いてきてベッドに腰かけ、そっと目元に指をやる
「どうした?」
『えっ…あ、ごめんっ』
今更ながら泣き顔を見られて慌てて目元を拭う。ナルにら毎度毎度泣き顔を晒している気がする
しかし涙は止まることを知らず、それどころかどんどん溢れてくる
「擦るな…赤くなるぞ」
ナルは拭う手を握りそのまま彩を抱き締める
『っ』
抱き締められた温もりに彩はすがり付くようにギュウと抱きつけば髪を撫でた
しばらくすると彩も落ち着いたのかゆっくり身体を離す
「大丈夫か?」
『ん、大丈夫……ごめん』
「怖い夢でも見たのか?」
ナルの質問に彩はヴ、と声を詰まらせるが正直に話す
それにナルが苦笑を浮かべる
「他の皆は下で食事してる。ずっとこの部屋に居たがお腹が空いたと出ていった。すぐ戻るだろ」