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「その話をその時聞かせて貰えば…」
ぼーさんが僅かにひきつる顔で言えばクスリと笑う女
その笑みがあの時の金山と重なり麻衣達は背筋を震わせた
「金山が話したとして彩を引き渡してくれました?彩が素直に来ると思いました?絶対この子は来なかったわ…だから貴方達を使わせてもらったのよ。まぁ抵抗されたからあんな事してしまったようだけど…ごめんなさいね?」
「っ…彩に何か憑かせた理由は…?」
「親の言うことを聞かないから。」
すっぱり言い切った女に息を詰め怒りで震える手を押さえながらおかしい!と麻衣が目に涙を浮かべ叫ぶ
「そんな!親だからって何でもしていいわけない!彩を返して!」
「ま、麻衣落ち着け」
目の前に居るのは仮にも彩の親だ
ぼーさんが宥めようとするが女がクスクスと笑いだした事でそちらを向く
「私達にはちょっとした計画があるから憑かせたのもあるけど…それに彩は私達の子供…この子は歴代の中で一番力を持ってる。手放す分けにはいかない……別に貴方達には関係ないでしょ?私達が産み出した玩具に何をしようが」
「「「?!」」」
女の言葉に唖然とした麻衣達は言葉の意味を理解すれば顔を青くする
「おも…ちゃ?」
「玩具よ。研究に使う為に作られた子供。私達の研究材料」
にこやかに言ってのける女に何も言えなくなった麻衣達は彩を見るがただ無表情で立っているだけ
その様子が逆に痛々しく見え麻衣は首を振る
「違う…違う!彩は私達の仲間だよ!そうだよね?!」
麻衣がぼーさん達に振り返りながら言えば密かに怒りを滲ましている二人は真剣な顔で頷く
「仲間?あぁ、ただの馴れ合いでしょ?…彩の過去を知ってもそんなこと言えるのかしら」
「彩の過去ならもう知ってます。それでも尚、僕等は仲間であるんですよ」
安原が言えば女が僅かに目を見開くもすぐに声を出して笑う
「あら、そう。物好きな人達がいたものね。けど、彩を手放す気は『いつまで話すつもりだ?我は早く先に進みたいんだが』…あら、ごめんなさいね。行きましょう」
「ちょ、まっ「お互い頑張ってこの依頼解決しましょうね」
彩の言葉に女が夫と金山に顔を向ければぼーさんが声を出すも遮られ背を向け歩きだした
その背中に麻衣はぼーさんの服を掴み俯くと涙を隠すことなく呟いた
「…絶対取り戻そうね」
「あぁ。とりあえずベースに戻るぞ」