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そこまで言われて彩は肩を落として諦めたように頷く
『えぇ、校長に頼まれて依頼を受けた。けど、他にも協力者がいるって聞いて、お手並み拝見。と黙って見てたんですよ。そちらのお姉さんと校長の時は、依頼者が怪我を負うのは嫌だったんで助けました。真砂子は大事な友人です。友人が大変な時に助けないのはおかしいでしょう?』
そこまで一息で言うと真砂子に笑いかける
『で、何故、私が呼ばれたんですか?』
「貴方にお礼を言いたい人がいるんですよ…リン」
ナルの言葉に彩は首を傾げるも出てきた人物に目を見開く
まって…あの時、黒蝶でもなかったし、姿も見られてなかったよね…え、え?!
「リンといいます。先日はありがとうございました。貴方のおかげで怪我が軽く治りが早かった」
律儀に頭を下げてくる相手に彩も首をふる
『いえいえ。良かったです………ね。はい…』
彩は自分が助けたということを肯定したことに気づき恐る恐るナルを見ると満足したように笑う顔が見える
…終わった。
彩がうなだれていると黒蝶講座が終わったらしい麻衣がどういうこと?と聞いてくる
その言葉にナルは麻衣を見返し
「麻衣。調査中ほとんど、休んでいたクラスメートはいないか?」
「へ?………ん~…あ!一人いるよ花岡さん。何で?」
谷山さんが覚えていませんようにと彩は懇願するがそれは打ち砕かれる
「花岡さんて誰よ」
「花岡さんってのは…」
谷山さんの言葉で今度は花岡講座が始まってしまった
「麻衣が旧校舎に来た時、棚が倒れて大事があっただろう」
そりゃ、それのおかげで助手することになったんだし、と麻衣は呟く
「あの時、リンは確実に潰される位置にいたはずなのに何かに突き飛ばされたおかげで助かったと言ったんだ…そうだな?」
「はい。棚が目の前にありましたから…けどお腹に衝撃が走ったと思ったら安全な場所にいました」
谷山さん、ナル、リンさんの会話を聞いている内に彩は叫びたくなった
しかし、話はまだまだ続く
「その後、すぐに僕が来たんだがちょうど立ち去る後ろ姿をみた。麻衣と同じ制服をきた生徒をね…」
「だったら。おかしいじゃねぇか?黒蝶は学生って感じしないしよ」
ぼーさんと呼ばれている人物にナルは首をふる
「リンが倒れた近くに僅かに力の余韻が残ってた…それと同じようなものを調査中に確認できた。……原さんが落ちそうになった所だ…」
…そういえば真砂子助ける時に、銀に力借りたっけ…
あれ…でも余韻って…渋谷さんが気付いた…の?
一般の人には分からないはずだ…
力があるのか、ただの偶然か…はたまた相性がいいのか…
『分かった。わかりました…もう完全に分かってるんですね。』
この声で辺りは静かになり彩は頭をかく
『谷山さんごめんね。ちょっとそっちの部屋借ります』
いきなり謝罪された麻衣はまさか、と口を抑える
それに苦笑で応えると一つの部屋に入り口に巻いてるバンダナを取り、かつらを取り黒い服を脱ぎだす。
そこから見えたのはストレートの肩より長い髪と仕事着の下に着やすいようにと選んだ黒のTシャツと短パン。
はぁと息を吐くと今までいた場所に戻り席に座るとナルを見る。谷山さんは言葉がなく口の開け閉めを繰り返す
他のメンバーも彩の変わりように呆然としている
『満足ですか?』
「そうですね…けど、もう一つ話があります。ここでバイトしませんか?」
『別に良いですよ。けど黒蝶として依頼があったらそっちを優先させますよ』
サラリと答えた彩にナルは一瞬驚くもすぐに口端をあげ頷く
「構いませんよ」
「「「「…ぇ…ええ~~?!」」」」
そんなわけで私、花岡彩は、もうどうにでもなれと、自棄になりながらもSPRの従業員になりました。