翌日、鉢合わないように自分なりに調査書をまとめていたが、散歩に出て行っていた銀が何故か上機嫌で帰ってきた


『楽しそうだね…何かあった？』


《真砂子嬢に会ってきた。あぁ、そうだ化粧の濃いねぇちゃんが、お祓いするんだってさ。》


『へぇ…じゃぁ見に行かなきゃね。』


そう言い立ち上がるとその場まで向かった。


かろうじて見える場所までくると彩は壁に寄り掛かり聞く体制に入る。


『これは…祝詞…初めて聞いた………あ、終わった』


出てくる前に退散しなくちゃ…と思い背を向けると建物が軋む音がして振り返る
すでに窓ガラスにヒビが入り校長達に降り懸かろうとしている

彩は一度舌打ちをする


『あの女性はともかく校長が危ない。結っ』


小さく呟くと札に息を吹き掛けると投げ薄い膜で校長達を守る


降り懸かってくると誰もが息を詰めるが見えない壁により誰も怪我をせずにすんだ


「どうなってんだ…」


呆気にとられたように誰も動けないでいるが彩は一息つくと背を向け歩いて行った


『原因が分からないままだと校長先生に被害与えちゃうな…警告だけでも真砂子に伝えとこうかな』








しばらく固まったままであったが校長が息をつく事で騒がしくなった。


｢ねぇ、どうなったの?｣


ぽつりと言うと皆一斉に首を傾げた


｢さぁ、お兄さんにはさっぱり。ボウヤはどう見る?｣


ふられた当の人物もさぁ、と呟くが


｢ただ、何かしら守ってくれる人物がいることには変わりない…誰かは分からないが｣