メリークリスマス
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ご覧になる前に…
巫女であるヒロインは、朱雀を呼び出した後、四神天地書の世界の人間となって暮らしています。
ゲームで言うところの「残留エンド」ですね。
お相手は柳宿です。
ーーー
ーー
「いとおしーひとーのぉたーめーに♪」
朱雀の巫女である名前は口ずさみながら紅南国宮廷の廊下を歩いていた。
「プレゼントは用意したし、あとは飾り付けの準備と、お料理と…」
何やらブツブツ言いながら歩いている所へ、急に仔犬が名前の足元へ現れた。
「わっ!危ないっ」
名前は仔犬を踏まない様、慌てて避けた、が・・・
仔犬は踏まずに済んだが、今度は廊下の段差につまずいて、見事に頭からひっくり返ってしまった。
-----
----
---
翼「で、どないしたんや?」
軫「どうも転んで頭を打ったようだな。
頭のこぶは俺の治癒力で治したが、それ以上は俺の力でも無理だった」
星「とりあえずそれ以外、身体に異常はないのだな?」
軫「はい。他に痛い所も無いようですし」
鬼「でも、このままじゃまずいだろ?」
井「と言っても、今まで通りの生活を送りつつ、方法を探すしかないのだ」
そこへ勢いよく扉を開けて柳宿が部屋へ飛び込んできた。
柳「名前がケガしたって!?」
軫「ああ、まぁ怪我の方は俺の力で治したが・・・」
柳「本当?よかった
名前、大丈夫?」
「お姉さん、誰ですか?」
柳「は?あんた何言ってんの?」
「あの…私…よく分からなくって…」
柳「ちょっと、どうしちゃったのよ?」
柳宿はワケが分からないといった感じで、名前の顔を見ている。
張「柳宿さん、名前さんは頭を打った拍子に、こちらに来てからの事を忘れてしまったようなんです」
柳「えっ?それって私達のことを忘れちゃったってこと?」
井「そうみたいなのだ」
柳「私のことも?」
柳宿は名前の顔を覗き込んで言った。
「ごめんなさい、誰のことも分かりません」
柳「何でよ!他の誰を忘れてもいいけど、私のことは忘れちゃだめでしょうが!!」
翼「なぁ地味にひどいこと言うてへんか?」
鬼「ああ、そうだな」
「あの、何でですか?」
名前は柳宿に尋ねた。
柳「何でって、私たちは好きあってて、付き合ってて、愛し合ってるからよ!」
張「何か僕、恥ずかしいです」
星「あそこまで堂々と言われると、逆に気持ちがいいな」
軫「そうですね」
「そんな・・・私、女性と付き合わないし、絶対ムリです」
七星「・・・・・・・」
その場の空気が一瞬で凍りついた。
柳宿と名前以外の誰もが、この場を離れられるのなら南極で乾布摩擦をしてもいいと思った。
井「ぬ、柳宿、落ち着くのだ?」
翼「そや、名前は何も分からんで言うたことやし」
鬼「とりあえずさ、そのこて元に戻そうぜ?」
柳宿は握り拳を作り、わなわな奮えている。
そして、いつも手首に付けている腕輪は発動して、こてとなっている。
星「そうだぞ、柳宿。そなたが本気を出すと宮殿なぞ、軽く破壊されてしまうではないか」
軫「まるでゴジラみたいな言いようですね」(←ゴジラ知っとるんかい)
「あの・・・私、なんか凄くマズイこと言いました?」
翼「言うたか言うてないかで言うたら、言うてもうたな」
「えっ!どこがいけなかったんでしょうか?」
鬼「どこって言われると、全部かな。特に最後の一言が強烈だったな」
翼「そやな、あんなん言われるんやったら、裸で雪ん中走った方がマシやで」
鬼「オレ、氷の張った池に飛び込んだって構わないぜ」
ドゴッ!!
鬼宿と翼宿は柳宿の鉄拳をくらい、壁にめりこんだ。
張「柳宿さん、八つ当たりはだめですよ!」
井「そうなのだ、とりあえず落ち着くのだ」
「あの、ごめんなさい・・・本当に何にも覚えていなくて・・・」
名前は泣き出してしまった。
軫「名前、泣かなくてもいい。俺は医者だ。必ず記憶を戻してやる」
星「そうだ、泣くことはない。柳宿、気持ちは分かるが少しは冷静になれ」
柳「・・・・はい」
軫「無理に思い出そうと自分を追い込まなくていいからな」
「はい」
井「そうなのだ。記憶はすぐに戻ってくるのだ」
「ありがとうございます」
星「とりあえず昼食にしようではないか」
張「そうですね」
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せばいいのだ」
柳「・・・・」
_____
____
___
張「いえ・・・・」
_____
____
___
その日の夕飯で
柳「名前、もう少しで元の世界に帰れる方法が分かるからね」
「えっ?」
柳「ね、張宿」
張「は、はい」
「そうなんですね」
翼「ごちそーさーん」
鬼「何だ翼宿、もう食わねーのか?」
翼「昼にようけ食うたからな、腹いっぱいやねん」
鬼「そんなに食ってたか?」
軫「俺も、調べたいものがあるから」
いつもは何だかんだと、食事の後もおしゃべりをしている七星達だったが、
皆、早々に自分の部屋へ戻っていった。
柳宿が食堂を離れると、残っていた星宿に名前は尋ねた。
「あの、星宿様」
星「様はいらないよ」
「はい」
「あの・・・私ってどんな風に過ごしていました?」
星「それは、柳宿とどんな風に過ごしていたかってことだね?」
「・・・・はい」
星「分かった、私が知っていることは全部話そう」
「ありがとうございます」
_____
____
___
その頃、鬼宿は柳宿の部屋を訪ねていた。
柳「どうしたの?」
鬼「あのさ、このままでいいのか?」
柳「いいのかって、何が?」
鬼「だからさ、このまま名前を帰してしまっていいのかよ」
柳「本人が帰りたがってるんだもの」
鬼「そりゃ、今はそうかもしれねーけど」
柳「けど、何よ?」
鬼「うまく言えねーけどさ、このままじゃだめなんじゃねーのか?」
柳「だめって何が?」
鬼「んーと、だから、名前はお前が幸せにするんだろ?」
柳「そうよ、私はあの子が幸せになるのが一番大事なの」
鬼「お前が幸せにすればいいじゃんか」
柳「それができれば、そうするわよ」
鬼「じゃ、帰す必要はないじゃねーか」
柳「でもあの子の家族はあっちの世界にいるの。
それに、ここに来るまでずっと暮らしてきた世界なのよ」
鬼「そりゃそうだけど・・・」
柳「とにかく、名前は元の世界に帰るの」
_____
____
___
鬼宿と入れ替わるように、名前が柳宿の部屋を訪れた。
「柳宿、ちょっといいですか?」
柳「どうぞ、お茶淹れましょうか?」
「ありがとう」
柳「どうかした?何かあったの?」
「お礼を言おうと思って。
こっちでのこと忘れちゃってからずっと、
そばにいてくれて、色々優しくしてくれてありがとう」
柳「別にお礼なんていらないわよ///」
柳宿は顔を赤らめて答えた。
「ううん、ホントに感謝してる」
「それとね、最初に言ったこと謝りたいの」
柳「言ったこと?」
「その・・・気持ち悪いって・・・・」
柳「いいわよ、そんなの。
私がその辺の女より、綺麗すぎたってことでしょ」
そう言って柳宿は高らかに笑った。
「確かに綺麗だね」
名前はちょっと困った顔で笑って答えた。
「でも・・・なんで柳宿のこと忘れちゃったんだろう・・・」
名前は涙目になった。
柳「私、全然気にしてないから。ね。」
柳宿は名前の頭を優しく撫でながら言った。
「私ね、柳宿とどんな風に過ごしていたのかもっと知りたい」
柳「それは・・・あんたは元の世界に帰るから知らなくていいんじゃない?」
「自分のことだよ!?私は何でこっちの世界にいようって決めたか知りたいの!」
柳「・・・」
「どうして答えてくれないの!!」
ガシャン!
「つッ!!!」
名前は立ち上がろうとした拍子に熱いお茶が入った湯飲みを倒してしまった。
柳「大丈夫!?大変、早く軫宿のところに行かなくっちゃ!」
「大丈夫だよ、このくらい」
柳「何言ってんの!足、火傷してるじゃない」
柳「とにかく急ぐわよ」
そう言って柳宿は名前を抱きかかえた。
「きゃっ!あ、あの、自分で歩けるから」
柳「いいから!火傷してんのよ!?あんたは黙って私に抱かれていなさい!!」
「は、はいっ」
柳宿は名前を抱きかかえ、軫宿の部屋へ向かった。
「私、柳宿のこと好きになった理由が分かるかも」
柳「ん?何か言った?」
「ううん、なんでもない//」
軫「大丈夫、これくらいすぐ治る」
柳「本当?」
軫「ああ」
柳「良かった、嫁入り前の体だもの。跡でも残ったら大変」
「そんな、大げさな・・・」
柳「大げさじゃないわよ、あんたは女の子なんだからね!」
軫「柳宿、悪いが水を持ってきてくれないか?」
柳「水ね、いいわよ」
柳宿が軫宿の部屋を後にした。
軫「で、ちゃんと柳宿と話し合ったのか?」
「えっ?」
軫「これからの事とか」
「いえ・・・・
今までの事とか、聞いてみたんだけど答えてくれなくって」
軫「そうか」
「あの、軫宿さんから見てどうでした?」
軫「幸せそうだったよ」
「二人とも?」
軫「ああ」
「そっか、私ね、ちゃんと思い出したいんです。
柳宿は元の世界に帰った方がいいって言ってるけど」
「こっちの世界にいるって決めたのは私なんだし、それが分からないまま帰るのは違う気がするんです」
軫「確かに、記憶を取り戻すのが一番かもしれないが、それは記憶が戻らなくても分かるんじゃないのか?」
「・・・・」
「そう・・・ですね」
「私、決めました。それが分かるまで絶対に帰りません!!」
軫「それがいいと思う」
_____
____
___
柳宿は軫宿の部屋の前で二人の会話を聞いていた。
水がどのくらい必要なのか聞こうと戻ってきたのだ。
柳「はぁ」
柳宿は息をゆっくりと吐き、空を見上げた。
今夜は満月。
月明かりが整った庭を照らしている。
井「だぁ!!」
柳「ぎゃッ!!!」
天上から井宿が降ってきた。
井「びっくりしたのだ?」
柳「するわよ!心臓が止まるかと思ったわよ!!」
井「・・・・」
柳「何?」
井「だぁ」
柳「・・・分かってるわよ」
井「だ?」
柳「失くしたものは作り直せばいいんでしょ?」
井「だ!」
柳「ふぅ」
柳宿は溜め息をついた。
柳「私ね、心のどこかで不安だったのかもね。
名前は元の世界に帰りたいんじゃないかって。
捨ててきたものはあまりに大きかったんじゃないかしらって」
井「名前ちゃんは捨てたつもりはないと思うのだ」
柳「え?」
井「確かに元の世界に帰ることはできないのだ。
でも、今の名前ちゃんを育ててくれた世界として、大切に心の中にしまっていると思うのだ」
柳「井宿・・・」
井「二人とも優しいから口に出さないことがあると思うのだ。
でも、ちゃんと話さないといけないこともあるのだ」
柳「そうね・・・」
井「オイラは二人に後悔をして欲しくないのだ」
柳「うん、ありがとう」
井「翼宿も、多分そんな事を言いたかったと思うのだ」
柳「そうね、あのバカにしてはいい事言ってたのかもね」
柳「うーーーん!」
柳宿は両手を上げ、背伸びをした。
柳「覚悟が足りなかったのかしら、私」
井「そんなことないのだ」
柳「あの子は私を信じてこっちに残ってくれたんだものね。
私が不安がってちゃダメね」
井「大切なものを前にすると、皆そうなってしまうのだ」
柳「そっか、本当にありがとね!翼宿のバカにもそう言っといて」
井「自分で言うのだ」
柳「やーよ、あいつにお礼なんて、恥ずかしくて言えないわよ」
井「ま、その気持ちは分からなくもないのだ」
柳宿は何かふっ切れたような顔をして、自分の部屋へ戻って行った。
柳宿の背中を、お面を取った井宿が優しい瞳で見つめていた。
井「今夜も月が綺麗なのだ」
_____
____
___
コンコン
柳「私だけど、いいかしら?」
「柳宿?どうぞ」
名前は柳宿を招き入れようと扉を開けた。
そこには赤い服を身につけた柳宿が立っていた。
「わっ、どうしたの?その格好?」
柳「今日って12月24日でしょ?」
「あっクリスマスイブだ!」
柳「そ、その『くりすます』ってヤツ」
柳「くりすますには『三太』って人が赤い服着てプレゼントを持ってきてくれるんでしょ?」
「うん、そうだけど・・・
なんか漢字で言われると変な感じ」
そう言って名前はクスクス笑った。
柳「中入っていい?」
「うん、どうぞ」
少しの間、沈黙が続く。
柳「はい、これ」
柳宿は綺麗な紙に包まれた箱を名前に差し出した。
「何?これ?」
柳「だから、三太の代わりにプレゼント持ってきたの」
「ありがとう!ね、開けてもいいかな?」
柳「どうぞ」
名前が箱を開けるとそこには綺麗な細工がほどこしてある首飾りが入っていた。
「きれい・・・」
名前は目を輝かせた。
「いいのかな、こんな高そうなもの」
柳「もちろんよ、名前のために用意したんだもの」
「ありがとう!すごくうれしい!!」
柳「つけてあげようか?」
「うんっ」
背を向けた名前に柳宿が首飾りをつけ
そして
そのまま名前を抱きしめた。
「わっ///]
柳「ごめんね、名前が何度も聞いてくれたのに、何にも答えなくって」
「柳宿・・・」
柳「私、やっぱり名前を元の世界に帰したくないの」
「・・・・」
柳「こっちの世界にいて良かったって、思ってもらえるようにするから」
柳「帰ってほしくない」
名前は涙を流している。
「私ね、いっぱい考えたの。
確かに元の世界に帰れなくて、淋しくないって言ったらウソになる。
でも・・・それ以上に私にとって大事なことがこの世界にあると思うの」
「だから・・・」
「その・・・」
最後は泣き声となってうまくしゃべれないでいた。
柳「うん・・・」
柳「前のあんたはね、私に気を使って淋しいってことを言えなかったと思うの。
でもね、淋しい時は言って。
名前を帰すことはできないけれど、私にできることは何でもする。
受け止められるくらい、強くなるから」
「ありがと・・・でもね、私たぶんそんなに淋しくなかったんじゃないかな。
淋しいって思う余裕がないくらい、幸せだったんじゃないかと思う」
柳「名前・・・」
そのまま二人は動かないでいた。
風の音が部屋の中まで聞こえていた。
柳「そういえば、お菓子も用意したのよ」
柳宿は名前を抱いていた腕を解いて言った。
「ホント?」
柳「『けえき』ってやつは分からなかったんだけど・・・
あと七面鳥だったっけ?
でも、お夕飯をしっかり食べちゃったからそれは明日でもいいかしら?」
「うん、何だかうれしいな♪
私、男の人とイブを一緒に過ごすの、初めて」
柳「そっか、恋人同士、一緒に過ごすんだっけ?」
「うん、そうなの!!」
名前は元気よく答えたが、何だか急に恥ずかしくなって顔を赤らめた。
柳「ま、そんなに緊張しないで、楽しく過ごしましょ!」
_____
____
___
それからしばらく、柳宿は名前に、今まであったことを話して聞かせた。
「何か・・・想像以上に大変だったんだね」
柳「まあね、でもそのお陰で今があるわけだし」
「そうだね・・・」
柳「さ、大分遅くなっちゃったわね。
もう寝なさい。いくら『いぶ』とやらでも夜更かしは美容の敵よ」
柳宿は立ち上がって言った。
「そういえば!私、柳宿にプレゼントをあげてない」
柳「いいわよ、そんなの」
「でも・・・」
名前はしばらく考え込んで・・・
「柳宿!!」
柳「なに・・・」
柳宿が返事をし終える前にキスをした。
「こんなんで、ごめんねっ///
これしかうかばなくって・・・
柳宿はあんなに素敵なものをくれたのに」
名前は真っ赤な顔で必死にしゃべっている。
突然
柳宿は名前を抱きしめた。
柳「また、名前と恋ができるなんて、
これってすごく幸せな事かもしれない」
「うん」
柳「マズイわね。今夜名前を離したくなくなっちゃった」
「私も、一緒にいたいな」
柳「キスだけじゃ済まないかもよ」
「え゛、それはちょっと・・・」
柳「冗談よ。何にもしないから、一緒にいてもいい?」
「うん」
その夜二人は手を繋いで眠った。
_____
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___
翌朝
パパパン!パン!パン!!
「な、何!?」
派手な爆竹の音で目が覚めた名前は、見事に頭から床に落ちてしまった。
「いったーーーい」
翼「『めりいくりすます』やで~~~☆」
名前の部屋の扉を勢いよく開け、翼宿が中へ入ってきた。
柳「いったい何の音よ~」
翼「なんや二人一緒におったんか。
やらしいなぁ」
柳「残念ながら、何もしてないわよ」
翼「ほんまかいな」
「ちょっと、翼宿!!ビックリして頭打っちゃったじゃない!!」
翼「そんな事言うたかて、『くりすます』に爆竹鳴らして祝うって、名前が言うてたやんけ」
「言ったけど、あれはクラッカー!
爆竹とは似てるけど違うのっ!!」
「・・・って、あれ???」
柳「名前、もしかして記憶が戻ったんじゃない?」
「うん、そうみたい」
翼「何や、おれ様のお陰っちゅうことか?」
「そうだけど・・・」
名前と柳宿は素直に感謝する気持ちにはなれなかった;
翼「とにかく、記憶が戻ったんならそれでえーやん。
ほな、皆におれ様の手柄を報告してくるさかい」
言い終わらないうちに翼宿は走って行ってしまった。
「あっ!そうだ!
私ね、柳宿にプレゼント用意してたんだ」
名前は引き出しから出した包みを柳宿に渡した。
「はい、クリスマスプレゼント」
柳「ありがとう!開けてもいいかしら?」
「うんっ、開けて、開けて」
柳宿が包みを開けてみると、そこには髪飾りが入っていた。
柳「綺麗ね、ありがとう♪
でも・・・私髪切っちゃたから上手く付けられるかしら」
「だいじょうぶだよ、頑張ってまとめれば」
「それにね、それ、私とおそろいなの//」
柳「本当?じゃ、これ付けて、今度一緒に買い物に行きましょうか?」
「うん♪」
柳「うーーーん」
突然柳宿は困った顔をした。
「柳宿?どうかした?」
柳「私、昨日名前にちゃんとプレゼント貰ったのよね。
貰ってばっかりになっちゃうわね」
「えっ、いいよ、あんなの」
柳「ダメ!貰ったものはちゃんとお返ししなきゃ」
そう言って柳宿は名前を抱き寄せてキスをした。
柳「名前、めりいくりすます」
「メリークリスマス、柳宿☆」
PS:翼宿の知らせを聞いて、他の七星たちが名前の部屋へ駆けつけたのだが、
中へ入るタイミングがなく、困っていたのでした・・・
おしまい
あとがき→
なんとか駆け込みセーフ!?
ギリギリのupになってしまいました;
今回の影の主役は井宿と軫宿です。
大人だなぁ。重みが違うなぁ。
井宿なんか、まるでお嫁に行く女の子の気持ちを代弁してるじゃないですか。
切ないのは、鬼宿。
せっかくいい事言ってるのに、柳宿にしっかり言い負かされていました。
逆だとちゃんと言う事きくのに;
でも、そんなたまちゃんが管理人は好きです♪
柳宿さん、なかなかガンコですから;
あと、張宿の巻物と、天地書についてですが…
原作とはちょっと違う解釈をしています。
いつか、七星たちをこっちの世界に呼ぶお話も書きたいなぁって思って♪
あんな感じにしてしまいました。
話が降りてきてからは、スラスラ書けたのですが、
題名が・・・
浮かばない。
センスもない。
いいのが浮かんだら、変えることにして。
皆様、
「メリークリスマス&よいお年を!」
2010.12
巫女であるヒロインは、朱雀を呼び出した後、四神天地書の世界の人間となって暮らしています。
ゲームで言うところの「残留エンド」ですね。
お相手は柳宿です。
ーーー
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「いとおしーひとーのぉたーめーに♪」
朱雀の巫女である名前は口ずさみながら紅南国宮廷の廊下を歩いていた。
「プレゼントは用意したし、あとは飾り付けの準備と、お料理と…」
何やらブツブツ言いながら歩いている所へ、急に仔犬が名前の足元へ現れた。
「わっ!危ないっ」
名前は仔犬を踏まない様、慌てて避けた、が・・・
仔犬は踏まずに済んだが、今度は廊下の段差につまずいて、見事に頭からひっくり返ってしまった。
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翼「で、どないしたんや?」
軫「どうも転んで頭を打ったようだな。
頭のこぶは俺の治癒力で治したが、それ以上は俺の力でも無理だった」
星「とりあえずそれ以外、身体に異常はないのだな?」
軫「はい。他に痛い所も無いようですし」
鬼「でも、このままじゃまずいだろ?」
井「と言っても、今まで通りの生活を送りつつ、方法を探すしかないのだ」
そこへ勢いよく扉を開けて柳宿が部屋へ飛び込んできた。
柳「名前がケガしたって!?」
軫「ああ、まぁ怪我の方は俺の力で治したが・・・」
柳「本当?よかった
名前、大丈夫?」
「お姉さん、誰ですか?」
柳「は?あんた何言ってんの?」
「あの…私…よく分からなくって…」
柳「ちょっと、どうしちゃったのよ?」
柳宿はワケが分からないといった感じで、名前の顔を見ている。
張「柳宿さん、名前さんは頭を打った拍子に、こちらに来てからの事を忘れてしまったようなんです」
柳「えっ?それって私達のことを忘れちゃったってこと?」
井「そうみたいなのだ」
柳「私のことも?」
柳宿は名前の顔を覗き込んで言った。
「ごめんなさい、誰のことも分かりません」
柳「何でよ!他の誰を忘れてもいいけど、私のことは忘れちゃだめでしょうが!!」
翼「なぁ地味にひどいこと言うてへんか?」
鬼「ああ、そうだな」
「あの、何でですか?」
名前は柳宿に尋ねた。
柳「何でって、私たちは好きあってて、付き合ってて、愛し合ってるからよ!」
張「何か僕、恥ずかしいです」
星「あそこまで堂々と言われると、逆に気持ちがいいな」
軫「そうですね」
「そんな・・・私、女性と付き合わないし、絶対ムリです」
七星「・・・・・・・」
その場の空気が一瞬で凍りついた。
柳宿と名前以外の誰もが、この場を離れられるのなら南極で乾布摩擦をしてもいいと思った。
井「ぬ、柳宿、落ち着くのだ?」
翼「そや、名前は何も分からんで言うたことやし」
鬼「とりあえずさ、そのこて元に戻そうぜ?」
柳宿は握り拳を作り、わなわな奮えている。
そして、いつも手首に付けている腕輪は発動して、こてとなっている。
星「そうだぞ、柳宿。そなたが本気を出すと宮殿なぞ、軽く破壊されてしまうではないか」
軫「まるでゴジラみたいな言いようですね」(←ゴジラ知っとるんかい)
「あの・・・私、なんか凄くマズイこと言いました?」
翼「言うたか言うてないかで言うたら、言うてもうたな」
「えっ!どこがいけなかったんでしょうか?」
鬼「どこって言われると、全部かな。特に最後の一言が強烈だったな」
翼「そやな、あんなん言われるんやったら、裸で雪ん中走った方がマシやで」
鬼「オレ、氷の張った池に飛び込んだって構わないぜ」
ドゴッ!!
鬼宿と翼宿は柳宿の鉄拳をくらい、壁にめりこんだ。
張「柳宿さん、八つ当たりはだめですよ!」
井「そうなのだ、とりあえず落ち着くのだ」
「あの、ごめんなさい・・・本当に何にも覚えていなくて・・・」
名前は泣き出してしまった。
軫「名前、泣かなくてもいい。俺は医者だ。必ず記憶を戻してやる」
星「そうだ、泣くことはない。柳宿、気持ちは分かるが少しは冷静になれ」
柳「・・・・はい」
軫「無理に思い出そうと自分を追い込まなくていいからな」
「はい」
井「そうなのだ。記憶はすぐに戻ってくるのだ」
「ありがとうございます」
星「とりあえず昼食にしようではないか」
張「そうですね」
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せばいいのだ」
柳「・・・・」
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張「いえ・・・・」
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その日の夕飯で
柳「名前、もう少しで元の世界に帰れる方法が分かるからね」
「えっ?」
柳「ね、張宿」
張「は、はい」
「そうなんですね」
翼「ごちそーさーん」
鬼「何だ翼宿、もう食わねーのか?」
翼「昼にようけ食うたからな、腹いっぱいやねん」
鬼「そんなに食ってたか?」
軫「俺も、調べたいものがあるから」
いつもは何だかんだと、食事の後もおしゃべりをしている七星達だったが、
皆、早々に自分の部屋へ戻っていった。
柳宿が食堂を離れると、残っていた星宿に名前は尋ねた。
「あの、星宿様」
星「様はいらないよ」
「はい」
「あの・・・私ってどんな風に過ごしていました?」
星「それは、柳宿とどんな風に過ごしていたかってことだね?」
「・・・・はい」
星「分かった、私が知っていることは全部話そう」
「ありがとうございます」
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その頃、鬼宿は柳宿の部屋を訪ねていた。
柳「どうしたの?」
鬼「あのさ、このままでいいのか?」
柳「いいのかって、何が?」
鬼「だからさ、このまま名前を帰してしまっていいのかよ」
柳「本人が帰りたがってるんだもの」
鬼「そりゃ、今はそうかもしれねーけど」
柳「けど、何よ?」
鬼「うまく言えねーけどさ、このままじゃだめなんじゃねーのか?」
柳「だめって何が?」
鬼「んーと、だから、名前はお前が幸せにするんだろ?」
柳「そうよ、私はあの子が幸せになるのが一番大事なの」
鬼「お前が幸せにすればいいじゃんか」
柳「それができれば、そうするわよ」
鬼「じゃ、帰す必要はないじゃねーか」
柳「でもあの子の家族はあっちの世界にいるの。
それに、ここに来るまでずっと暮らしてきた世界なのよ」
鬼「そりゃそうだけど・・・」
柳「とにかく、名前は元の世界に帰るの」
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鬼宿と入れ替わるように、名前が柳宿の部屋を訪れた。
「柳宿、ちょっといいですか?」
柳「どうぞ、お茶淹れましょうか?」
「ありがとう」
柳「どうかした?何かあったの?」
「お礼を言おうと思って。
こっちでのこと忘れちゃってからずっと、
そばにいてくれて、色々優しくしてくれてありがとう」
柳「別にお礼なんていらないわよ///」
柳宿は顔を赤らめて答えた。
「ううん、ホントに感謝してる」
「それとね、最初に言ったこと謝りたいの」
柳「言ったこと?」
「その・・・気持ち悪いって・・・・」
柳「いいわよ、そんなの。
私がその辺の女より、綺麗すぎたってことでしょ」
そう言って柳宿は高らかに笑った。
「確かに綺麗だね」
名前はちょっと困った顔で笑って答えた。
「でも・・・なんで柳宿のこと忘れちゃったんだろう・・・」
名前は涙目になった。
柳「私、全然気にしてないから。ね。」
柳宿は名前の頭を優しく撫でながら言った。
「私ね、柳宿とどんな風に過ごしていたのかもっと知りたい」
柳「それは・・・あんたは元の世界に帰るから知らなくていいんじゃない?」
「自分のことだよ!?私は何でこっちの世界にいようって決めたか知りたいの!」
柳「・・・」
「どうして答えてくれないの!!」
ガシャン!
「つッ!!!」
名前は立ち上がろうとした拍子に熱いお茶が入った湯飲みを倒してしまった。
柳「大丈夫!?大変、早く軫宿のところに行かなくっちゃ!」
「大丈夫だよ、このくらい」
柳「何言ってんの!足、火傷してるじゃない」
柳「とにかく急ぐわよ」
そう言って柳宿は名前を抱きかかえた。
「きゃっ!あ、あの、自分で歩けるから」
柳「いいから!火傷してんのよ!?あんたは黙って私に抱かれていなさい!!」
「は、はいっ」
柳宿は名前を抱きかかえ、軫宿の部屋へ向かった。
「私、柳宿のこと好きになった理由が分かるかも」
柳「ん?何か言った?」
「ううん、なんでもない//」
軫「大丈夫、これくらいすぐ治る」
柳「本当?」
軫「ああ」
柳「良かった、嫁入り前の体だもの。跡でも残ったら大変」
「そんな、大げさな・・・」
柳「大げさじゃないわよ、あんたは女の子なんだからね!」
軫「柳宿、悪いが水を持ってきてくれないか?」
柳「水ね、いいわよ」
柳宿が軫宿の部屋を後にした。
軫「で、ちゃんと柳宿と話し合ったのか?」
「えっ?」
軫「これからの事とか」
「いえ・・・・
今までの事とか、聞いてみたんだけど答えてくれなくって」
軫「そうか」
「あの、軫宿さんから見てどうでした?」
軫「幸せそうだったよ」
「二人とも?」
軫「ああ」
「そっか、私ね、ちゃんと思い出したいんです。
柳宿は元の世界に帰った方がいいって言ってるけど」
「こっちの世界にいるって決めたのは私なんだし、それが分からないまま帰るのは違う気がするんです」
軫「確かに、記憶を取り戻すのが一番かもしれないが、それは記憶が戻らなくても分かるんじゃないのか?」
「・・・・」
「そう・・・ですね」
「私、決めました。それが分かるまで絶対に帰りません!!」
軫「それがいいと思う」
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柳宿は軫宿の部屋の前で二人の会話を聞いていた。
水がどのくらい必要なのか聞こうと戻ってきたのだ。
柳「はぁ」
柳宿は息をゆっくりと吐き、空を見上げた。
今夜は満月。
月明かりが整った庭を照らしている。
井「だぁ!!」
柳「ぎゃッ!!!」
天上から井宿が降ってきた。
井「びっくりしたのだ?」
柳「するわよ!心臓が止まるかと思ったわよ!!」
井「・・・・」
柳「何?」
井「だぁ」
柳「・・・分かってるわよ」
井「だ?」
柳「失くしたものは作り直せばいいんでしょ?」
井「だ!」
柳「ふぅ」
柳宿は溜め息をついた。
柳「私ね、心のどこかで不安だったのかもね。
名前は元の世界に帰りたいんじゃないかって。
捨ててきたものはあまりに大きかったんじゃないかしらって」
井「名前ちゃんは捨てたつもりはないと思うのだ」
柳「え?」
井「確かに元の世界に帰ることはできないのだ。
でも、今の名前ちゃんを育ててくれた世界として、大切に心の中にしまっていると思うのだ」
柳「井宿・・・」
井「二人とも優しいから口に出さないことがあると思うのだ。
でも、ちゃんと話さないといけないこともあるのだ」
柳「そうね・・・」
井「オイラは二人に後悔をして欲しくないのだ」
柳「うん、ありがとう」
井「翼宿も、多分そんな事を言いたかったと思うのだ」
柳「そうね、あのバカにしてはいい事言ってたのかもね」
柳「うーーーん!」
柳宿は両手を上げ、背伸びをした。
柳「覚悟が足りなかったのかしら、私」
井「そんなことないのだ」
柳「あの子は私を信じてこっちに残ってくれたんだものね。
私が不安がってちゃダメね」
井「大切なものを前にすると、皆そうなってしまうのだ」
柳「そっか、本当にありがとね!翼宿のバカにもそう言っといて」
井「自分で言うのだ」
柳「やーよ、あいつにお礼なんて、恥ずかしくて言えないわよ」
井「ま、その気持ちは分からなくもないのだ」
柳宿は何かふっ切れたような顔をして、自分の部屋へ戻って行った。
柳宿の背中を、お面を取った井宿が優しい瞳で見つめていた。
井「今夜も月が綺麗なのだ」
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コンコン
柳「私だけど、いいかしら?」
「柳宿?どうぞ」
名前は柳宿を招き入れようと扉を開けた。
そこには赤い服を身につけた柳宿が立っていた。
「わっ、どうしたの?その格好?」
柳「今日って12月24日でしょ?」
「あっクリスマスイブだ!」
柳「そ、その『くりすます』ってヤツ」
柳「くりすますには『三太』って人が赤い服着てプレゼントを持ってきてくれるんでしょ?」
「うん、そうだけど・・・
なんか漢字で言われると変な感じ」
そう言って名前はクスクス笑った。
柳「中入っていい?」
「うん、どうぞ」
少しの間、沈黙が続く。
柳「はい、これ」
柳宿は綺麗な紙に包まれた箱を名前に差し出した。
「何?これ?」
柳「だから、三太の代わりにプレゼント持ってきたの」
「ありがとう!ね、開けてもいいかな?」
柳「どうぞ」
名前が箱を開けるとそこには綺麗な細工がほどこしてある首飾りが入っていた。
「きれい・・・」
名前は目を輝かせた。
「いいのかな、こんな高そうなもの」
柳「もちろんよ、名前のために用意したんだもの」
「ありがとう!すごくうれしい!!」
柳「つけてあげようか?」
「うんっ」
背を向けた名前に柳宿が首飾りをつけ
そして
そのまま名前を抱きしめた。
「わっ///]
柳「ごめんね、名前が何度も聞いてくれたのに、何にも答えなくって」
「柳宿・・・」
柳「私、やっぱり名前を元の世界に帰したくないの」
「・・・・」
柳「こっちの世界にいて良かったって、思ってもらえるようにするから」
柳「帰ってほしくない」
名前は涙を流している。
「私ね、いっぱい考えたの。
確かに元の世界に帰れなくて、淋しくないって言ったらウソになる。
でも・・・それ以上に私にとって大事なことがこの世界にあると思うの」
「だから・・・」
「その・・・」
最後は泣き声となってうまくしゃべれないでいた。
柳「うん・・・」
柳「前のあんたはね、私に気を使って淋しいってことを言えなかったと思うの。
でもね、淋しい時は言って。
名前を帰すことはできないけれど、私にできることは何でもする。
受け止められるくらい、強くなるから」
「ありがと・・・でもね、私たぶんそんなに淋しくなかったんじゃないかな。
淋しいって思う余裕がないくらい、幸せだったんじゃないかと思う」
柳「名前・・・」
そのまま二人は動かないでいた。
風の音が部屋の中まで聞こえていた。
柳「そういえば、お菓子も用意したのよ」
柳宿は名前を抱いていた腕を解いて言った。
「ホント?」
柳「『けえき』ってやつは分からなかったんだけど・・・
あと七面鳥だったっけ?
でも、お夕飯をしっかり食べちゃったからそれは明日でもいいかしら?」
「うん、何だかうれしいな♪
私、男の人とイブを一緒に過ごすの、初めて」
柳「そっか、恋人同士、一緒に過ごすんだっけ?」
「うん、そうなの!!」
名前は元気よく答えたが、何だか急に恥ずかしくなって顔を赤らめた。
柳「ま、そんなに緊張しないで、楽しく過ごしましょ!」
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それからしばらく、柳宿は名前に、今まであったことを話して聞かせた。
「何か・・・想像以上に大変だったんだね」
柳「まあね、でもそのお陰で今があるわけだし」
「そうだね・・・」
柳「さ、大分遅くなっちゃったわね。
もう寝なさい。いくら『いぶ』とやらでも夜更かしは美容の敵よ」
柳宿は立ち上がって言った。
「そういえば!私、柳宿にプレゼントをあげてない」
柳「いいわよ、そんなの」
「でも・・・」
名前はしばらく考え込んで・・・
「柳宿!!」
柳「なに・・・」
柳宿が返事をし終える前にキスをした。
「こんなんで、ごめんねっ///
これしかうかばなくって・・・
柳宿はあんなに素敵なものをくれたのに」
名前は真っ赤な顔で必死にしゃべっている。
突然
柳宿は名前を抱きしめた。
柳「また、名前と恋ができるなんて、
これってすごく幸せな事かもしれない」
「うん」
柳「マズイわね。今夜名前を離したくなくなっちゃった」
「私も、一緒にいたいな」
柳「キスだけじゃ済まないかもよ」
「え゛、それはちょっと・・・」
柳「冗談よ。何にもしないから、一緒にいてもいい?」
「うん」
その夜二人は手を繋いで眠った。
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翌朝
パパパン!パン!パン!!
「な、何!?」
派手な爆竹の音で目が覚めた名前は、見事に頭から床に落ちてしまった。
「いったーーーい」
翼「『めりいくりすます』やで~~~☆」
名前の部屋の扉を勢いよく開け、翼宿が中へ入ってきた。
柳「いったい何の音よ~」
翼「なんや二人一緒におったんか。
やらしいなぁ」
柳「残念ながら、何もしてないわよ」
翼「ほんまかいな」
「ちょっと、翼宿!!ビックリして頭打っちゃったじゃない!!」
翼「そんな事言うたかて、『くりすます』に爆竹鳴らして祝うって、名前が言うてたやんけ」
「言ったけど、あれはクラッカー!
爆竹とは似てるけど違うのっ!!」
「・・・って、あれ???」
柳「名前、もしかして記憶が戻ったんじゃない?」
「うん、そうみたい」
翼「何や、おれ様のお陰っちゅうことか?」
「そうだけど・・・」
名前と柳宿は素直に感謝する気持ちにはなれなかった;
翼「とにかく、記憶が戻ったんならそれでえーやん。
ほな、皆におれ様の手柄を報告してくるさかい」
言い終わらないうちに翼宿は走って行ってしまった。
「あっ!そうだ!
私ね、柳宿にプレゼント用意してたんだ」
名前は引き出しから出した包みを柳宿に渡した。
「はい、クリスマスプレゼント」
柳「ありがとう!開けてもいいかしら?」
「うんっ、開けて、開けて」
柳宿が包みを開けてみると、そこには髪飾りが入っていた。
柳「綺麗ね、ありがとう♪
でも・・・私髪切っちゃたから上手く付けられるかしら」
「だいじょうぶだよ、頑張ってまとめれば」
「それにね、それ、私とおそろいなの//」
柳「本当?じゃ、これ付けて、今度一緒に買い物に行きましょうか?」
「うん♪」
柳「うーーーん」
突然柳宿は困った顔をした。
「柳宿?どうかした?」
柳「私、昨日名前にちゃんとプレゼント貰ったのよね。
貰ってばっかりになっちゃうわね」
「えっ、いいよ、あんなの」
柳「ダメ!貰ったものはちゃんとお返ししなきゃ」
そう言って柳宿は名前を抱き寄せてキスをした。
柳「名前、めりいくりすます」
「メリークリスマス、柳宿☆」
PS:翼宿の知らせを聞いて、他の七星たちが名前の部屋へ駆けつけたのだが、
中へ入るタイミングがなく、困っていたのでした・・・
おしまい
あとがき→
なんとか駆け込みセーフ!?
ギリギリのupになってしまいました;
今回の影の主役は井宿と軫宿です。
大人だなぁ。重みが違うなぁ。
井宿なんか、まるでお嫁に行く女の子の気持ちを代弁してるじゃないですか。
切ないのは、鬼宿。
せっかくいい事言ってるのに、柳宿にしっかり言い負かされていました。
逆だとちゃんと言う事きくのに;
でも、そんなたまちゃんが管理人は好きです♪
柳宿さん、なかなかガンコですから;
あと、張宿の巻物と、天地書についてですが…
原作とはちょっと違う解釈をしています。
いつか、七星たちをこっちの世界に呼ぶお話も書きたいなぁって思って♪
あんな感じにしてしまいました。
話が降りてきてからは、スラスラ書けたのですが、
題名が・・・
浮かばない。
センスもない。
いいのが浮かんだら、変えることにして。
皆様、
「メリークリスマス&よいお年を!」
2010.12