虎杖さんちの新婚生活

  • これは二人が入籍して、第一子を授かるまでの二人きりの時間の話である。悠仁には未だ前世の記憶はない。

  • 悠仁

    たっだいま〜!

  • 脹相

    おかえり悠仁

  • 悠仁が仕事から帰ると新妻が少し照れながら出迎えてくれる。そんな年上の妻の慣れない様子が可愛くて、誰かにおかえりと言って貰えるのが嬉しくて、最近は爆速で仕事をこなし定時退社を極めている。

  • 玄関で出迎えてくれた脹相にただいまのハグとキスをひとつ。

  • 悠仁

    いいんだよ?わざわざ出迎えてくれなくてもさ、料理中とか大変だろ

  • 脹相

    もちろん、火を使っている間は出迎えが出来ないが……夢だったんだ

  • 悠仁

    夢?

  • 脹相

    悠仁を、こうやって、「おかえり」と出迎えてやるのが

  • 脹相

    だから出来る限りしたいんだ

  • 悠仁

    ん〜へへっそっかあ〜

  • 悠仁は締まりなく緩む口元を隠さず脹相を抱き締め頬擦りする。脹相は自分より大きな体躯の悠仁を危なげなく抱き返してくれる。

  • 脹相

    悠仁、風呂も沸いてるぞ、夕飯もすぐ出来る、それとも……

  • 悠仁

    脹相にする!

  • 悠仁は脹相を抱き上げてリビングへと向かう。鞄を放り投げて上着を脱ぎ捨て。脹相もエプロンを取ってズボンと下着を脱ぎ去るとソファーに腰掛け、ベルトを外すのにもたついている旦那様のネクタイを引っ張った。

  • 悠仁

    ん、ちょ待ってベルト取れん

  • ネクタイを引っ張った先にある悠仁の唇に脹相が吸い付く。悠仁はそれに応えながら漸くベルトを外し、スラックスと下着を脱ぎ去った。

  • 暗転
  • 二人は風呂に入り、少し遅めの晩御飯を囲んでいる。悠仁は今日の会社での出来事を話し、脹相が穏やかに相槌を打つ。

  • 悠仁

    今日の飯も美味いね!弁当も美味しかった!俺同僚に自慢しちゃったもん

  • 脹相

    そんな、見せるほど凝ってるものじゃないんだが……

  • 悠仁

    いや、ああいうのが一番いいじゃん。気張らないのがほっとするっつーか

  • 脹相

    そうか?喜んでくれたなら良かった

  • 悠仁は行儀が悪いな思いつつ食卓に頬杖を付いてしみじみと目の前のパートナーを眺める。黒い艶やかな髪は肩に流され陶器に似た白い肌が襟から覗く。先程までそこに吸い付いて思う存分身体を繋げていた。

  • 悠仁

    ん、やばいやばい

  • 脹相

  • 悠仁

    お前のこと考えてるとTPO弁えずあれが元気になっちゃうんよ

  • 脹相

    ふ、悠仁のあれは正直で凄くかわいい

  • 悠仁

    うー……ダメダメ、この話は後でまた!

  • 脹相

    そうだな、寝室で。

  • 暗転
  • 汗がひいてきた体が冷えないよう、二人は布団にくるまっていた。悠仁が脹相に腕枕してピロートークをする時間は多いが、今日みたいに脹相が悠仁に腕枕をしてやる時もたまにある。悠仁は脹相の盛り上がった胸に頬を寄せて堪能している。

  • 脹相

    (可愛いな)

  • 悠仁

    美人でケツとタッパと胸がデカい奥さんが毎日俺の為に飯作ってくれて毎日夜のお供までしてくれて、俺幸せすぎて怖い

  • 脹相

    子供が出来たら、あまり悠仁だけに時間を割いてやれないかもな

  • 悠仁

    俺もパパやんなきゃだし、二人で頑張ろうぜ

  • 悠仁

    あーでも、もう少し二人きりがいいかも

  • 脹相

    そうだな……前はほんの少ししか時間が無かった……

  • 悠仁

    前世の話?

  • 脹相

    うん、数週間か、悠仁と二人きりで居た時間が俺にとっては150年の価値があった

  • 悠仁

    短いね、でもお兄ちゃんを150年分独り占めしたわけだ

  • 脹相

    お前はその時は認めなかったが、最期にはそう言ってくれた

  • 悠仁

    恋人と弟か〜両立すんのか、イマイチよく分かんねえな

  • 脹相

    理屈じゃないんだ

  • 悠仁

    脹相さん感覚派なんでしたっけ

  • 脹相

    はは、良く言い過ぎだと怒られたやつだな

  • 悠仁

    いいね、前世の俺は脹相とそんな濃ゆい関係を築いていたわけなんだな……まあでも今回は一生モノだから

  • 脹相

    俺も悠仁を一生大事にする

  • 脹相は悠仁をさらに抱き寄せて額にキスをした。むぎゅっと頬に柔らかく押し付けられた胸の肉が悠仁をこそばゆい気持ちにさいせる。脹相の愛情は大きくて深くて優しい。確かにこれは弟でも何でも受け入れてくれそうだ。悠仁は甘えるように脹相の胸に顔を埋めた。

  • 悠仁

    (もうちょいこのまま……いつか俺も前世を思い出せたらいいな)

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