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暖かくなってきた春の昼下がり、夫婦の寝室では脹相と末娘が仲良く昼寝をしていた。
悠仁は子供達の自転車や外遊びの遊具なんかの面倒がひと段落ついて屋内に戻って来たところだった。 -
末娘はもうすぐ3歳。可愛いさかりで、夫婦の予定では一番最後10番目の子供だ。虎杖家では珍しい女の子で、兄達みんなから可愛がられる。四女も初めての妹で、とても喜んでいた。
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脹相はそんな末娘の子守りをしつつ、自分も眠ってしまったようだ。連れ添ってあと数年で20年になる伴侶の寝顔を、悠仁はそっと撫でた。
出会った頃よりは流石に歳を重ねたが相変わらず綺麗な顔立ちだ。少したるみが出てきたな、小じわがある、あ、シミも見つけた。悠仁はいつまでもその寝顔を眺めていられた。 -
悠仁(歳とった顔が見られるなんてな……あの時は思いもしなかった……)
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脹相
んん……

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悠仁起きた?もうすぐ夕方だぜ、買い物行く?
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脹相
ん……?いつの間にか寝てしまった……最近疲れが出ていかんな

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悠仁温泉でも行く?
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脹相
温泉か、いいな

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脹相は強ばった体を伸ばして、ベッドに腰掛けた悠仁の肩に顔を乗せた。悠仁はすぐに脹相のこめかみにキスを一つ。腰を抱き寄せて、二人体を寄せ合い、娘の寝顔を眺める。
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脹相
もう乳離れをしてしまった。寂しいな

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悠仁俺の元に返ってきて嬉しい
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脹相
そうだ、悠仁のものだった

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悠仁でも俺も、赤ん坊が大きくなっちゃうのは寂しいって思うよ
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脹相
良いことなんだがな、一つずつ世話をすることが無くなっていく

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虎杖家は毎年卒業式や入学式が繰り返され、その度に夫婦二人はボロボロと泣いていた。子供の成長が嬉しくて寂しいと。
世話をすることが無くなる、それは脹相にとってとてつもなく寂しい事だろうと悠仁は考える。 -
悠仁末っ子ってさ、可愛いよな。ウチは女の子だから余計かもしれんけど
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脹相
ふふ、そうだ、末っ子は可愛い。みんな可愛いんだが、ちょっと違う可愛さがある

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悠仁そう思った?他の弟と違うって
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脹相
言っておくがな、みんな可愛いんだ。壊相も血塗も、可愛くて大事だ。それは悠仁も一緒だぞ。お兄ちゃんは平等に愛してる。

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悠仁おう……でも?
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脹相
末っ子は可愛い。甘やかしてやりたくなる。最後の子供だかだろうか。それは、多分悠仁のお兄ちゃん、みんながそうだろうな

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悠仁う〜ん、そうか。俺も弟が居たらそうなんかな?少なくとも娘にはそうかな
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悠仁だからか、脹相、最近この子とよく一緒に居るよな
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脹相
……う〜ん、末っ子と思うと離れ難くてな……子離れが難しい

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悠仁そうだな。まだ手がかかるから子離れは先だろうけど、脹相にはもう1人末っ子が居るんであんまり寂しくないですよ、って言いたいけど
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脹相
!!そうだな?!

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悠仁40なるおっさんが何言ってんだって感じだけどさ
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脹相
いくつになっても悠仁は俺の末弟で大事な伴侶だぞ!!

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悠仁あ、おっきい声出すと
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すやすやと昼寝をしていた末娘は脹相の声で、悠仁似の大きな猫目をぱちくりと見開いた。泣き出すことは無かったがむくりと起き出してたどたどしい言葉で悠仁に突進してきた。
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悠仁ほら!もう、暴れん坊なんだよ!誰に似たんだか
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脹相
女の子は元気が一番だ
夕飯の買い物に行こうか
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悠仁は末娘を抱き上げて肩に乗せると寝室を後にした。脹相もそんな広い背中を眺めつつ、買い出しの準備をする為に、一緒にリビングへと階段を降りていく。子供達が待つリビングへ。
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続く
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