-
脹相の住むアパートに悠仁が住み着いてから少し経つ。一般人に見えないのをいい事に悠仁は人間の姿になり、外出時も脹相に付いて回った。本人が言っていた通り、脹相は父親を探し回っている。だが生活も有るのでフリーの呪術師として呪霊討伐の仕事もたまにするようだ。あまり乗り気ではないが、脹相は強いので何体か一級の呪霊を祓い、当面の生活費や捜索費を得ると呪術師の仕事はしばらく休むというサイクルでいるようだった。
-
九十九
脹相、式神を使うようになったのか?
-
脹相
式神ではないんだ。
この子は悠仁だ、弟だ
-
悠仁お姉さんタッパでかいね!あと強そう!
-
脹相は悠仁の口を塞ぎ、九十九に経緯の説明をする。出自故、どちらかと言えば呪術師に近いところで育ったのだが、兄弟共に偏見にも晒され人間自体にあまりいい感情を抱いて居ない。弟を亡くし父親探しをするようになってからは特に高専からは距離を置いている。そんな脹相を気にかけてくれていたのが九十九だった。彼女もまたはみ出し者だった為彼女と彼女の仲間達が今の脹相の社会との繋がりのようなものだった。
-
九十九
そうか、悪さしないならいいんじゃないか?
-
脹相
ああ悠仁には二度と人を殺させない。
今後は討伐も手伝わせる。
九十九は悠仁の好みのようだが……絶対に手を出すなよ?
-
悠仁俺自分より強い人間にはなんもしねーよ、それに今はお前が好き
-
九十九
おや、仲良しさんだな
-
悠仁九十九さんだっけ、脹相って美人だよな、背高いしケツデカくていいよね
-
九十九
悠仁くん、いい好み持ってんね
-
脹相
九十九、そんなことより新しい情報があると聞いて来たんだが

-
九十九
そうだった
-
九十九と脹相は父親の居場所について話し始めた。九十九や九十九の仲間達は呪霊討伐自体にあまり感心が無いと聞いたが、悠仁は傍を離れるなと言われているので、二人の話を聞きながら部屋の中をぶらぶらと歩く。
-
ちらりと見遣った脹相は髪を一つ結びにしてロングの濃紺のコートと黒いチノパン、白いセーターを着ている。足元はいつもの重そうなブーツだ。180cm近い身長は、肩幅があるはずだが着痩せしてスラリとして見える。
-
九十九が大柄なせいで小柄にさえ見える。生活を共にしている為に見知った事だが、脹相は太ももや尻がしっかりとしていて悠仁好みなのも高得点。顔も整っているし、たまに悠仁に見せる優しい微笑みが好きだった。
-
悠仁九十九さんとは、恋人同士なの?
-
アパートへの帰り道、悠仁が脹相に訊ねる。脹相は周りに人が居ないことを確認し口を開いた。
-
脹相
九十九とはそういんじゃない

-
悠仁ふ〜ん、じゃあ他に恋人とか居る?
-
脹相
居ない、人間に興味がないし俺は

-
悠仁半呪霊だから生殖能力も無い、だろ?別に恋愛はいいんじゃないと思うんだけど、居ないなら俺が立候補出来るな
-
脹相
俺はお前のお兄ちゃんだ

-
悠仁それも意味ある?
-
脹相
……お前に生殖能力があるなら、不味いことにならないか?

-
悠仁ん〜……ん?それって
-
脹相は無言になり歩みを早めた。スーパーに寄って少しばかりの食材を買い込み、帰ると自分用に夕飯を作った。焼きうどん。本当に簡単なものだった。
-
悠仁飯食うんだ
-
脹相
半分人間だからな、腹は減る。……排泄はしないが、全部呪力になる

-
悠仁いい匂いだな
-
脹相
悠仁は食えるのか?

-
悠仁意味無いけどね
-
脹相
……じゃあ今度から二人分の食事を作っていいだろうか……?弟達によく作ってたんだ

-
悠仁脹相がそうしたいなら
-
脹相は悠仁に初めて微笑み以上の笑顔を見せた。味が分かるなら感想も欲しい、と。悠仁は頷いて脹相の食事を眺めていた。
-
脹相
悠仁、そろそろお前も食事が必要だろう

-
シャワーを済ませた脹相が髪をタオルで拭きながら、テレビを見ていた悠仁に訊ねる。悠仁は驚いた顔をしたあと満面の笑みを作った。これも初めて見せる笑顔だった。
-
悠仁それって!やっぱりシてくれるってことだろ?俺の苗床になってくれるの?
-
脹相
お前の呪力維持の為だ!
もし仮に孕ませることが出来たとしても、それは無しだ
-
悠仁そうだな、まずはお付き合いからだもんな!中出しはしない
-
脹相
中、出し……

-
悠仁嬉しいな、脹相は耐えられるかな……
-
悠仁がうっとりと笑うのに脹相は少々不安気だ。
亡くなった女達は悠仁の呪力に当てたれ且つ脳の処理能力を超えた快感を刻みつけられたことでショック死した者ばかりだった。
脹相が呪力で負けることは無いだろうがその度を超えた快感というものに不安が過ぎる。
何せ経験が無いのだ。
タップで続きを読む