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今日も凛は、いつもの如く京邸に来ていた。
ただいつもと違うのは、弁慶のいる部屋にヒノエも居たこと。 -
ヒノエ
凛。オレが言ったこと覚えてるかい?
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凛
え・・・えっと・・・・。
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弁慶
泣かされたら・・。と言ったことですか?
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ヒノエ
・・・・・あんたには聞いてないっての。
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凛
あ・・・。あれ、ね。
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弁慶
心配しなくても、もう泣かせたりなどしませんよ。
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ヒノエ
ま、泣かされなくても、いつでも来ていいんだぜ? オレとしては、そっちの方が大歓迎だね。
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凛
えっと・・・・。む、無理・・かな・・・・・。
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弁慶
当たり前です。ヒノエ、いい加減にして下さい。
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ヒノエ
別に、いいじゃねぇか。言っとくけど、オレはまだまだ本気だよ。ね、姫君。
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凛
ちょ、ヒノエ、な、なんでそこで抱きついてくるの!?
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弁慶
ヒノエ、いい加減にしなさい。
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ヒノエ
ってぇ。何すんだ。放せって。・・・わかった、わかったから。 ったく後ろ襟なんて掴みやがって、オレは猫じゃねぇぞ。
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凛
ふぅ・・・・・。
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弁慶
僕には迷惑な野良猫にしか見えませんが?
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ヒノエ
あ?じゃあ、あんたは野良犬ってところか?
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凛
あ、あの・・・。
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弁慶
それなら、解り合うのは無理、と言うことになりますね。
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ヒノエ
無理だね。ま、凛が好きな気持ちだけは解ってやるよ。
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凛
えっと・・・・あの・・・・・・。
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弁慶
君に解っていただかなくても結構ですよ。
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ヒノエ
ふ~ん。凛にだけ解ってもらえれば、ってやつか?
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弁慶
ええ、もちろんです。・・・さ、解っているならそろそろ席をはずしてくれませんか?
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ヒノエ
嫌だね。あんたが凛を泣かさないか見ててやるよ。
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弁慶
見ていなくて結構です。泣かせたりしませんから。・・・まったく、君も強情ですね。
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ヒノエ
今更気づいたのか?叔父貴。
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弁慶
・・・・・。僕の事を叔父と認めるならば、尚更言うことを聞いていただかないと。
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ヒノエ
あ?絶対、嫌だね。
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凛
も・・・・もう、いい加減にしなさーい!!!!!
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弁慶
凛。
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ヒノエ
あ・・・。悪い。って・・・・や・・・ヤバイな・・・・。
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弁慶
・・・。泣かせるなと言った本人が泣かせてどうするんですか?ヒノエ。
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ヒノエ
おいおい、それをいうならあんたもだろ。泣かせないんじゃなかったのか?
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弁慶
そうですね。
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ヒノエ
そうですね、だけですむ話か?
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弁慶
それだけで済ませるつもりはありませんが?
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凛
だから・・・・・・。
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ヒノエ
どうだか。
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弁慶
僕は・・・・・
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凛
だから・・・・・・。いい加減にしてって言ったじゃない!! 聞いてくれないなら、勝手にやってれば!??
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ヒノエ
あ。おい、凛、待ってって、凛!!
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弁慶
・・・・・。ヒノエ。君はここにいること。いいですね?
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ヒノエ
・・・・・わかったよ。
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数刻後
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弁慶
凛。こんなところにいたんですか。随分探してしまいましたよ。
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凛
・・・・・。
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弁慶
まだ怒っているんですか?
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凛
・・・・・。
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弁慶
凛。
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凛
勝手にすれば?
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弁慶
・・・・・。
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凛
え・・な・・・・・何すんの、いきなり!!!!
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弁慶
勝手にしてもいいと言われたので、勝手にしました。いけませんでしたか?
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凛
だ、だからって、いきなりそんな・・・・・・。
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弁慶
僕との口付けはそんなに嫌ですか?
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凛
・・・・・嫌。
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弁慶
そうですか。残念ですね。
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凛
って!嫌って言ったのに何してんのよ!!!
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弁慶
おや。僕が言ったことを覚えていないんですか?
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凛
え・・・・。
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弁慶
まったく、いけない人ですね。そんな簡単に忘れてしまって。 言ったでしょう?素直になるまで何度でも口付けをする、と。
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凛
わ、忘れてないけど・・・。
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弁慶
けど、なんですか?
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凛
そういう理由でするのは嫌・・・。
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弁慶
・・・・・。なら、どういう理由ならいいんですか?
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凛
う・・・・・。わ、解ってるくせに。
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弁慶
言わないと解りませんよ。
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凛
・・・・・。じゃ、じゃあ耳、貸して。
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弁慶
・・・・・。
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『私のこと好きだからって理由にして。』
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弁慶
ふふ。素直ですね。
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凛
・・・・・・・。
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弁慶
なら・・・・・。
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あとがき
その後の2人はご想像におまかせします。
台詞だけなんで解りにくいところがあるかもしれませんが、
その辺は目を瞑ってやってください。
あくまでも「おまけ」なので。
後、ただ単に凛を真ん中において言い争う弁慶とヒノエが書きたかっただけだなんて、
そんなこと言いませんから(爆/逃) -
END
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