一つ一つ重ねたカミは

 何度も繰り返すうちに、この行為の理由が気になった。
 考えてもわからないということはわかりきっていたけれど、無限に続く時間の中で考えないという選択肢はなかったし、「なんとかする」ための打開策が見つかるかもしれないと思って考えた。
 そもそも私は何をなんとかしようと思っているのか、そこに向き合わなければ答えは見えない。
 それ以前にそもそもどうしてこんなことになっているのか。
 諦めたり受け入れたり白紙化した周もあったはずなのに止まることなく繰り返されているのはどういうことなのか。
 けれどもそういったことは考えても答えの出ないことの部類に入るのは間違いなくて。
 ■■を失って穴が空いて。
 何もかもはそこから始まったような気がするのだけれど、やっぱりわからない。あの人は怪物で、私はモブの被害者で、それ以上の何者でもないはずなのに、何の酔狂か世界は繰り返していて。
 何かの意志が働いているのかとか、目的は何なのかとか、答えが出なくても考え続けるしかない。外のことを考えることは私自身のことを考えるよりはましだった。
 向き合いたくない、向き合えない、そんな気持ちがあるのは間違いなくて、何かしらの何かを押さえつけたまま周回は続く。
 それでも止める気にだけはなれなかった。
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